全国の高校生が企業とタッグを組み、ビジネスアイデアで競い合う「マイナビキャリア甲子園」で、帝塚山高等学校の女子生徒4人からなるチーム「ロックロック」が見事優勝を果たした。

パートナー企業となった日本生命の代表者らが4月7日、奈良県奈良市にある同校を訪問し、全校生徒が見守る始業式の場でトロフィーを授与した。

■「ぜひ、学校生活で“答えのない問い”にも挑戦してみてください」

優勝チーム「ロックロック」と二人三脚でマイナビキャリア甲子園を戦った、日本を代表する生命保険会社・日本生命。

  • 左から大阪本店 地域戦略支援室の井上菜穂子担当課長、東京・丸の内本社 業務統括部 滝沢佑介担当部長、奈良支社 支社市場振興部の詠田昭彦部長

この日は東京の業務統括部から滝沢部長、奈良支社の詠田部長、大阪本店の井上課長が帝塚山高校を訪問。始業式に参列し、ロックロックのメンバーたちにトロフィーを贈呈後、生徒らへ向けてスピーチも行った。

壇上に立った滝沢さんは、全国3,136チーム、約1万1,595名が参加した大会の中での快挙を称え、次のように語った。

「今回、帝塚山高等学校からは19チームが参加され、3チームが決勝に進出しました。これは大会史上最高数の快挙です。その中で、我々日本生命とペアを組んだ『ロックロック』の皆さんが、見事優勝されたことを、社員一同心から嬉しく思っています」

ロックロックは日本生命が設定した、「『誰もが、ずっと、安心して暮らせる社会』の実現に向けて、日本生命が地域の方々と共に展開する、これまでにない新しい取組を提案せよ」という課題に挑戦。物の廃棄問題と被災地の風化問題を解決するオンラインショッピングサービス「BUYBUY」を提案した。メンバーらはアイデアを練るうえで、実際に能登半島地震の被災地をボランティアとして訪れ、フィールドワークも実施した。

滝沢さんは、ロックロックが優勝を勝ち取った理由として3つのポイントを挙げた。

「まず1つ目は、実体験に基づいた独創性です。彼女たちは能登半島地震のあと、ボランティアに参加し、現地で目にした“まだ使えるのに廃棄される物資”という課題を、自分たちの目線で掘り下げ、提案に繋げました。

2つ目は、論理的な思考による理屈の通った分かりやすい提案だったこと。地域課題の本質に迫るべく何度も話し合ってくれたことがわかる提案でした。YouTubeでも配信されていますが、審査員からの鋭い質問にも堂々と受け答えしていました。

3つ目は、チームワーク。準備の過程でも4人の役割分担がそれぞれ明確で、プレゼンの際もチームワークの良さが際立っていました。
そして何より熱意のある提案でした。今申し上げたことは、帝塚山高校から決勝に進出した他の2チームにも感じられましたが、本当にレベルの高い大会でした」

また、滝沢さんはAI時代における若者の挑戦の意義についても言及した。

「今はAIでスピーチも数秒で生成できる時代です。実際、私も『帝塚山高校 来賓スピーチ』と入力して試してみました。確かに素晴らしい原稿が出てきましたが、それでは私の想いや個性は伝わりません。AIは便利ですが、あくまで“補完するもの”。本当に大切なのは、皆さん一人ひとりの個性と、考える力、そして挑戦する姿勢です」

そして最後に、新年度を迎える生徒たちへ熱いエールを送った。

「ぜひ、これからの学校生活で“答えのない問い”にも、自分なりに考え、挑戦してみてください。その経験が、皆さんを大きく成長させてくれるはずです」

■トロフィー授与終え「まさかこんなに大々的に祝ってもらえるとは」と驚き!

始業式のあとはロックロックのメンバーと日本生命の担当者、帝塚山高校の校長、教諭らが集まり、交流会が実施された。

  • 写真を見ながらマイナビキャリア甲子園を振り返り。思い出話に花が咲く。

ロックロックの木下来美さんは、「本当にありがとうございました。お会いするたびに、『日本生命の魅力を(アイデアに)使ってほしい』とおっしゃっていて、私たちも『じゃあもっと日本生命の魅力を考えないと』ってことで、全国にいるたくさんの社員やたくさんの支店といったアイデアをプレゼンの中に入れました。多分、それで『このチームは日本生命のことを知り尽くしてるな』ということで優勝になったのかなと思っています」と感謝の言葉を送った。

國嶋彩乃さんも、「こんな経験はなかなかできないし、今振り返っても本当に夢のような時間でした。日本生命の本社に行ったときも、『すっごい大きい会社だった!』って親に自慢話ばっかりして。マイナビキャリア甲子園に参加してよかったし、私たちを選んでいただき、手厚くフォローしてくださり本当にありがとうございました」とお礼を述べた。

日本生命の滝沢さんも、「改めて、本当に優勝おめでとうございます」とお祝いの言葉を投げかけ、「日本生命としても、会社内で新しい提案を募集したりしているのですが、今回、みなさんにこういうかたちで優勝していただいたので、会社としても新規事業化の可否を含めて検討していきます。そしてぜひ、今度はうちの丸の内本社でもプレゼンしてください」と呼びかけた。

トロフィーの授与、そして交流会を終えたロックロックのメンバーらは、「日本生命さんが今日、学校に来てくれるとは聞いていたけど、まさかこんなに大々的に祝ってもらえるとは思っていませんでした。ビックリしたけど、嬉しかったですね」と驚きと喜びを口にした。