抱っこひも安全協議会は3月19日、抱っこひもの安全な使用に関する調査の結果を発表した。調査は2024年8月~11月、インターネットで実施され、8611件の回答が寄せられた。
調査結果によると、約30%の使用者が抱っこひもを使用中に「ヒヤリハット」と呼ばれる怖い体験をしたことが判明した。ヒヤリハット体験は事故には至らなかったものの、その約50%が「落下しそうで怖い経験」をしたと報告されている。
特に注意したい3つのヒヤリハットとして、首すわり前の乳幼児が抱っこひもの横の隙間から滑り落ちそうになる「すり抜け」や、首すわり後の乳幼児がのけ反り、お辞儀のような姿勢で飛び出してしまう「のけ反り・おじぎ」、抱っこから「おんぶ」に移動する際に落ちそうになるケースが挙げられた。
また全体の約1.5%は抱っこひもを使用している中でケガ等の事故が発生しており、ケガの約半数は落下による製品事故だった。
さらに、2024年のデータでは、「おさがり・リサイクル品の購入」による使用者の増加傾向が見られたほか、使い方を調べる際に「スマートフォン」を利用するケースが目立つ結果となった。同協議会は、このような使用環境や使い方の変化を継続的にモニタリングすることで、有効な安全啓発の実施につなげていく考えを示している。ヒヤリハットの発生率や事故の発生率は毎年同程度で推移しており、抱っこひもの安全な使用を促進するため、会員各社で安全啓発活動に取り組んでいる。