人気マンガ「チ。-地球の運動について-」(原作・魚豊、小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)の舞台化が決定した。2025年10月より、東京「新国立劇場 中劇場」にて上演されるという。
「チ。-地球の運動について-」(原作・魚豊)は、地球の真理を知ることに魅せられ命を懸ける人間たちを描いた衝撃作。「第26回手塚治虫文化賞マンガ大賞」を受賞するなど高く評価された人気漫画が、全く新しい演劇作品として上演される。
舞台化にあたり、ミュージカル『100万回生きたねこ』や百鬼オペラ『羅生門』を手がけてきたアブシャロム・ポラックが演出を、長塚圭史が脚本を手掛け、さらに音楽に阿部海太郎、振付にエラ・ホチルドなど、世界で活躍するクリエイター陣が集結。
また、窪田正孝、三浦透子、大貫勇輔、吹越満、成河、森山未來など芝居だけでなく身体能力も高い個性派俳優陣が勢揃い。ただの舞台化ではない! 身体表現、芝居、歌や演奏を融合させた新たな「チ。」を創り上げるという。
東京公演は10月、東京の「新国立劇場 中劇場」にてスタートする。なお、出演者続報、配役、およびチケット販売情報などは後日発表される。
キャストそれぞれのコメントは、以下の通り。
■窪田正孝
「私たちの人生はどうしようもなくこの時代に閉じ込められている。それでも、この世に期待したい。」
原作の真理に満ちた文字たちが脳に響き渡ったあの感覚が今でも忘れられません。
「チ。」を舞台で体現できる喜び、スタッフキャストの美しさ。
僕にとって紛れもない正義を与えてもらいました。
持てる全てを曝け出し挑んでいきたいです。
■三浦透子
原作を拝読し、学ぶ自由、疑う自由との戦いに心が震えました。芝居・踊り・歌、様々な表現を通して創る作品の世界を体現できるよう、出来うる限りの心と時間を費やす覚悟です。沢山の方に愛されているこの「チ。」という作品に最大限のリスペクトを持ち、スタッフ・共演の皆様から学びながら、自分の表現を磨いていければと思います。
■大貫勇輔
僕が大好きな漫画である、「チ。」に参加できることが、本当に嬉しいです!
演出のアブシャロムさんと森山未來さんとは『100万回生きたねこ』の初演以来。素晴らしいキャストの方々と、世界初演のこの作品をクリエイションできることにすごく興奮しています!主人公が何人も出てくるこの入り組んだ作品をどう形にしていくのか。尊敬している長塚圭史さん、海太郎さんの脚本と音楽も今からとても楽しみです。
皆様もきっと観たことないであろう世界、楽しみにしていてください!
■吹越 満
だいたいの舞台というものは、大きく3つの種類に分けられる。
例えば、①10㎝は10㎝である舞台。②10㎝を2㎝とする舞台。③10㎝を1メートルでみせる舞台。④10㎝を50グラムで表現する舞台。⑤10㎝とは雨に濡れる赤いハイヒールである、な舞台。
んあ?あ、5つか。いや、嘘つきましたすいませんつまりは、種類は無限にあるんでしょう。しかし、嫌いなものをたくさん発見してもしょうがないのです。いつもの慣れたものでお茶を濁すより、無限にあるものの中からまだみぬお気に入りを探す。
アブシャロムさんとの仕事は、そんな感じになるといいです。楽しみです。
■成河
アブシャロムというひとは凄いひとです。凄い役者で、凄い演出家です。『100万回生きたねこ』の時、僕は彼から俳優として身体操作すること、その深み、喜びを学びました。さらに、ねこ先輩である森山未來さんまで一緒とは。まるでご褒美のような気分です。原作のエネルギー迸る作画と、加速力ある物語。このメンバーでなら、未だ誰も足を踏み入れたことのないような舞台化の領域を探索出来ると確信しています。
■森山未來
以前より愛読していた「チ。」を、心から信頼するクリエイター・キャスト陣と共に舞台化できることを嬉しく思っております。いつの世も混沌とした人間世界ではありますが、この作品が、コペルニクス的転回とまでは言わないまでも、みなさまが日々を生きる地球への見方を少しでも変容させるものになることを願っています。