テレビ番組や映像・動画制作などを手がける企業の倒産が急増していることが、東京商工リサーチの調査で明らかになった。2024年度の倒産(速報値、負債1,000万円以上)は58件(前年度比48.7%増)で、前年度の1.5倍に増加。 2年連続で前年度を上回り、過去20年では2009年(66件)に次ぐ2番目。50件を超えたのは15年ぶりとなる。

  • 在京テレビ6社

テレビ以外の新たなコンテンツ市場が拡大する一方、動画撮影端末や作成ソフトの技術が進んだ結果、誰もが手軽に映像や動画編集ができるように。このため、従来は専門業者に依頼していた動画作成なども内製化され、制作会社は新規参入組を交えて過当競争を招いている。

このように、映像・動画制作を取り巻く事業環境が大きく変化しており、制作会社は従来のカテゴリーに捉われない新たな収益源の発掘や、付加価値の追求による差別化が求められているようだ。

性加害問題に揺れるフジテレビは、引き続き広告出稿の停止が見込まれ、制作会社など取引業者への影響も懸念される。フジテレビを傘下に置くフジ・メディア・ホールディングスの国内取引先のうち、テレビ番組制作業は391社、映画・ビデオ制作業は181社、アニメーション制作業は90社あるが、一連の問題による関連倒産は4月3日時点で確認されていない。

取引先への影響や支援状況についてフジテレビは3日、「番組・コンテンツの制作はおおむね通常通り実施しており、制作関係のお取引先様に対しては、本件による影響を及ぼさないように努めております」とコメントしている。