清乃が女優という仕事に漠然と興味を持ったのが、幼稚園の頃だったという。
「家族で『ハリー・ポッター』を観に行ったとき、私が『ここに映っている人はなに?』と聞いたみたいなんです。そのときに俳優というお仕事のことを教えてもらい、その後メイキング映像でグリーンバックでの撮影などを見て、さらに興味を持つようになりました」。
そこから小学生のころは、特に女優を目指すという目的意識があったわけではないというが、ドラマや映画をひたすら鑑賞する子だったという。特に好きだったのが、小栗旬で実写化された『信長協奏曲』。夢中になって観ていた記憶が残っている。
「小さい頃ってそこまでシリアスな作品はなかなか観られなかったのですが、『信長協奏曲』はすごく明るい話でもあり、感動もできた。こういう世界に入ってみたいなという憧れを強く持った作品でした」。
女優デビューから3年が経った。芸能界に入る前は「自分にも演技はできるんだ」という根拠のない自信があったという。しかし現場に入ると、その自信はあっという間に砕かれた。
「まったくできませんでした。毎回毎回本当にダメなところばかりが目立ってしまって。それは当たり前のことなのですが、毎回悩んで失敗しての繰り返しです。そのなかでも、『全領域異常解決室』に出させていただいたときは、周囲の人から『観ていよ』とたくさん声を掛けていただきました。そのとき『あー届いているんだ』と思い、さらに俳優という仕事に対して『もっともっと向き合っていきたい』と思えたんです」。
感情を解放する演技に挑戦したことで課題も見えてきた。
「自分で思っているより、もっともっとしっかり表現しなければ伝わらないんだと思いました。もちろん役や状況によって違いますが、現場でアリスさんからも『自分が感じているよりも、もっとやってみるといい。もしそれで大きすぎれば、下げていけばいいから。最初から小さくしてしまうと、大きくならないよ』とアドバイスをいただきました」。
女優という仕事に貪欲さが増してきたという清乃。
「(広瀬)すずさんの撮影見学で、是枝裕和監督の現場に行かせていただいたことがありました。是枝監督の『怪物』も大好きで、いつか作品に参加できたらいいなという思いがあります。大きな目標の一つです。また自分は『ハリー・ポッター』を観てこの仕事に興味を持ったので、しっかり日本で作品の役に立てるような俳優になれたら、海外の作品にもチャレンジしてみたいです」。
2005年9月2日生まれ、千葉県出身。2022年にミサワホームのCMでデビューし、2023年にNHK大河ドラマ『どうする家康』で女優デビュー。その後、ドラマ『366日』『全領域異常解決室』(24)、『クジャクのダンス、誰が見た?』(25)などに出演。
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