4月1日、サントリーがRTDに新製品「THE PEEL(ザ ピール)〈レモン〉」を投入した。糖類・香料無添加で、果皮(ピール)にこだわり、ビールユーザーへの新たな切り口として作り上げたという。今回はたこ焼きとともに味わってみることにしよう。

  • 話題の新製品「THE PEEL」とたこ焼きを楽しむ

ビールユーザーも楽しめるレモンサワーを!

レモンを使ったRTD(Ready to Drink / ふたを開けてすぐ飲める飲料)は、アルコール飲料のなかでもとくに競争が激しいジャンルだ。各社がしのぎを削るなか、サントリーは4月1日に新製品「THE PEEL(ザ ピール)〈レモン〉」(以下、THE PEEL)を発売した。

その特徴は、レモンの果皮(ピール)100%(※)のレモンスピリッツにこだわり、糖類・香料無添加で作ったサワーであること。同社は「ビールユーザーも楽しめる新たなサワー」を謳っているが、一般的なレモンサワーとどのような違いがあるのだろうか。たこ焼きをおともに、その味わいを試してみたい。

  • 4月1日にサントリーから発売された「THE PEEL(ザ ピール)〈レモン〉」

(※レモンスピリッツに使用する浸漬素材における割合)

着想はリモンチェッロの技術と知見にあり

サントリーがレモン果皮に着目したきっかけは、南イタリアの伝統酒「リモンチェッロ」。果皮には、“香り”に効くリモネン量が果汁の数千倍、“味の厚み”に効くポリフェノールが果汁の数十~数百倍も含まれているそうだ。

同社には、長年レモン果皮の原料酒を開発してきた技術と知見がある。レモン果皮100%の「レモン果皮蒸溜酒」2種、「レモン果皮浸漬酒」2種、計4種のレモンスピリッツを組み合わせることで、ビール好きも満足できる本格的な味わいに仕上げたという。

詳しく知りたい方は商品説明会の内容も参考にしてほしい。

パッケージは輪切りのレモンピールがデザインされており、果皮で作ったことをストレートにアピール。PRメッセージでもレモンピールサワーの味表現に一直線だ。「レモン果皮100%」へのこだわりを感じさせる。

  • サントリーの自信を感じさせるPRメッセージ

レモン果汁のサワーともレモンチェッロとも異なる味わい

まずはグラスに注いでいこう。缶を開けると、シュワシュワした泡とともに搾ったレモンのみずみずしい香りが漂う。炭酸はそれほど強くなく、レモン果皮の苦みを活かす微発泡。色もまたレモン果汁のように少し白濁した透明だ。

口に含んでみると、糖類・香料無添加というこだわりがすぐにわかる。リモンチェッロのイメージと比べるとずっと甘みはほのかで、前面に出てくるのは爽やかな苦みだ。

なかなか面白いバランスで、ここが「THE PEEL」の狙い所だろう。飲みやすいがコクと余韻を楽しむことができ、さまざまな食べ物と合いそうな印象だ。一方でレモン果汁のサワーのようなわかりやすい酸味のパンチはないため、人によっては“あっさり”と感じる人もいるかもしれない。

  • 爽やかな苦みの後にじんわりと来るコクと余韻が心地よい

たこ焼きとともに「THE PEEL」をいただく

レモンサワーといえば多くの居酒屋メシに合いそうだが、今回はたこ焼きを2種類用意してみた。ひとつは甘口ソース、もうひとつはだし醤油だ。

まずは、甘口ソースのたこ焼きを試してみよう。のりとかつおぶしが踊る、熱々のたこ焼きを思い切ってガブリ。ホフホフいいながらトロトロの中身と大ぶりのたこを味わう。やはりたこ焼きと言えばこの味だ。たっぷりかかったマヨネーズの酸味も効いている。

ここで「THE PEEL」をグビッといただく。ああ、これは間違いない組み合わせだ……。レモン果汁のサワーだと酸っぱさで口の中がリセットされるところ、「THE PEEL」は清々しいほろ苦さと奥深いコクの相乗効果で、甘口ソースのたこ焼きをよりおいしくしてくれる。味見のつもりが、箸が止まらない。休日の昼から楽しみたいやつだ。

  • 濃厚なうまみで溢れる甘口ソースのたこ焼きとの相性は最高!

次に、だし醤油のたこ焼きを試すことにしよう。熱々のたこ焼きにだし醤油がかかることで、あたりには出汁と醤油のなんともたまらない香りが漂う。箸でつまみ、ひと思いに口に放り込むと、皮にしみこんだだし醤油と中身が一体となって押し寄せる。日本人ならこれをマズいと思う人はいないだろ!といいたくなる瞬間だ。

余韻に浸りつつも、「THE PEEL」をゴクリ。だし醤油のコクとレモン果皮由来のコクが相まって……と思いきや、淡白であまり印象に残らない。シンプルで素材の味が生きる両者が、それぞれ単独で立ってる感じがした。合わないかと言えば全然そんなことはないのだが、これは少々意外な結果だった。

  • だし醤油のたこ焼きとの組み合わせは個人的にはいまひとつ。なぜだ?!

2種類のたこ焼きと合わせてみて思ったのは、口に含んだ瞬間に表れる「果皮由来の苦味・コク」と、喉を通った後に残る「豊かな余韻」、このふたつのタイミングとうまくかみ合う食べ物が合うのかもしれないということだ。

複雑味があるがゆえに瞬間ごとに味の表情が代わり、かみ合うときはものすごくかみ合う。一方で香料・糖類無添加なので食事の邪魔はしないが、印象に残らないときは残らないという、合わせる食べもの次第で印象の変わるお酒という感じを受けた。

単体で楽しむのはもちろん、食事とマッチしたときの「THE PEEL」は本当においしい。しばらくは相性の良い食事を開拓しつつ、お酒好きのみなさんの情報を探っていくことになりそうだ。