東京・お台場にF1が降臨|Red Bull Showrun × Powered by Honda、史上初の4名揃い踏み

2025年4月2日(水)、東京・お台場の特設コースにて「Red Bull Showrun × Powered by Honda」が開催された。本イベントは、同日からスタートしたF1公式プロモーションイベント「F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025」のオープニングを飾る形で実施されたもの。Red Bull RacingとVisa Cash App Racing Bulls(以下レーシング・ブルズ)に所属する現役F1ドライバー4名が全員登場するのは日本では初の試みであり、3台のF1マシンによる華麗なデモランが約12,000人の観客を魅了した。

【画像】F1マシンが公道を走る!お台場の特設コースで開催された「Red Bull Showrun × Powered by Honda」(写真13点)

今回のショーランは、Red Bullとホンダのパートナーシップが最終シーズンを迎えるなかで実現した特別な一日。かつてF1に栄光をもたらしたマシンたちと、これからの時代を担うドライバーが東京に集い、日常の風景を非日常へと変えた。

天候は朝からあいにくの雨模様であったが、イベント開始時には雲の合間から光が差し込み、青空が顔をのぞかせる。そんななか、まずコースに姿を現したのは角田裕毅、リアム・ローソン、アイザック・ハジャーの3名。それぞれRed Bull Racingおよびレーシング・ブルズ仕様のRB7を駆り、2025年のリバリーをまとったマシンが都心を駆け抜けた。

角田は沿道のファンに手を振りながら走行、さらにはコーナーで迫力のドーナツターンを披露。F1マシンならではの甲高いエキゾーストノートが、お台場の街並みにこだました。

そしてイベントのハイライトとも言えるのが、4度のF1ワールドチャンピオン、マックス・フェルスタッペンの登場だ。彼がステアリングを握ったのは、2021年に自身初のタイトルを獲得したマシン「RB16B」。その力強いサウンドと共に、角田との”ランデブー走行”が実現。東京の公道を2台のF1マシンが並んで走るという、かつてない光景がファンの目前に広がった。

この日、もう一台展示されていたのが、1965年のF1世界選手権最終戦メキシコGPでホンダに初優勝をもたらした「RA272」。残念ながら前日からの降雨の影響で走行は叶わなかったが、その存在はRed BullとHondaの60年にわたる歴史の重みを静かに物語っていた。

イベント終了後、角田裕毅は次のように語った。

「残念ながらRA272に乗れませんでしたが、幸いにも晴れ、レッドブル・レーシングのカラーリングで東京を走るという映画の世界のような夢を実現できて嬉しいです。日本人として誇りに思います」

また、未来を夢見る若いファンに向けて、力強いメッセージも残している。

「自分は競争心が旺盛だったので、今のレースカテゴリで一位になることばかり考えていました。ですので、今やっていることに全力で取り組み、壁にぶつかっても乗り越えて、乗り越える実感を楽しんでほしいです。先のことを考えるよりは今を猪突猛進してください!」

さらに、今週末に控えるF1日本グランプリへ向けての意気込みも語った。

「これ以上ないシチュエーションだと思います。いいプレッシャーとチャレンジが重なるこの経験を楽しみ、ホームグランプリで活躍したいです。応援よろしくお願いします!」

なお、「F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025」は、今後も4月4日(金)から6日(日)にかけて開催され、三重県・鈴鹿で行われるF1日本グランプリのパブリックビューイングも予定されている。お台場と鈴鹿、2つの会場が同時に熱狂に包まれる週末となるだろう。

会場内に設けられた「F1 VILLAGE ZONE」では、歴代F1マシンの特別展示や、F1の世界を五感で体験できる数々のアクティビティが用意されている。F1マシンの挙動をリアルに体感できる最新のF1シミュレーター『EA SPORTS F1 24』をはじめ、ピットクルーさながらにタイヤ交換のタイムを競う「ピットストップチャレンジ」、さらに、時速60kmで走行する本格的なカートを操る「カートアタック」など、子どもから大人まで誰もが参加できる無料プログラムが充実している。

また、Formula 1が支援するSTEM(科学・技術・工学・数学)教育プログラム「STEM Racing」では、子どもたちが自ら設計・製作したミニF1カーを使った実践的な学びを通じて、次世代のエンジニアやモータースポーツ人材の可能性を育む試みも展開されている。

フェスティバル期間中には、以下の豪華アーティストたちによる音楽ライブも実施予定。お台場がモータースポーツと音楽の熱狂に包まれる3日間となる。

4月4日(金):FRUITS ZIPPER、CUTIE STREET

4月5日(土):倖田來未、AK-69

4月6日(日):Zeebra、Red Eye、Def Tech、GENERATIONS

さらに、Hondaの新型「プレリュード」プロトタイプの一般初公開や、世界各国のF1開催国をイメージした15のフードブースなど、モータースポーツの枠を超えたカルチャー体験が詰まった空間が広がっている。

Red BullとHondaが築き上げてきた歴史、F1という極限の舞台、そして東京という都市が交差した特別な一日。レースウィークに突入した今、F1ファンの熱気は頂点を迎えている。