
高校野球 春の甲子園 最新情報
第97回選抜高等学校野球大会は30日、阪神甲子園球場で第11日を迎え、横浜(神奈川)と智弁和歌山(和歌山)が対戦。両校が初優勝をかけて頂上決戦に挑む。試合に先立ち、横浜のレギュラーメンバー、注目選手から、見どころを探る。
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走攻守で高いレベルを見せている横浜。決勝までは苦しいゲームもあったものの、試合を勝ち切るという部分は、神宮王者の底力を感じさせる。
1回戦の市和歌山(和歌山)戦では序盤に幸先良く先制し、試合を優位に進めていった。中盤に追い上げられたものの、リリーフ登板した奥村頼人が圧巻の投球を披露し、4-2で勝利を収めた。
大きな山場となったのが、2回戦の沖縄尚学(沖縄)との試合だ。序盤に得点を積み重ねた横浜だったが、終盤にはあと一歩のところまで迫られた。それでも、相手の追い上げを振り切って8-7で競り勝った。
準々決勝の相手は、強打を誇る西日本短大付(福岡)だった。序盤は西日本短大付のペースで試合が進んだが、中盤以降は試合の主導権を握り、5-1で勝利した。
迎えた準決勝は、昨春王者の健大高崎(群馬)と対戦した。序盤から横浜が効果的に得点し、先発した織田翔希は7回無失点と好投した。昨秋の関東大会決勝に続き、健大高崎を5-1で退けた。
♢今大会の戦績
1回戦:4-2 市和歌山(和歌山)
2回戦:8-7 沖縄尚学(沖縄)
準々決勝:5-1 西日本短大付(福岡)
準決勝:5-1 健大高崎(群馬)
投手陣の戦力分析は…?
投手陣はエース左腕の奥村頼人、新2年生の剛腕・織田翔希が中心となる。
今大会、ここまで奥村頼は先発の機会こそないが、リリーフで圧巻の投球を見せてきた。1回戦の市和歌山(和歌山)との試合では6回から登板し、4回無安打無失点の圧巻の投球を見せた。
2回戦の沖縄尚学(沖縄)戦では失点を喫したものの、準々決勝の西日本短大付(福岡)との試合では、6回に三者連続三球三振(通称:イマキュレートイニング)を達成した。また、同試合でも4回無安打無失点の投球を見せるなど、抜群の安定感を見せている。
一方、150キロ超右腕の織田は、今大会全4試合で先発マウンドに上がっている。初戦の市和歌山戦では、自己最速となる152キロをマークした。
2回戦の沖縄尚学戦では2回2/3投げて4失点を喫したが、準々決勝では強打の西日本短大歩を相手に5回1失点と好投した。また、準決勝の健大高崎(群馬)との試合では7回無失点の投球を見せ、状態は上がってきている。
その他にも、横浜には力のある投手が揃う。サウスポーの片山大輔は、2回戦の沖縄尚学戦で登板した。一打逆転のピンチの場面だったが、打者一人から三振を奪った。
背番号「13」の右腕・山脇悠陽も2回戦の沖縄尚学戦に登板し、三者連続三振をマークするなど、2回2/3を投げて4奪三振無失点の投球を見せた。
前チームからリリーフとして登板している前田一葵も、130キロ中盤のストレートや変化球を武器に、ここぞの場面で安定感のある投球を見せる。
野手陣の戦力分析は…?
タレントが揃う野手陣だが、2回戦から1番打者として活躍する奥村凌大は、好調を維持している。
奥村凌は今大会初戦の市和歌山(和歌山)戦で3打点を挙げる活躍を見せると、準々決勝の西日本短大付(福岡)戦ではセーフティースクイズを決めた。今大会は打率.467をマークしており、打線の火付け役として欠かせない存在だ。
主将の阿部葉太も打率.353を残しており、走攻守に渡って能力の高い選手だ。ここまで全4試合で安打を放ち、2回戦以降の全3試合で打点を挙げている。
阿部がインパクトを残したのは、2回戦の沖縄尚学(沖縄)戦だ。初回に無死一、三塁の場面で打席が回ると、右中間に飛び込む先制3点本塁打を放った。準決勝の健大高崎(群馬)戦では、9回に外野に抜けそうな当たりを捕球するなど、チームを幾度となく救ってきた。
新2年生の池田聖摩も打率.385を残しており、ここまで全4試合で安打を放っている。いまだ無失策の遊撃守備にも注目だ。
池田は準々決勝の西日本短大付戦で、反撃のきっかけとなる安打をマークした。また、三遊間を抜けそうな当たりを捕球するなど、守備面での貢献度も高い。ポテンシャルの光る内野手だ。
奥村頼人
奥村頼人は今大会、ロングリリーフとして抜群の安定感を見せている。決勝では強力・智弁和歌山打線を相手にどのような投球を見せるのか注目だ。
決勝でも先発マウンドに織田翔希が上がる場合、少なくとも中盤以降には出番が回ってくるだろう。1点を争うロースコアの展開になれば、奥村頼の投球が鍵を握ることになる。西日本短大付(福岡)戦の時のような、流れを呼び込む投球に期待したい。
また、奥村頼は打撃でも打率.375を残すなど、野手としても活躍している。彼が投打に渡る活躍を見せれば、優勝へも近づきそうだ。
片山大輔
背番号「18」のサウスポー・片山大輔は、リリーフとして貴重な選手だ。
2回戦の沖縄尚学(沖縄)戦では、終盤の8回に登板。一打逆転の苦しい場面でマウンドに上がったが、打者一人から三振を奪った。
また、決勝の相手である智弁和歌山は、上位打線に左打者が多い。終盤にピンチが訪れた際には、ワンポイントとしても頼もしい存在となるはずだ。
小野舜友
今大会は打率.267の小野舜友だが、徐々に調子を上げてきており、決勝でも注目の存在だ。
初戦の市和歌山(和歌山)戦では4打数0安打に終わったが、準々決勝の西日本短大付戦ではフェンス直撃の二塁打を放つなど、長打力を発揮した。準決勝の健大高崎(群馬)との試合でも、2安打2打点の活躍を見せた。
新2年生ながらもクリーンナップに座る好打者なだけに、彼が打ち出すとチームの得点力も上がる。決勝では本来の打撃を見せ、チームを優勝へ導く一打を放ちたい。
スタメン選手の今大会成績は?(準決勝のメンバー)
打撃成績
1番(二)奥村 凌大(3年)
4試合、打率.467(15打数7安打)、4打点、1盗塁
2番(右)為永 皓(3年)
4試合、打率.308(13打数4安打)、1打点、2盗塁
3番(中)阿部 葉太(3年)
4試合、打率.353(17打数6安打)、1本塁打、7打点、2盗塁
4番(左)奥村 頼人(3年)
4試合、打率.375(16打数6安打)、3打点、2盗塁
5番(一)小野 舜友(2年)
4試合、打率.267(15打数4安打)、4打点、1盗塁
6番(遊)池田 聖摩(2年)
4試合、打率.385(13打数5安打)、1打点
7番(捕)駒橋 優樹(3年)
4試合、打率.214(14打数3安打)
8番(右)江坂 佳史(2年)
4試合、打率.250(8打数2安打)、1打点
9番(投)織田 翔希(2年)
4試合、打率.000(7打数0安打)
投手成績
(投)奥村 頼人(3年)
4試合(13回)、奪三振13、与四死球1、失点4、防御率2.77
(投)織田 翔希(2年)
4試合(19回2/3)、奪三振16、与四死球5、失点7(自責点6)、防御率2.75
(投)前田 一葵(3年)
1試合(1/3回)、奪三振0、与四死球0、失点0、防御率0.00
(投)山脇 悠陽(3年)
1試合(2回2/3)、奪三振4、与四死球1、失点0、防御率0.00
(投)片山 大輔(3年)
1試合(1/3回)、奪三振1、与四死球1、失点0、防御率0.00
【了】