ワークマンでは2025年春夏の新商品として、熱中症4大リスクである「気温・湿度・輻射熱・風」に対応する『XShelter暑熱軽減ウェア』を展開している。関係者は「世界初の新素材を使い、何も着ないより着ているほうが涼しく感じられる、そんなウェアを完成させました。初年度には47万点を用意し、22億円を販売する計画です」とアピールする。
■どんなアイテムが登場した?
毎年、夏の暑さが厳しさを増している日本列島。気象庁によれば、今年も向こう3カ月(4~6月)の平均気温は「全国的に平年並みか高い見込み」とのことで、引き続き熱中症対策が欠かせない。このタイミングでワークマンではXShelter暑熱軽減ウェアを展開している。
XShelter暑熱軽減ウェアは、ワークマンの社内組織(ワークマン快適ワーク研究所)と日本赤十字看護大学附属災害救護研究所が2年の歳月をかけて共同開発したもの。表側の特殊酸化チタン融合ポリエステル糸は「日傘と同じ遮熱性」「カーテンと同じUV効果」「合成繊維の2~3倍の速乾性」を持ち、裏側の多層疎水性ポリプロピレン糸は「水分を含まない」「窓ガラスの4倍の断熱性」「水に浮くほど軽量」といった性質をもっている。
特徴的な機能のひとつに“持続冷感”がある。これは湿潤時に、より冷たさを感じることができる機能。たとえば夏の猛暑で汗をかいたときに、すばやく身体を冷やすことができる。もちろん速乾性にも優れているので不快感はなく、身体を冷やしすぎることもない。
ファスナーの部分にはUVアラートチェッカー機能がついており、太陽からの紫外線量が強くなるほど青く変色して危険性を知らせる。このあたりも日本赤十字社が監修している。
■着たほうが涼しい!
メディア発表会でワークマン 専務取締役の土屋哲雄氏は、XShelter暑熱軽減ウェアについて「着たほうが涼しい、新感覚のウェアとして訴求していきます」と説明する。
新商品の開発を後押ししたのは、厚生労働省の政策だった。同省では6月1日より、熱中症対策をしていない事業者に対して罰則を設ける考え。たとえば従業員を31度以上の気温環境で1時間以上も連続で働かせるようなとき、企業が熱中症対策を怠っていると判断した場合には6カ月以下の懲役、または50万円以下の罰金を科す。土屋氏は「建設業、製造業、運送業、警備業をはじめ、幅広い業種の方が対象となります。そこでワークマンでは普段使いできるウェアで熱中症対策になるものの開発が急務だと考えました」と説明する。
また日本赤十字社との協業という観点では、大規模災害の発生時に防災グッズとして利用してもらうことも想定している。土屋氏は「いざというときに高機能なウェアがあれば、たとえばクーラーのない避難所でも便利に使ってもらえると思います。こうした取り組みが認められ、日本赤十字社から表彰状もいただきました。非常に名誉なことでした」と話した。
このあと舞台上には、新商品を着用したモデルが登壇。機能性とファッション性をアピールした。
なおワークマンではXShelter暑熱軽減ウェア以外にも、熱中症対策に有効な商品などを取り揃えて販売していく考え。昨年の大ヒット商品で、2年連続で20万点が即完売している「UVパーカー」が今年も登場する。サンバイザー、マスク、アームカバーが一体となったもので、やはり今回も即完売となる可能性が高いという。
また“着る冷凍庫”とアピールする製品が『ペルチェベストPRO2』(5月発売、25,000円)。従来モデルでは3か所だった冷却プレートが、背中に3つ・前に2つの合計5か所に増設されており、電源を入れると瞬時に表面温度がマイナス3度まで下がる仕組み。ちなみにモーターサイクルショーに出展したところライダーに人気が出て、3日ほどで1,500台が売れたという。