フジ・メディア・ホールディングスの金光修社長と、子会社であるフジテレビジョンの清水賢治社長は27日、大幅な役員人事を決めた両社の取締役会後に取材に応じた。
今回の人事について、金光氏は「新たなフジ・メディア・ホールディングス、およびフジテレビへの第一歩を踏み出したと思っております」とコメント。注目を集めていた、元社長・会長の日枝久取締役相談役は、フジHDについては6月の株主総会で、フジテレビについては27日で退任。また、フジサンケイグループの代表職について、金光氏は「ご本人から辞任するという申し出がありました」と明かした。
40年以上にわたり取締役を務めてきた日枝氏に対して、金光氏は「長い間お疲れ様でしたという気持ちでいっぱいであります」、清水氏は「1980年代のフジテレビ躍進を作った方なので、今までの貢献に対しては感謝したいと思います」とした。なお日枝氏は、2月の自宅での転倒による腰椎圧迫骨折のため、引き続き入院中だという。
経営体制の見直しにより、女性取締役比率が3割以上となる(フジHD36.4%、フジテレビ30.0%=取締役・監査役では33.3%)。これに伴い、若生伸子氏や安田美智代氏といったフジ出身女性が役員に登用されることになったが、一方で総務省出身の女性社外取締役・吉田真貴子氏は退任することになった。この理由について、清水氏は「ご自身の判断です」と明かした。
社外取締役では、大株主である東宝、文化放送、関西テレビの代表者が留任するが、産経新聞社、東海テレビ、テレビ西日本の代表者は退任となる。
スポンサーの4月以降の継続状況について、清水氏は「約7割弱のスポンサーが判断を保留されています」と説明。3月25日時点の取引企業・団体は約100社で、2月25日時点では72社だったため、「微増となっています」(営業担当者)。
■フジテレビ新執行役員体制
社長執行役員 コンプライアンス総括:清水賢治(新任)
常務執行役員 秘書室・番組審議室・コンプライアンス推進室 総務・人事担当:大野貢
常務執行役員 営業・事業担当:友岡新(新任)
常務執行役員 報道・総合報道戦略担当:塚越裕爾(新任)
執行役員 ネットワーク担当 ネットワーク局長:樋口薫子
執行役員 総合メディア開発担当 総合メディア開発局長:山根法久
執行役員 社会貢献推進・経営企画・特区事業担当:武内賢(新任)
執行役員 美術制作・技術・LIVE STUDIO 担当 美術制作局長:小川栄治(新任)
執行役員 財経担当 財経局長:柳敦史(新任)
執行役員 アニメ事業担当 アニメ事業局長:松崎容子(新任)
執行役員 編成・ビジネス推進・DATA STUDIO・広報 スポーツ担当:鈴木吉弘(新任)
執行役員 バラエティ制作・ドラマ・映画制作・情報制作担当:大辻健一郎(新任)
執行役員 国際・新規事業開発担当:飯島晶子(新任)
■フジテレビ退任執行役員
日向栄二、宇津井隆、土井強、松山俊行、垣田正樹、佐藤光雄、上野陽一、吉川裕介、立松嗣章