ドゥカティとランボルギーニ、魂を響かせるふたたびの邂逅 |Ducati Panigale V4 Lamborghini、イタリアン・エクセレンスの頂をゆく

2025年のミラノデザインウィークにおいて、アウトモビリ・ランボルギーニとドゥカティがふたたび協業し、新型スーパーバイク「ドゥカティ・パニガーレV4 ランボルギーニ」を発表した。舞台となったのは、イタリア・ミラノの「テアトロ・アルチョーネ」。この歴史ある劇場で繰り広げられた発表イベントは、まさに”イタリアン・エクセレンス”を象徴する瞬間となった。

【画像】ドゥカティとランボルギーニが再びタッグを組んだ!新型スーパーバイク「ドゥカティ・パニガーレV4 ランボルギーニ」(写真26点)

今回のコラボレーションは、「ディアベル1260 ランボルギーニ」に続く二度目のタッグ。両社はいずれもエミリア・ロマーニャ州のモーターバレーを拠点とし、創造性とパフォーマンス、そして美しさを軸にしたモビリティ文化を牽引してきた。その精神が再び交わり、ドゥカティの最新スーパーバイク「パニガーレV4」と、ランボルギーニのハイブリッド・スーパースポーツ「レヴエルト」が融合した、唯一無二のマシンが誕生した。

「ドゥカティ・パニガーレV4 ランボルギーニ」のデザインは、レヴエルトにインスパイアされており、カラーリングやディテールにもその影響が色濃く現れている。ボディカラーにはカーボンファイバーの質感を活かしたブラックに、グリーンのアクセントとゴールドのディテールを採用。インテリアから着想を得た専用シートも装備され、ルーフやエンジンフード、スポイラーなどのランボルギーニの造形美が、二輪のスケールで再現されている。

エアロダイナミクスと軽量化を徹底的に追求した設計も見逃せない。カーボンファイバー製のボディワークとコンポーネントには、ヒートシールド、ヒールガード、マッドガード(前後)なども含まれており、全てが同織りのカーボンで製作されている。とりわけ車体中央部には、シンメトリーな織り目で仕上げられたヘリンボーン模様が施され、職人技が際立つ仕上がりとなっている。

エンジンは、認証チタニウム製アクラポビッチサイレンサーと専用キャリブレーションを組み合わせることで、最大出力を引き上げながら約7kgの軽量化に成功。パワーウェイトレシオは向上し、パニガーレV4ファミリーの中で最強かつ最軽量のスペックを実現した。

さらに、アルミ削り出しのドライクラッチや調整可能なフットレスト、クラッチ&ブレーキレバー、オープンクラッチカバー、ナンバープレートホルダー取り外しキットなど、サーキット走行を見据えた装備が標準で備わる。ビレットアルミニウム製のレーシング・タンクキャップやキャリパーカバーも装着され、細部に至るまで機能性と美しさを両立。

限定生産は630台。さらに、ランボルギーニオーナー専用の「スペチアーレ・クライエンティ」仕様が63台用意され、オーナーの愛車と同じカラーリングでのカスタマイズが可能となっている。トリプルクランプの側面にはシリアルナンバーの刻印が施され、アルミ製イグニッションキーにも同様の刻印が入る。専用ボックスには真正証明書とバイクカバーが付属し、車体に合わせたカラーの専用リアスタンドとともに特製の木箱に納められて納車される。

なお、ランボルギーニのオーナーはバイクのカラーリングに合わせた専用ヘルメット、レザーライディングスーツ、ジャケットまで選択可能。トータルでの美意識を反映したガレージの実現が可能となっている。

このプロジェクトについて、両社のCEOが以下のようにコメントを寄せている。

ステファン・ヴィンケルマン(アウトモビリ・ランボルギーニ会長兼CEO): 「ランボルギーニとドゥカティという、二つの見紛うことなきデザイン言語が出会うとき、私たちのイタリアンスピリットや美しさといった価値観が完璧に体現されます。このパートナーシップの中で、ドゥカティはレヴエルトのエクストリームスポーツ精神と特別感を巧みに解釈、再現し、ランボルギーニのDNAを体現する要素やディテールの特徴をバイクに組み込んでいます。こうして純粋なランボルギーニ・スタイルのパフォーマンス、興奮、性格を融合する独特な作品が生まれました」

クラウディオ・ドメニカーリ(ドゥカティCEO): 「レヴエルトにより、イタリアのモーターバレーを代表する2社のパートナーシップはさらに充実しました。イタリアンエクセレンス、躍動感、パフォーマンス、そして常に異彩を放つ独自のデザインという、私たちを突き動かす価値観を改めて認識し、強めることになりました。私たちはレヴエルトからインスピレーションを受け、そこから2社を代表する最もエクスクルーシブなモデルを結びつけることができました。この選択は最高にエキサイティングな走りをオンロードで実現できる、際立って美しい唯一無二のコレクターズアイテムを愛好家たちに提供するという、私たちの変わらぬ願いを改めて示すものです」

両ブランドの哲学と美学が、ここまで高い次元で結実したコラボレーションは稀である。ドゥカティ・パニガーレV4 ランボルギーニは、単なる”特別仕様車”の枠を超えた、魂を揺さぶる工業芸術そのものだ。

納車は2025年9月より開始される予定となっている。