三菱自動車、エクスフォースのHEVモデルをタイで世界初披露。燃費よし!使い勝手よし!のコンパクトSUV

三菱自動車工業(以下、三菱自動車)は、コンパクトSUV、エクスフォースのハイブリッドEV(以下、HEV)モデルを2025年3月24日に新設定し、タイ・バンコクで世界初披露するとともに受注を開始した。

燃費は約24.4km/L!エクスフォース HEVモデルをタイでワールドプレミア!

エクスフォースのHEVモデルは、タイの生産・販売会社、ミツビシモーターズタイランドのレムチャバン工場で生産される。

エクスフォースは「Best-suited buddy for an exciting life(毎日を愉しく過ごすことができる頼もしい相棒)」をコンセプトに、アセアン地域での使われ方にこだわって開発された5人乗りのコンパクトSUV。2023年11月にインドネシアで発売した後、2024年にベトナムやフィリピンなどのアセアン地域、中南米やアフリカ、中東などに拡大展開した世界戦略車だ。

スタイリッシュで力強いSUVデザインを採用し、コンパクトなボディサイズで取りまわしやすく、5人乗車でも広々とした快適な居住空間が評価されているという。

今回追加したHEVモデルは、2024年2月にタイで発表、発売したエクスパンダー、エクスパンダークロスに続く第三弾となり、タイにおける電動車のさらなる選択肢を広げる役割を担う。

エクスフォースHEVモデルは、三菱自動車が誇るプラグインハイブリッドEV(PHEV)由来のHEVシステムをコンパクトなボディに搭載し、より効率的で優れた環境性能と力強い加速性能を発揮する。

■さらなる高効率化と出力が向上したパワーユニットを搭載

HEVシステムは、先発のエクスパンダーからさらに進化。パワートレーンは、HEV専用の1.6L DOHC 16バルブMIVECエンジンを従来よりも高出力化して搭載。電動ウオーターポンプを採用することで、補機駆動損失を低減して40%を超える熱効率を達成。燃費向上に寄与する。これにジェネレーターとハイブリッド専用に開発した高出力85kWの駆動用モーターを組み合わせ、電動車ならではの滑らかで力強く、レスポンスのいい加速を実現する。

さらに、伝達効率を向上させた新開発のトランスアクスルや高速領域でモーターをドライブシャフトから切り離すモーターディスコネクト機構を新規に追加することでエネルギーロスを大幅に低減。約24.4km/L(欧州の燃費基準NEDCモード)と、クラストップレベルの燃費を実現している。

走行性能に関しては、FF方式の2WDをベースに、アクティブヨーコントロール(AYC)をはじめとした三菱自動車独自の四輪制御技術により、ドライバーの意のままの安全・安心な走りを楽しめる。

また、走行モードには通常使用の「ハイブリッドモード」、減速時に回生ブレーキによって電力を駆動用バッテリーに積極的に蓄電する「回生モード」のほか、ドライバーがシチュエーションに応じて積極的にEV走行ができる「EVプライオリティ」モードを設定。静かさを求められる場面でも周囲に気兼ねなく走行することが可能だ。

■快適・安全装備が充実

広々とした室内空間には、サポート性に優れるシートを装備するほか、12.3インチのスマートフォン連携ディスプレイオーディオ、ヤマハと共同開発したオーディオシステム「ダイナミックサウンドヤマハプレミアム」(*最上級グレードのULTIMATE Xに搭載)など快適性にこだわる装備が充実。

室内の各所には使い勝手に優れる収納スペースを用意し、ドアトリムやフロアコンソールなどに備わるドリンクホルダーは600mlペットボトルが計21本も収納可能だ。さらにフロアコンソールには空調の冷気を利用して飲み物を冷やせるドリンククーラーも備わっている。

安全装備に関しては、アセアンの車両安全性に対する意識の高まりに対応するため、先進運転支援機能「Mitsubishi Motors Safety Sensing」(ADAS)を搭載。レータークルーズコントロール[ACC]や衝突被害軽減ブレーキシステム[FCM]、オートマチックハイビーム[AHB]、先行車発進通知[LCDN]、後退時交差車両検知警報システム[RCTA]、後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト機能付き)[BSW/LCA]により安心・安全な運転をサポート。また、パッシブセーフティ(6エアバッグ)や前後パーキングセンサーをASEAN NCAPの5つ星を基準に開発。乗員すべての安心・安全をサポートする。

■日本導入を期待せずにはいられない!!

アセアン地域を主眼に開発されたエクスフォース。HEVモデルの登場により、さらに魅力が高まったことは間違いない。このモデル、日本のコンパクトSUV市場でも十分に競争力がありそうだ。

何と言ってもタイ仕様なら右ハンドルをそのまま日本に入れられるし、三菱自動車はタイで生産しているピックアップトラックのトライトンを日本に導入している。ここのところ他メーカーでもアセアン地域で生産されるSUVを輸入している(トヨタはハイラックスをタイから、スズキはフロンクスや2025年4月に導入を予定するジムニー ノマドはインドから、マツダはCX-3を2022年にタイからの輸入に転換など)。

ボディサイズは全長4390mm×全幅1810mm×全高1660mmでホイールベースは2650mmと、全幅がエクリプス クロス(1805mm)よりも幅広なのが気になるものの、車内空間の余裕として捉えればメリットも多いはず。

マルチパーパスビークル(MPV)のエクスパンダーや、それにSUVテイストを盛り込んだエクスパンダー クロスなどを含め、アセアン地域で魅力的な車両を販売する三菱自動車。コンパクトSUV、RVRの穴を埋める(?)車種として、三菱自動車SUVフルラインアップを期待せずにはいられないのだ。

ちなみに2025年3月24日から開催している第46回バンコク国際モーターショーに出展中だ。(一般公開日は3月26日〜4月6日)

〈文=ドライバーWeb編集部〉