3番目に注目されたシーンは20時30分で、注目度70.9%。誰袖(福原遥)に言い寄られる蔦重が、志げ(山村紅葉)に折檻されるシーンだ。

往来物を成功させた蔦重が通りの桜を眺めていると、突然、背中から誰かに抱きつかれた。かをり改め誰袖だった。振袖新造だった彼女も今や立派に花魁となっていた。

幼いころから言い寄ってくる誰袖を、蔦重は全く相手にしていないが、周囲からは疑いの目が向けられている。金魚のふんのように後をついてくる誰袖に、蔦重は吉原の男と女郎について説くが、誰袖はどこ吹く風である。

すると案の定、蔦重は誰袖を連れ戻しに来た志げに仕置き棒で尻を思い切り叩かれた。「戻ってください、花魁。蔦重のケツが割れちまいますよ!」険しい顔ですごむ志げに誰袖は、にこやかに志げにじゃれついて「兄さん、身請け待っておりんすよ」と言い残して誰袖は去っていった。

「艶やかさと小悪魔感が絶妙で存在感がすごいね」

ここは、周囲をはばからず蔦重に一直線の誰袖を、視聴者がハラハラしながら画面を注視したと考えられる。

少女の頃から蔦重にぞっこんの誰袖だが、成長して美しい花魁となっても相変わらず激しいアプローチをかけまくる。吉原の男と女は一緒になれないという掟をモノともせず、明るく奔放な誰袖は今後のキーマンとなるのだろうか。

SNSでは、「誰袖、艶やかさと小悪魔感が絶妙で存在感がすごいね」「瀬川と比べて誰袖は子供っぽいけどそこが魅力的だなぁ」「誰袖さん、次郎兵衛義兄さんみたいな癒しキャラになってくれそう!」と、大人になった誰袖に魅了された視聴者のコメントが集まっている。これから吉原は賑やかになりそうだ。そして、突然倒れた主人の市兵衛。大文字屋に波乱の予感がMAXである。

今回、初登場を果たし、大きなインパクトを残した誰袖(※大人バージョン)だが、瀬川と同様に実在した花魁で大文字屋に在籍していた。1783(天明3)年に刊行された狂歌集『万載狂歌集』に彼女が詠んだ狂歌が収録されており、教養の高さがうかがえる。あの天真爛漫さで、実は教養もあるというのは無敵の設定だ。

誰袖を演じる福原遥は、研音に所属する埼玉県出身の26歳。女優、声優、歌手、タレント、ファッションモデルとマルチに活躍しており、大河ドラマは『べらぼう』が初出演となる。2009年から13年まで放送された子供向け料理番組『クッキンアイドル アイ! マイ! まいん!』で、主人公・柊まいんで大いに注目を浴び、「まいんちゃん」の愛称で親しまれるようになった。横浜流星とは2014年に公開された映画『烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS』で共演しており、誰袖とは真逆のツンとした性格のゲストヒロイン・レディを魅力的に演じた。11年ぶりに共演となる2人だが、今後の展開に注目が集まる。