ビザ・ワールドワイド・ジャパンは4月10日、スキーシーズンにおける旅行者と消費の動向についての分析を発表した。

日本のスキー観光地にとって記録的な年に

昨年(2024年11月16日~2025年2月15日)、日本のスキー観光地への総訪問者数は前年比で約40%増加しており、日本の魅力が高まっていることを物語っている。富裕層見てみると、こちらも前年比で約40%も増加しており、日本のゲレンデを強く好んでいることがわかる。富裕層以外の一般層の旅行者も同様に、40%近く増加した。しかし、最も顕著な成長は海外からの旅行者によるもので、その数は約50%急増し、それと比較すると、国内訪問者の約20%の増加は小さく見える。現在、海外からの観光客はスキー観光地への全訪問者の80%近くを占めており、日本の観光ブームにおいて彼らが極めて重要な役割を果たしていることが浮き彫りになっている。

  • 財布の紐は固いながらも、旅行での支出は堅調

慎重な消費の中での経済活性化

訪問者全体の消費は前年比で約25%増加し、取引件数は前年比で40%近く急増したが、消費はより慎重になっている。旅行者一人当たりの消費は、富裕層と一般層の両方で約10%減少し、より慎重な消費動向を反映している。しかしながら、海外からの観光客は、スキー観光地で国内の観光客よりも1日あたり約4倍多く消費しており、観光客の消費が、経済貢献をしていることがわかる。

  • 日本はスキーヤーにとって最も行きたい場所として人気を集めている

トップスキー観光地の人気の高さ

調査では、上位3つのスキー観光地について重要な洞察を明らかにしている。

ニセコは今でも日本のスキー観光地として絶大な人気があり、海外からのスキー観光客の約50%を引き付け、海外からの観光客の消費の約60%を占めている。

白馬もそれに負けず劣らず、海外からのスキー観光客の約35%が訪れ、海外観光客による消費は、前年比で30%以上と最も急速に成長している。

富良野は、人気が高まっており、国内訪問客数が全体の約55%を占めており、その増加では、前年比で約30%増と、最も急増している。また、海外からの訪問者数は前年比で70%近く急増している。ニセコが海外からの富裕層にとってよりプレミアムなスキー観光地になりつつある一方で、富良野はファミリープランを含むよりバラエティに富んだプランで、より幅広い訪問者にアピールしている。街やホテルに近接しているため、高品質の雪と日本の食事体験の両方を楽しむことができることが、訪問者の増加に寄与していると考えられる。

タッチ決済の急増

今回分析したスキー観光地では、タッチ決済の利用は急増し、対面取引の80%以上がタッチ決済で行われており、わずか2年の間に倍増していることがわかる。海外からの訪問客は、その取引の約84%がタッチ決済で行われているのに対し、国内の訪問者は約55%であり、タッチ決済利用の急増は、主に海外からの訪問者によって牽引されており、タッチ決済の利便性とセキュリティが、スキー観光地での消費環境を変えつつあることがわかる。

  • タッチ決済の利用急増は、ストレスフリーな決済に対する旅行者のニーズを反映している

スキー後の日本観光

日本の魅力はスキー場にとどまらない。海外のスキー旅行者の90%以上が、スキー後に国内の他の地域に足を延ばし、スキー観光以外の場所で、さらに平均9日間を過ごしている。この長期滞在により、消費は前年比で3倍、取引は5倍に増加した。東京、千葉、大阪などが人気で、日本を出発する前に食事やショッピング、宿泊を楽しむことで、さらなる経済貢献が期待される。

  • 海外からのスキー客の9割が、スキー後に日本国内の他のエリアも訪問

地元のお店に活力

スキー観光地の中小事業者においては、消費の約20%、取引件数の約30%を占めている。タッチ決済利用による消費は、前年比で約40%増加しており、特に中小事業者で顕著であり、タッチ決済を利用できる環境によって訪問者の決済体験を向上させているといえる。上位カテゴリーである宿泊、小売サービス、エンターテインメント、レストランは、国内外の観光客の多様な消費パターンを反映している。

  • タッチ決済は中小加盟店にとって大きなビジネスチャンス

日本のスキー観光地は、記録的な数の観光客を集めているだけでなく、経済も活性化している。海外からの旅行者数の堅調な増加と、消費の増加、タッチ決済を利用できる環境は、日本が一流のスキー観光地としての地位を確立している。これらのトレンドは、観光業の幅広い経済的利益と、日本独自の文化的・自然的資源の持続的な魅力を浮き彫りにしている。