第17話「乱れ咲き往来の桜」では1780(安永9)年の様子が描かれ、新たに「往来物」に挑戦する蔦重と、それを阻もうとする鶴屋喜右衛門(風間俊介)たち地本問屋の攻防が展開された。また、幕府では十代将軍・徳川家治(眞島秀和)の嫡男・徳川家基(奥智哉)の死去に伴う後継者問題が表面化する。

注目度トップ3以外の見どころとしては、初回以来に姿を見せた九郎助稲荷(綾瀬はるか)が挙げられる。スマホで繁盛する耕書堂を写真に撮ったり、田沼意次とともに清水重好(落合モトキ)に謁見したりとやりたい放題だった。「自撮り写真の加工とコンでた…が超キュートだった!」「ちょんまげ姿で頭を下げたときに見えたしっぽがモフモフで最高」などと、その愛らしさはSNSで話題となった。今後もたまには登場してほしい。

そして、吉原を足抜けした小田新之助(井之脇海)とうつせみの近況も注目されている。平賀源内のツテで百姓として生活していたようで、「新之助とうつせみ、幸せに元気でやってるのね。ほんとによかった」「無事だっただけでなく、蔦重に新しい商売のヒントも与えてくれるなんて、新之助えらい!」と、意外にも平穏な暮らしを送る2人に安堵した視聴者も多かったようだ。蔦重とは3年ぶりの再会だった。

また、意次の息子・田沼意知(宮沢氷魚)と佐野政言(矢本悠馬)の対面シーンもあった。意次への面会を求める政言への対応に苦慮する意知の姿は、その後の史実を知る視聴者をハラハラさせたようだ。SNSでは、「矢本さん演じる佐野政言の笑顔が怖い」「意知くんは不穏な空気を感じ取っているけど、意次さんはそうじゃないという温度差が…」と、悲劇の序章に多くのコメントが集まっている。佐野家の系図をないがしろにしたことを後ろめたく思う意知だが、事件は4年後に迫っている。

きょう11日に放送される第18話「歌麿よ、見徳は一炊夢」では、唐丸の過去や、蔦重と別れた後の足取りが描かれる。また、朋誠堂喜三二(尾美としのりさん)の筆に異変が起こり、松葉屋では抜き差しならない修羅場が展開される。

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