日本製鉄は4月1日、入社式を開催。都内本社では総合職の245名(うち女性は59名)に入社辞令を授与した。社長メッセージとして、代表取締役社長兼COO 今井正氏は「当社は今後、グローバル事業をさらに強化していきます。皆さんも将来、海外でも活躍できるように今から研鑽を積んでください」と呼びかけた。またCMに出演している女優の川口春奈さんがスペシャルゲストとして登壇し、新入社員と交流する時間ももうけられた。
■グローバル企業の一員として
真新しいスーツに身を包んだ若者たちが、緊張した面持ちで入社式にのぞんだ。ちなみに日本製鉄ではこの日、全国の製鉄所でもエリア職の入社式を開催しており、今年の新入社員は全社で760名(うち女性は123名)に上るという。
日本製鉄の今井社長は訓示のなかで、今後同社では3つの課題に直面する、とした。まずは「社会の変革期において産業構造が変化するなかで、材料分野においても新たな需要が生まれます。そこに新たなビジネスチャンスがあります。製造業の本分を忘れず、当社の技術力を活かして新たな成長を目指し、積極的にチャレンジしていきましょう」と今井社長。
2つめはグローバル展開について。インド、アセアン、北米を中心に“一貫製鉄事業”を拡大する新たな段階に入ったとし、新入社員にもグローバル企業の一員としての活躍を期待する。そして3つめは気候変動問題への取り組みについて。グローバル経済と地球環境の双方において、社会に欠かせない存在になれるように進んでいきましょう、と語りかける。最後は「皆さん自身が日本製鉄の社員として、関係先や社会から信頼される人であってほしいと思います。皆さんの今後の大いなる活躍を祈念しています」と結んだ。
なお総合職の245名の新入社員は、東京本社にて2週間の研修を経た後、鹿島、君津、和歌山、名古屋、八幡など各製鉄所でも1か月半の研修を行う予定。
■将来の夢は?
このあとスペシャルゲストとして川口春奈さんが登壇。事前に知らされていなかったサプライズ企画で、会場からはどよめきと歓声が沸き起こった。
出演するCMの撮影秘話について川口さんは「実際に製鉄所に行って、作業着姿でヘルメットも装着して撮影にのぞみました。そもそも製鉄所は、なかなか行ける場所ではないので、本当に貴重な経験でした。非現実的で異空間で、まるでアニメで見ているような世界。製鉄所=ひとつの街みたいで、圧倒される思いでした」と振り返る。
新入社員の女性から、多忙な芸能活動の息抜き方法について聞かれると「食べることやお酒が好きで、旅行も好き。今日、この仕事が終わったらあそこでアレを食べたいなとか、そんな風に自分の機嫌をとりながら、それをモチベーションに活動しています」と笑顔で回答した。
入社式終了後、新入社員の青木秀憲さん、石塚夏実さんに話を聞いた。青木さんは日本製鉄で設備関係の仕事がしたいという。「日本製鉄では今後、電気炉や、水素還元製鉄のための施設を整えていくと思います。新しい技術に挑戦することにロマンを感じます」と夢を語る青木さん。
また石塚さんは「将来的に海外における事業展開に貢献できる人材になりたいです。たとえば人口増加が続くインドでは鉄鋼事業が拡大中です。その土地の人々の生活に貢献するお仕事ができれば、と思います。そのためにも、まずは製鉄所などの現場で自社製品を学び、鉄鋼業界全体についても知識を深めていけたら」と語った。