傘ブランド「Waterfront」を展開するウォーターフロントが、同社社員の"傘ソムリエ"土屋博勇喜氏による2025年の雨傘と日傘のトレンド発表会を開催した。間もなくやってくる梅雨に向けた機能性の高い「雨傘」と、今年も予想される猛暑で活躍する「日傘」について、おすすめの商品の紹介だけでなくお手入れ方法や選び方についても解説。

  • "傘ソムリエ"土屋博勇喜氏が2025年の雨傘と日傘のトレンドを解説

今年は昨年と比較して梅雨入りが早く、雨も多くなるとされている。さらに夏秋には例年以上の厳しい暑さが見込まれていることもあり、このあと傘が手放せない日が続きそうだ。

国内屈指の傘ブランド「Waterfront」

1986年創業の傘ブランド「Waterfront」は、累計販売本数が2億本を超える国内屈指の傘ブランド。特に人気なのは薄型傘の「ポケフラット」で、累計販売本数は2,400万本を超えるという。

ウォーターフロント代表取締役の吉野哲氏はこの実績について「創業時から軽さや強さなど傘に本当に必要な機能を徹底的に追求することを意識しています。さらにコスパ良く適正な価格で提供するかということに集中してきました。それらの積み重ねではないかと思っております」と語った。

長年トップシェアを守り続けていたものの、約10年前から他メーカーとの競争に苦戦、さらにコロナ禍により苦しい時期も経験したという。

  • 株式会社ウォーターフロント代表取締役の吉野哲氏

    ウォーターフロント代表取締役の吉野哲氏

「創業時の原点に戻り、改めて『傘に必要な機能』『適正な価格』を追求することにしました。新たに開発した、日傘としても使えて雨や風にも強い『ZENTENKOU』は機能性とコスパの良さで累計30万本売れるヒット商品になりました。

また、東レが開発した『サマーシールド』という素材を使用した日傘も開発しました。この商品は一般的には百貨店だと1~2万円するのですが、自社ECと自社店舗を中心に販売することで5,000~8,000円台で販売、予約受注でほぼ完売するほどの人気商品となりました」(吉野氏)

2025年雨傘のトレンドと傘の選び方は?

続いて登壇したのはウォーターフロント社員で、世界に1人しかいない"傘ソムリエ"でもある土屋博勇喜氏。土屋氏は大手ホームセンターでレイングッズを担当するうちに傘に魅了され、ウォーターフロントに入社した経緯がある。

  • ”傘ソムリエ”の土屋博勇喜氏

    "傘ソムリエ"の土屋博勇喜氏

土屋氏はまず近年の雨傘のトレンドについて解説。

「今年の梅雨入りは平年並みか遅い見込みで、夏の前半からは地球温暖化の影響で台風の発生も多くなる可能性があります。

私が考える2025年の雨傘のトレンドの1つ目は、コンパクト・畳みやすいなどいずれか一つの機能に焦点をあてて開発された"一点特化型機能"の傘。2つ目は性別問わずシーズンレスで"使いやすいカラーリング"です。いずれの商品も近年増えてきています」(土屋氏)

2025年の雨傘のトレンド
・一点特化型機能
・使いやすいカラーリング

続いて土屋氏は傘を選ぶ際に注目すべき3つのポイントについても解説した。

「まず1つ目のポイントは、自分にとって使いやすいサイズを選ぶということです。雨傘の標準サイズは親骨55cmが一般的ですが、荷物が多い人や体格が大きい人などはさらに大きめのサイズを選ぶと良いですね。身長170cm以上の人は親骨60cm、身長175cm以上の人は親骨65cmが目安です。ただし、傘の大きさが大きくなればなるほど風に対しての抵抗も増えてしまいますので適度なサイズを選ぶことが大切です」(土屋氏)

  • 傘の選び方について解説する土屋氏

    傘の選び方について解説する土屋氏

「2つ目のポイントは撥水と耐風性です。耐風性を示す具体的な指標はありませんが、製品の特長として風への強さを謳っているかをチェックしましょう。例えば親骨の中にスーツケースで使われるようなポリカーボネートを使っていたり、屈曲性に優れているグラスファイバーや軽いカーボンファイバーを使っているものが良いでしょう。さらに撥水性能については『撥水等級』という指標があり、通常撥水が3級、一番高い等級が5級となるので参考にしてください。

3つ目に傘の操作性です。売り場に並んでいる閉じた状態では違いが分かりづらいですが、手開きのものから自動開閉のもの、2つ折りなどいろんな仕様があります。ご自身で実際に触ってみて、これは使いやすいなとかこれは使いづらいなというのを試してから購入することをおすすめします」(土屋氏)

傘選びの注目ポイント
・自分にとって使いやすいサイズ
・撥水と耐風性
・操作性

迷ったらこれ! 2025年おすすめの雨傘

土屋氏がおすすめする雨傘を紹介してくれた。

強風に強い「富山サンダー20本骨」

「富山サンダー20本骨」は耐風FRP強化骨を20本搭載しており、特許も取得している独自の「花びらき構造」が特徴。受け骨が板状になっているため強い風が吹いても受け流すことができる。骨が板状になっていることによって、畳んだ時にもすっきりきれいなシルエットで畳むことができるメリットも。

  •  独自の「花びらき構造」が特徴

    独自の「花びらき構造」が特徴

  • 受け骨が板状になっているので風にも強く畳んだ時もすっきり

    受け骨が板状になっているので風にも強く畳んだ時もすっきり

圧倒的なたたみやすさ「クイックシャット」

「クイックシャット」はその名の通り「圧倒的にたたみやすい」ことが特徴。室内に入る際、濡れた折りたたみ傘を畳むのは面倒に感じることもあるが、クイックシャットは傘の裏面の一部に型紙が入ったかのように分厚くなっている箇所があり、何も考えずに畳もうとしても一瞬できれいに畳むことができる。

  • 自動開閉機能も便利

    自動開閉機能も便利

  • 傘の裏面の一部に型紙が入ったかのように分厚くなっている

    傘の裏面の一部に型紙が入ったかのように分厚くなっている

  • ひだを丁寧に折りたたまずにさっと一瞬できれいに畳める!

    ひだを丁寧に折りたたまずにさっと一瞬できれいに畳める!

カバンの隙間に入る極薄「ポケフラット2.0」

「ポケフラット2.0」は一般的な折り畳み傘の半分の厚みというスリムさが特徴。特殊な骨構造を使っているため、厚さが2.5㎝と極薄だ。薄型のためカバンの隙間にも入りやすく、持ち運びにストレスがない。さらに撥水性能も非常に高く、使用後は2~3振りするだけで水滴のほとんどが落ちる点も魅力。

  • 超撥水性能で、水滴が転がるように弾かれていく

    超撥水性能で、水滴が転がるように弾かれていく

雨傘のお手入れ方法は?

さらに土屋氏は、「撥水性を持続させるための雨傘の手入れ方法」についても解説した。

  • ドライヤーやアイロンを使った傘のお手入れ方法

    ドライヤーやアイロンを使った傘のお手入れ方法

「まずは洗浄すること。傘を広げた状態で表面の汚れを38℃から40℃ぐらいの温水で軽くざーっと流していただくと、傘表面のホコリや手の油を流すことができます。

さらに撥水がちょっと落ちてきたなと感じるのであれば、傘を広げた状態でドライヤーをあてます。3cm~5cmくらい離して30分から40分ほど温風をかけると傘の撥水性が戻ります。

アイロンを使った方法もあります。低温から中央ぐらいの温度に設定いただいて、3~4分軽くさっとかけていただけると撥水性を戻すことができます」(土屋氏)

2025年日傘トレンドは? 東レの高機能素材「サマーシールド」に注目

続いては日傘のトレンドについても解説。

「昨年の夏は過去最も暑かったとされていますが、今年も6月から暑さが増し猛暑となる予想が出ています。そんな今年の日傘のトレンドはさすことで涼しさがある"遮熱性"と性別問わず使えるシンプルでスタイリッシュな"ユニセックスデザイン"だと考えています。

日傘を選ぶ際にはUVカット・遮光・遮熱機能をチェックしましょう。UVカット率100%、遮光率100%(製品によっては99.9%以上という表記)、遮熱率35%以上のものが良いでしょう。さらに雨傘同様自分にとって使いやすいサイズを選び、耐風性にも注目してくださいね」(土屋氏)

さらに土屋氏が注目するのは、東レが開発した「サマーシールド」という素材。

東レ スポーツ・衣料資材事業部 衣料資材課の長谷川達郎氏は、「昔の日傘は、UVカットや遮熱などいずれか1つの機能だけに特化したものが売られていました。麻製の黒い日傘なら眩しさは軽減できるけれど熱は通す、UVコーティングをした白い日傘なら紫外線はカットできるけど眩しいなど、素材により機能が偏っていました。

  • 東レ株式会社の長谷川達郎氏

    東レの長谷川達郎氏

そこで東レでは遮熱・遮光・UVカットすべての機能を同時に実現する『サマーシールド』という素材を開発しました。三層構造になっていまして、外側の1層目は重さや軽さ、好きな色味を選ぶことができます。2層目は酸化チタンいう素材を使うことで紫外線と赤外線の一部を弾きます。3層目はカーボンブラックという素材を使うことで、1・2層目では防げなかった可視光線を防ぎ、さらに熱をここで留めるようにしています。3層目で余分な熱を留めても、傘と頭の間には空気層がありますから、結果的に涼しく感じるというわけです。さらに3層にすることで様々なカラーの日傘をつくることができるメリットもあります」(長谷川氏)

  • 3層になっているので、可視光線・紫外線・赤外線すべてを防ぐことができ、さらにカラバリも増やせる

    3層になっているので、可視光線・紫外線・赤外線すべてを防ぐことができ、さらにカラバリも増やせる

紫外線と暑さを防ぐ最高水準の日傘「COKAGE+」

「COKAGE+」は前述のサマーシールドを採用。過去には「室内にいるぐらい涼しい」と話題になったこともある商品だ。遮熱率は最大で67%で、傘をさしている時とそうでない時では頭部の温度に約40℃の差が出たという実験結果もある。

  • その名の通り木陰にいるように涼しくなる「COKAGE+」

    その名の通り木陰にいるように涼しくなる「COKAGE+」

機能性がさらに進化! 2025年おすすめの日傘

土屋氏がおすすめする日傘商品も教えてもらった。

COKAGE+の新作! 晴雨兼用傘「COKAGE+ACTIVE」

「COKAGE+ACTIVE」は紫外線対策・暑さ対策・耐水・耐風性能のいずれにも優れ、性別を問わず使用できるデザインが魅力。収納袋が大きめにつくられているのも特徴で、急いでいる時でも畳まずにわさっと袋に収納できるのが便利だ。

  • スタイリッシュで性別を問わないデザインが魅力の「COKAGE+ACTIVE」

    スタイリッシュで性別を問わないデザインが魅力の「COKAGE+ACTIVE」

  • 収納袋が大きく、きれいに畳まなくても入れやすい

    収納袋が大きく、きれいに畳まなくても入れやすい

壊れにくい全天候用の傘「ZENTENKOU」

「ZENTENKOU」はUVカット率が99.9%以上、遮光率も99.99%以上と高い遮熱性と撥水性を備えた晴雨兼用傘。特徴は骨にスーツケースと同じポリカーボネートという素材を使用しており、強い風が吹いても風を受け流し壊れにくいという。まさに「全天候」で安心して使用できる。

  • 試しに傘の外側から手でぐっと圧を加えてみると……

    試しに傘の外側から手でぐっと圧を加えてみると……

  • 傘の骨部分が柔軟に歪み、折れることなく風を受け流している

    傘の骨部分が柔軟に歪み、折れることなく風を受け流している

日傘デビューにおすすめ「ポケフラットサンシェイド」

最後は「ポケフラットサンシェイド」。薄型で軽く、小回りの利くサイズでカバンにも収納しやすく持ち運びにストレスがない。カラー展開もユニセックスデザインで性別を問わず使うことができる。日傘をこれまで持ち歩く習慣のなかった方のデビュー傘としてもおすすめだ。

  • 薄く持ち運びにも便利

    薄く持ち運びにも便利

たくさんの種類があって迷ってしまうが、自分のライフスタイルや好みに合わせて選ぶことでさらに快適に使うことができる。同社公式サイトでは自分に合った傘を見つけられる「傘診断」もあるので、質問に答えてベストな傘を見つけてみてはいかがだろうか。