遠州鉄道は3月28日、2021年10月に閉館した「ホテル九重」(浜松市中央区)の跡地に宿泊施設を中心とした新たな複合施設を浜松市中央区で開発する基本構想を決定し、今後、建物の基本設計や詳細な事業計画を策定していくことを発表した。
舘山寺・浜名湖エリアの活性化目指す
近年、観光業全体が激しい競争に直面しており、国内外からの観光客の需要の変化が顕著となっている。観光地は、インバウンドおよび国内観光市場の多様化が進む中、競争力を維持するために新たな価値を提供することが求められており、舘山寺温泉を含む浜名湖エリアも同様に、このような状況に直面している。同社は、この再開発を通じて新たな価値、魅力を生み出し、舘山寺・浜名湖エリアの活性化を目指すとしている。
地域の魅力を活かした複合施設を計画
新施設は、浜名湖の豊かな観光資源を地域事業者と共に最大限活用し、地元の特色を反映した「ホテル」「レストラン」「SPA」「商業」が連動する複合施設とする計画である。地域住民や行政機関とも連携し、舘山寺温泉全体の活性化も合わせて進めていく。
ホテルは、浜名湖の自然と調和しつつ象徴的な建築デザインを採用し、世代を超えて地域に愛されるホテルとする方針で、客室数は約50室を予定している。レストランは、浜名湖畔の景色を眺めながら、地域の食材を活かした料理を楽しめる空間とする。SPA施設では、浜名湖の絶景を最大限に活かし、地域資源を取り入れたサウナなどの体験型コンテンツと上質な温泉で、心と身体を癒す施設を目指す。商業エリアは、浜名湖の自然を感じられるオープンモール形式とし、生産者や地域事業者との共創により、地域の恵みや特産品を活かした新たな価値を提供する。
本施設の開業は2029年春を予定しており、今後、具体的な事業計画や設計等、進捗があり次第、随時情報を発信するとしている。