テレビ画面を注視していたかどうかが分かる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、インターネットに接続したコネクテッドTV(CTV)の視聴実態(24年1~12月)を調査した「コネクテッドTV白書2025」をまとめた。

  • REVISIOの郡谷康士社長

    REVISIOの郡谷康士社長

前年10~12月期から逆転

CTV利用世帯においてテレビデバイスで放送局・動画サービスが1日あたり何分視聴されているかの調査(24年1~12月)では、YouTubeが60.1分でトップ。以下、日本テレビ(57.1分)、TBSテレビ(44.5分)、テレビ朝日(43.8分)、フジテレビ(43.2分)、NHK総合(32.6分)と続く。前回の白書(23年10~12月)では、日テレが58.9分、YouTubeが53.4分だったが、逆転した格好だ。

次いでAmazon Prime Videoが17.0分でテレビ東京(14.9分)を上回り、CTV視聴世帯での動画サービスのテレビスクリーン視聴が定着していることがうかがえる結果となった。なお、Lemino、FOD、NHKプラスは計測対象外となっている。

以降は、TVer(5.6分)、NHK Eテレ(5.2分)、Netflix(5.0分)、ABEMA(2.3分)、Hulu(2.1分)、U-NEXT(2.0分)、DAZN(0.7分)、Disney+(0.5分)、TELASA(0.1分)と続いている。

テレビ画面の「注視度」は動画サービス高い傾向

また、テレビ前に滞在している時にどれくらいの割合で画面に視線を向けているかの「注視度」を調査(24年1~12月)すると、視聴タイミングやコンテンツを選んだ上で視聴している動画サービスが地上波に比べて高い傾向に。

1位:Disney+(57.7%)、2位:Netflix(56.7%)、3位:U-NEXT(53.8%)、4位:TVer(50.3%)、5位:Amazon Prime Video(50.2%)、6位:DAZN(48.8%)、7位:ABEMA(47.7%)、8位:Hulu(47.5%)、9位:YouTube(47.5%)となり、10位にテレビ東京(46.3%)が入った。

以下、11位:NHK総合(44.2%)、12位:テレビ朝日(43.5%)、13位:TBSテレビ(43.2%)、14位:NHK Eテレ(42.6%)、15位:フジテレビ(41.9%)、16位:TELASA(41.7%)、17位:日本テレビ(41.3%)となっている。

これらの調査は、REVISIO関東パネル2,000世帯のうち、原則CTV利用世帯で地上波を15秒以上起動していた世帯のデータを利用している。

広告主から「テレビの力は不可欠だ」

REVISIOはこのほど、創業10周年イベントを開催。24年11月に国内の大手広告主各社と共に発足した「テレビスクリーン測定ワーキンググループ」の研究成果を発表し、CM出稿において、地上波のみのよりも、地上波+CTVのミックスのほうが、「トータルリーチは伸びる可能性が大きい。特に若年層(M1層・F1層)において効果的である」といった結果を明らかにした。

このイベントで、REVISIOの郡谷康士社長は、かつて上海でデジタル広告代理店を創業した際に「お客様に“テレビ広告からデジタル広告に変えていきましょう”と言う立場だったのですが、多くの広告主の皆さんから“テレビとデジタルで目指していることは違う。自分たちのプロダクトを自分たちに興味のない潜在層まで広げていくためには、テレビの力は不可欠だ”と教わることが多かった」というエピソードを披露。

その中で、広告主にテレビに対しての改善希望を聞くと、「デジタルでできて当たり前のことができない」という悩みが共通してあったことを踏まえ、REVISIOの「テレビ画面の注視データ」というアイデアに至ったといい、テレビデバイスのさらなる可能性に期待を示した。