NTT西日本は4月1日、NTT西日本研修センタ(PRISM)にて、2025年度新入社員入社式を開催。2025年度は214名の新卒新入社員を迎えた。

  • NTT西日本が2025年度新入社員入社式を開催

入社式は、社歌清聴からはじまり、列席幹部の紹介、NTT西日本のCMにも出演するイチロー氏からのビデオメッセージを上映、そして新入社員代表者に、NTT西日本 代表取締役 社長の北村亮太氏から辞令の交付が行われた。

入社式には、北村社長のほか、代表取締役 副社長 桂一詞氏と木上秀則氏、常務執行役員 総務人事部長の梶原全裕氏が出席。列席幹部を代表して、北村社長からお祝いメッセージが贈られた。

  • NTT西日本 代表取締役 社長の北村亮太氏

「数ある企業の中からNTT西日本を選んでくれたこと、大変うれしく思います」と話す北村社長は、緊張の面持ちで話を聞く新入社員に、自身も37年前に「新社会人としての期待と不安に思い巡らせながら迎えた」と話す。「この瞬間の思い、いわゆる『初心』というものをぜひ忘れずにいてほしい」との言葉を贈る。

NTT西日本が1999年に発足した当時、事業の98%を占めた電話関連の収入が、現在では30%を切っていることについて、世の中のニーズの変化を指摘。そして「クラウド化の進展やChatGPTをはじめとする生成AIの利用拡大などにより、近年通信トラフィックは爆発的に増加するとともに、お客様や社会のニーズもどんどん高度化・複雑化しています」と現状を分析。「こうした社会のAI・デジタル化の大きな流れのなか、私たちNTT西日本グループは何を強みとし、社会にとってどのような存在、役割を果たしていくか」と問いかける。

そして、NTT西日本グループのパーパスである「『つなぐ』その先に『ひらく』あたらしい世界のトビラを」に込めた思いは、「私たちは、地域社会の一員として、あらゆる人々が幸せで豊かな未来の姿を追求し続けること」であると紹介。このパーパスが示す通り、「NTT西日本グループは地域に密着した会社として、これまで地域社会の発展とともに成長してきた企業」という北村社長。NTT西日本グループの強みは「地域の通信を守り、つなぎ続けてきたエンジニアリング力、そして地域社会やお客様が抱える様々な課題解決に応えてきたコンサルティング力」であると力を込める。

価値創造の源泉は「人」であるという北村社長は、「皆さんには、これから起きる変化を楽しみ、新しい分野や変革にチャレンジしてほしい。“全社員総活躍”の実現に向けて、全力で環境を整備してまいりたい」と会社としてのサポートを約束した。

最後に、新入社員に期待することについて、「高い志を持つこと」「高い倫理観と誇りを持つこと」「共感、協力、感謝の気持ちを忘れないこと」「誰にも負けないスキルを持つこと」「チャレンジすること」といった5つの提示。「ぜひ私たち仲間とともに、変化を楽しみ、社会に新たな価値を生み出していくことで、NTT西日本をより素晴らしく、魅力的な企業グループにしてほしい」と締めくくった。

■シンボル社員・堀越信司氏が社員代表で挨拶

北村社長に続いて、東京2022パラリンピック 男子マラソン 銅メダリストであり、パリ2024 パラリンピック 男子マラソン7位入賞の堀越信司氏が登壇し、社員代表としてお祝いメッセージを贈った。

  • 東京2022パラリンピック 男子マラソン 銅メダリストの堀越信司氏が社員代表として登壇

NTT西日本 シンボルスポーツチーム 陸上競技部に所属する堀越氏は、「何か少しでも、皆さんの心の中に、自分の話した内容が残ってくれたらうれしい」と笑顔を見せる。

堀越氏は、パラリンピックでは2008年の北京から5大会連続で出場するなど、自身が陸上競技で培ってきた経験を踏まえて新入社員に語りかける。

「信じれば、強く願えば、必ず夢は叶う、必ず目標は達成できると言う人がいるが、これは真っ赤な嘘」と断じ、「こんなのはきれいごとに過ぎません」と切り捨てる。堀越氏は、パラリンピックを例に挙げ、自身は“たまたま”銅メダルが取れたと謙遜しながら、「みんなメダルを取ろうと思って同じレースを走りますが、メダルは1位から3位の選手しかもらえません。どんなに強い思いを持って。どんなにたくさん努力をして、万全の状態でスタートに立ったとしても、結局3人しかメダルを取れません」という現実を示唆する。

「だから、“必ず”ということはない」と力を込める堀越氏だが、だからこそ「必ず成し遂げてやるという思いを持って、一歩踏み出すということが非常に大事」であると続ける。

そして、「失敗からいろいろ学ぶこともあると思いますし、そこで立ち止まることがすごく大事」という堀越氏。「立ち止まっても良いし、ときどき後戻りしても良いが、また進み直してほしい。それができれば、ずっと頑張り続けていれば、目標が達成される可能性が高まるし、夢が叶う可能性がどんどん高くなっていく」と継続することの重要性を示す。

「皆さんはぜひ、簡単に諦めることなく、一歩一歩、前に進んでいって、社会人として、一つでも多くの目標を達成して、一つでも多くの夢を叶えてもらうことを心から願っています」との言葉を贈った。

堀越氏のメッセージの後、堀越氏と同じくシンボル社員として硬式野球部、陸上競技部、ソフトテニス部に所属する6名の新入社員を紹介。そして、最後に、新入社員たちのマイパーパスをまとめた映像が「未来への挑戦者たち」と題して上映され、閉式となった。

■新入社員の意気込みを紹介

NTT西日本では、キャリアビジョンに応じて複数の採用コースを設けている。ここでは、入社時点では専門分野を決めず、NTT西日本の幅広いフィールドを経験しながら自身の希望・適正分野を見つけ、将来的にその分野を軸としたキャリアを形成する「オープンコース」および、現時点で所持しているスキル・専門性を活かし、即戦力として各分野/業務のプロフェッショナルをめざす「エキスパートコース」の新入社員が入社式当日に語った意気込みを紹介しよう。

  • 2025年度新入社員の藤井悠太さん(左)、松原由依さん(中央)、北一希さん(右)

「少しでも早く社会に慣れて、一人前として活躍できるようになりたい」というオープンコース採用の藤井悠太さん。もともとは教職志望だったとのことで、教育のIT化に興味を持っており、入社後は「日本の教育の発展に、セールスSEとして少しでも貢献したい」との意気込みを明かす。地域に密着していることがNTT西日本の魅力であり、「NTT西日本なら、地域の教育を支えることができる」と力を込める。

「社会人としていろいろなことに挑戦し、いち早く会社に貢献できるようになりたい」と目を輝かせる、同じくオープンコース採用の松原由依さん。「地域密着型で、安定した通信インフラを届けているところ」をNTT西日本の魅力ととらえ、自身も通信を学んできたことから、「ICTを活用して、地域の課題を解決し、より豊かな社会にする」ことを目標として掲げる。

一方、「サイバーとフィジカルが融合する新社会でセキュリティエンジニアとして活躍したい」と話すのは、エキスパートコース採用の北一希さん。「AIであったり、IoTによって、まったく新しいアプリケーションが登場していく時代なので、そういったアプリケーションたちが躍動する場所に対して、安全の場を提供できるセキュリティエンジニアとして活躍することが目標」と入社後の展望を明かした。

■梶原総務人事部長「しっかりスキルを磨いてほしい」

「4月1日は、事業年度の切り替えなので、リフレッシュして、新しい一歩への、期待とワクワクとやってやるぞという気持ちになれる」と話すNTT西日本 常務執行役員 総務人事部長の梶原全裕氏は「新入社員の方からもエネルギーを貰いたい」と笑顔を見せる。

  • NTT西日本 常務執行役員 総務人事部長の梶原全裕氏

新入社員に対して、「私たちNTT西日本を支えるのは“人”。しっかり皆さんにスキルを磨いてほしい」と期待を寄せつつ、「私たち会社として、磨く場、環境を整えて、皆さんとともに成長していきたい」との希望を明かす。

梶原氏は「今のテクノロジーだけでなく、これから出てくるであろう先端のテクノロジーをしっかり勉強して、それをものにして、お客様に届けないと絶対に成し遂げられないので、そういう意味では、やはりスキルをどうやって成長させていくか」が重要であることから、新入社員たちの今後の成長に期待感を高めた。