CHINTAIは5月1日、一人暮らしについての調査結果を発表した。調査は2024年12月1日~2025年1月31日、同社が運営する「CHINTAIエージェント」に新規登録したユーザー3421名の設定条件をもとに分析を行った。
令和の一人暮らしに立ちはだかる「10万円の壁」
CHINTAIエージェント登録者が設定している希望家賃帯を分析したところ、全体の約75%が「10万円未満」を希望しており、中でも最多は「5万円以上~8万円未満」(42.4%)だった。一方、「10万円以上」と回答した人は全体の24.8%にとどまり、"10万円の壁"が一人暮らしにおける現実的なハードルとして立ちはだかっていることがうかがえる。
「バス・トイレ別」の物件に住むなら8万円が分岐点
「バス・トイレ別」をこだわり条件に設定しているユーザーの希望家賃帯を分析したところ、家賃6万円の層では46.7%にとどまっていたのに対し、8万円になると75.6%まで大きく増加していることがわかった。一方で、9万円・10万円と家賃がさらに高くなると、希望率はやや下降する傾向にあり、「バス・トイレ別」は高価格帯では"あって当然"の設備として認識され、あえてこだわり条件として明示しない人も増えていると考えられる。このことから、「バス・トイレ別」の物件を希望する場合、家賃8万円台が"叶えやすさ"の壁となっていることが明らかになった。
「最低限の快適さ」が求められ始める"5万円の壁"
ユーザーが設定したこだわり条件を、希望家賃帯ごとに比較したところ、家賃帯によって重視される条件に違いがあることがわかった。
5万円未満と、5万円以上~8万円未満の希望家賃帯を比較したところ、「バス・トイレ別」や「2階以上」など、最低限の快適さに関わる条件の設定率が大きく増加していた。このことから、「暮らしやすさ」を意識した住まい選びが本格化する最初の分岐点は、5万円台にあることがわかる。
生活のバランスにこだわりが生まれる"8万円の壁"
5万円以上~8万円未満と、8万円以上~10万円未満の希望家賃帯を比較したところ、「室内洗濯機置場」や「バス・トイレ別」など、生活の快適性に直結する設備を重視するユーザーが、一気に+25~30ポイントも増加していることがわかった。この結果から、家賃8万円台が、"最低限の暮らしやすさ"から"一歩先の快適さ"へと意識がシフトする分岐点であると考えられる。
叶えたい暮らしが見えてくる"10万円の壁"
8万円以上~10万円未満と、10万円以上の家賃帯のユーザーが設定しているこだわり条件を比較したところ、「ペット相談可」「追い焚き機能」「南向き」など、快適性や安心感に加え、プラスαの快適さや自分らしいライフスタイルを重視する傾向が強まっていることがわかった。10万円を超える家賃帯では、"暮らしを楽しむための住まい"を選ぶ意識がより明確になっていると言えそうだ。