JR北海道は24日、福島県沖地震の影響で脱線し、用途廃止となった北海道新幹線H5系(H2編成)に関して、10両編成のうち4～7号車を除く6両を修繕・一部改造した上で、4月1日から教育・訓練用車両として使用開始すると発表した。愛称名は「H296 ふくろう」とする。

  • 教育・訓練用車両「H296 ふくろう」(JR北海道提供)

H5系は北海道新幹線の開業時に4編成導入され、E5系とともに東北・北海道新幹線「はやぶさ」などで活躍しているが、2022年3月16日に発生した福島県沖地震の影響で1編成(H2編成)が脱線。その後、用途廃止となった。JR北海道はこの編成について活用を検討し、教育・訓練用車両として使用することを決定したという。

愛称名の「H296 ふくろう」は、「ふくろう」がアイヌ伝承で「里の守り神」、ローマ神話で「英知の象徴」とされており、「少しでも幸福が訪れるように縁起の良い、守り神のような存在で知恵や経験を与える森の賢者として活躍するように」との思いで命名した。

  • 2号車にデーブル・モニターを配置(JR北海道提供)

  • 2号車に設置されたモニター(JR北海道提供)

  • 2号車の車内(JR北海道提供)

  • 9号車の車内(JR北海道提供)

  • 10号車の車内(JR北海道提供)

  • 内部を見える化(JR北海道提供)

「H296 ふくろう」は函館新幹線総合車両所構内で使用し、営業線の走行は行わない。おもな使用内容として、運転士・車掌・検修社員およびグループ会社社員の教育・訓練、運転士養成時の現車講習と技能試験を挙げている。