日本では18歳から成人とされていますが、成人したからといってすぐその実感が湧いてくるわけではないものです。実際、大人になるとはどういうことなのでしょうか。

そこで今回は、大人の定義や大人になるとできるようになること、また大人になったと実感するのはどんなときなのかについて解説していきます。

大人になるとは

  • 大人になるとは

    大人になるとはなにかを考察する記事です

ひと口に「大人」といっても、なにを基準にするかはあいまいです。法律のうえでは2022年に「成人」の定義が18歳からとなりましたが、同じ18歳でも人それぞれ。ここからはさまざまな切り口から大人とはなにかを探っていきましょう。

経済的な自立

子どもは親から養ってもらう存在ですが、大人となると自分で自分を養う必要が出てきます。経済的な自立は大人としての第一歩。とはいえ、必ずしも経済的な自立が大人であることの判断材料になるわけではありません。

親と同居していても生活費を支払っていたり、普段の暮らしに必要な金銭を支払っていたりすれば、大人の「条件」を満たしているといってもいいでしょう。

精神的な自立

子どもは自分を中心にして物事をとらえるもの。それが大人になると、社会に存在するさまざまな人と折り合いをつけながら生活していかなければなりません。多様な価値観を受け入れ、自分とは異なる考えをもつ人ともうまくやっていく。精神的に自立し、社会性を身につけることも大人に求められる大事な素養のひとつです。

一般常識に精通している

精神的な自立にも通じる部分がありますが、一般常識を会得しているかどうかも周囲から大人と扱われるうえで欠かせない要素。周囲の人を困惑させたり、不快にさせたりしないような立ち居振る舞いが求められます。

また、話題のトピックなどについて初対面の人と会話するうえでも、一般常識を備えているかどうかは大事な鍵であるといえるでしょう。

何事においても責任感をもつようになる

子どもの場合であれば、なにか問題を引き起こしても親が責任をとるものですが、大人になるとつねに責任がついて回ります。仕事にせよ、プライベートにせよ、自らの言動に責任をもつのが大人です。誰かに責任をなすりつけたり、なにかを途中で放り出したりする行動は、慎まなくてはなりません。

誰かの手を借りずにひとりで生きていける

誰かの手を借りることなく、自活できるかどうかも大人という条件を満たすうえで大切になってきます。人に決断を委ねるのではなく、自分の行動は自分で判断し、主体性をもって生きていけるかどうかは、大人として社会生活を送るために不可欠な要素といえます。

大人になるとできるようになること

  • 大人になるとできるようになること

    大人になるとできるようになることを解説します

ここまで「大人になるとは」について解説しました。ここでは「大人になるとできるようになること」について解説していきます。

スマートフォンやクレジットカードの契約

18歳になると、スマートフォンの購入やクレジットカードの契約が親の同意なしにできるようになります。一方、お酒やタバコ、公営ギャンブルの年齢制限は現在も20歳のままなので、その点は要注意です。

10年有効のパスポートの取得

成人になると、表紙が赤色の10年間有効のパスポートの取得も可能なので、自分の意思で海外に出向き、見聞を広げる経験がしやすくなるでしょう。そして渡航先では、より深い見識をもつ「大人」になる体験が待ち構えていることでしょう。

国家資格が必要な職業への就職

公認会計士、司法書士といった国家資格が必要な士業への就職も成年に達しているかどうかが条件。資格の勉強に注力することは、自分自身の可能性をより大きく広げる手助けになります。

性別の変更

心と体の性が一致していない場合、家庭裁判所に性別変更の申し立てをできるようになるのも18歳を過ぎてから。自分が生まれ持ったアイデンティティに即した意思決定ができることは、非常に大きな意味をもつといえます。

婚姻すること

2022年3月31日以前は男性が18歳、女性は16歳が婚姻開始年齢でしたが、法改正にともない同年4月1日からは両性とも18歳からとなりました。つまり男女ともに「大人になること」が結婚の条件になったのです。

「大人になったな」と感じる瞬間

  • 大人になったなと感じる瞬間

    大人になったなと感じる瞬間について紹介します

前項では制度面から大人の定義を見てきましたが、次は気持ちの面で「大人になったな」と感じる瞬間について見ていくことにしましょう。

健康に気をつかうようになった

生活習慣病や体力の衰えなど、子どものときとは異なる面で体に不調を来しやすくなるのが大人の悩み。ちょっとした体調の変化が仕事やプライベートに影響を与えてしまいます。早いうちから健康に気をつかい、いつもはつらつとした大人を目指したいものです。

服の好みの変化

子どもは自分自身が気に入った洋服を着るものですが、大人になると周囲の視線を意識したうえで服を選ぶようになります。現実的に自分という人間に似合っているか、周りからどう思われるかを考えた服装を心がけるようになるのは、大人ならではの余裕ともいえるでしょう。

読書の大切さに気づく

友だちと外で遊んだり、ゲームをしたりといったことに夢中になっていた子ども時代とは異なり、大人は読書を通じてさまざまな見識を得ることが求められます。とはいえ、仕事や家事などに忙殺され、1冊の本を読み切るのさえむずかしいのが現実。

でも、ちょっとしたスキマ時間で読書する習慣を身につけておけば読了も可能ですし、人前に出ても話題に困ることはないはずです。

稼いだお金で自分の好きなものを買える

社会人になって自分でお金を稼ぐようになり、子どものころには買えなかったようなものを自分で買うことができたとき、「自分も大人になった」と感動する人は多いようです。特に車や家など金額が高いものを手に入れたときは、「自分も一人前の大人になれた」と感じますよね。

酒とつまみを楽しんでいる

大人だからこそ楽しめるのが、お酒。20歳になれば飲めるのはもちろん、歳を重ねれば重ねるほど色々なお酒に出会えて、より楽しめるようになっていきます。

親の許可なしで行動できる

子どものころは何をするにしても親の許可が必要でしたが、大人は全て自分の責任になるかわりに、全て自分で決断することができます。なんでも自分で決めて自分で行動におこせるのは、大人だからこそできることですよね。

趣味の時間の確保がむずかしくなる

子どもは放課後や長期休暇をつかって趣味に没頭できるものですが、大人になればそれもむずかしくなります。お金はあっても趣味につかう時間がないという人も多いでしょう。しかしそれも自分の意識次第。限られた時間をうまく活用し、仕事やわずらわしい人間関係から解放される機会をもつように心がけましょう。

新しい友だちがつくりにくくなる

クラス替えや部活動などで定期的に周囲の人が入れ替わる子ども時代に比べて、大人は新しい交遊関係を築くのがむずかしくなるもの。趣味の時間にしてもそうですが、自由につかえる時間が減っているという感覚は大人ならではのものといえるでしょう。

誕生日の特別感が減る

大人になると、誕生日の特別感が徐々に薄れてくるものです。子どものころは誕生日プレゼントをもらえてうれしかった日も、大人になると実年齢と現状のギャップに落ち込んだり、仕事が忙しすぎてお祝いをする時間がなかったりと、誕生日に対する気持ちや状況も変わってきます。

しかし、自分がこの世に生まれた大事な日であること、1年に一度の特別なお祝いであることに変わりはありません。まず自分で自分自身を祝う気持ちをもち、楽しい1日を過ごしましょう。

新聞やニュースをよく見るようになる

子どものころは目の前の興味のあることだけに没頭していましたが、大人になると徐々に世界のニュースや時事問題に関心が湧いてくるもの。普段の生活はもちろんのこと、仕事でも幅広い知識が求められるため、新聞やニュースにきちんと触れておくことは大事です。

大人になった実感を得る瞬間は人それぞれ!

  • 大人になった実感を得る瞬間は人それぞれ!

    あらためて自分自身の「大人像」を見直そう!

法律などの制度面や気持ちの面など、自分が大人になったことを意識する瞬間は人によってさまざまです。「大人になって良かったな」と感じられるときも、「子どものころが恋しいな」と感じるときもあるでしょう。みなさんはどのような瞬間に「大人になった」と感じますか?