20年落ちのマセラティは予想外に快適!?|『Octane』UKスタッフの愛車日記

『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。今回は、2005年マセラティ4200GTを手に入れたピーターが愛車「エンリコ」の様子をお届けする。予想外にノートラブルのようだが、その要因は?

【画像】トラブルフリーで快適な、ピーターのマセラティ4200GT(写真4点)

先日手に入れたマセラティ4200GTカンビオコルサで、すでに2000マイルも走破した。実を言えば、何も起きないことを加味に祈りながらではあったが、実際のところトラブルは皆無だ。走行距離はまだ36,000マイルだし、パーフェクトな記録簿も付いている。さらに前オーナーは、この車の整備をトップ整備工場のマクグラス・マセラティ社だけに任せていたのも高評価ポイントだ。

念のために言っておくと、年に1度のオイル・フィルター交換と定期点検でだいたい1000ポンド(約18万円)前後はかかるようだ。これはスーパーカーの世界にしては、大したことではないだろう。そして、こういったことをしっかり実施しておくことが、とてもとても重要なことなのだ。なので、この夏に予定しているモデナへのロードトリップの前に、もうひとつ付け加えておこう。この車の購入にあたっては念入りなリサーチが必要だ。分厚い取扱説明書を隅から隅まで読み、2年間に渡って気に入る車を探し続け、そしてやっとのことでこの「エンリコ」(イタリアの有名なテノール歌手、エンリコ・カルーソーにちなんで名づけた)に決めたのだ。

4ウェイ調節が可能でヒーター付きのシート(メモリー設定付き)のおかげで、快適なことこの上ない。メモリー機能も付いている。なんとも贅沢な装備だ。

スイッチをオンにし、オイルが循環するのを待ち、フェラーリ由来のドライサンプ式4.2リッターV8エンジンを始動させる。エンジンはすぐにかかり、素晴らしい咆哮を上げるが、ほんの数秒後には低く眠気を誘うほどの鼓動に落ち着いていく。23個の警告灯がすべて消える。至福の時間だ。

カンビオコルサとは「レーシング・ギアチェンジ」という意味で、第一世代のF1スタイルの「フラッピー・パドル」と呼ばれる、コラムに取り付けられた2本のレバーを指している。右側でシフトアップ、左側でシフトダウンする。それが、従来式のクラッチに油圧で接続している。また、「ノーマル」モードと「スポーツ」モードが選べる。

さあ、出発の時間だ。右側のレバーを手前に引くと、デジタル計器にファーストギアが表示される。サイドブレーキをおろし、エンジン回転を上げ、ためらいつつも…セカンドギアへ。田舎に住んでいるとまっすぐな道が多いこともあり、すぐに6速まで上がって60mphに達する。2000rpmでは、このエンジンはほぼアイドリング状態だ。

アッパーレシオでのマニュアルシフトダウンも容易く、保護のためにオートマチックオーバーライド機構が内蔵されている。しかしこのギアボックスは、市街地の脇道用に設計されたものでは決してない。2速と1速の間を行ったり来たりするオートチェンジなど、悪夢のようだ。クラッチの早期摩耗の主な原因にもなり得る。さらに信号待ちもある。ちょっとした買い物に乗る程度なら、妻のリンの小さなアバルト595を借りたいところだ。彼女が許してくれるならだが。

免許を取り消されずに、0-100mph加速が11.3秒であるということを確認するために、私はグッドウッドとカースル・クームでのサーキット走行会イベントを予約した。本領が発揮できれば、私の「エンリコ」は至上の幸福を感じるだろう。そして、私も同じ気持ちになるはずだ。

Words: Peter Baker