本作が初共演となった2人に共演の感想も聞いた。
井之脇は「小野さんはちゃんとうつせみでありつつ、小野さんらしさが随所ににじみ出ていて、人間臭さをすごく感じられるなと。女郎さんは芯の強い方が多い中で、うつせみもうつせみなりの信念を持っているけど、強さだけではない柔らかさ、愛らしさみたいなものがにじんでいて、それはたぶん小野さん自身が持つパワーなんだろうなと思います。ほかの作品を拝見していても、役ごとに顔が違うのに、人間臭さがあふれている感じというのは、小野さんの素敵なところだなと、今回隣にいても思いました」と小野の魅力を述べ、小野は「ありがとうございます。恥ずかしいです」と赤面。
小野も「井之脇さんのお人柄がこんなにも役からあふれ出るんだというのをすごく実感するような時間でした」と井之脇らしさを感じたと言い、「なぜうつせみが新之助さんに惹かれたのだろうと考えることもあったのですが、新之助さんの佇まいなど、きっと言葉にならない部分に惹かれたんだなと、撮影していく中で深く思いました。それはどうしたって、ご本人の持つ価値観や人生観など、今までどんな軌跡を積み重ねてきたのかというものがあふれ出るんだろうなと思いました」と語ると、井之脇も「ありがとうございます」と照れた。
SNSで「引き裂かれてしまったけど、新之助とうつせみも幸せになって欲しいなぁ…」「どうか、うつせみと新之助が幸せになってほしいって思った」などと応援する声が多数上がっていた新之助&うつせみカップル。井之脇と小野は「うれしいです」と反響に喜んでいた。
1995年11月24日生まれ、神奈川県出身。映画『夕凪の街 桜の国』(07)で俳優デビュー。『トウキョウソナタ』(08)で、第82回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第23回高崎映画祭新人俳優賞を受賞。近年の主な出演作は、ドラマ『義母と娘のブルース』シリーズ、『ちむどんどん』(22)、『9ボーダー』(24)、『ブラック・ジャック』(24)、『晩餐ブルース』(25)、映画『猫は逃げた』(22)、『バジーノイズ』(24)、『ピアニストを待ちながら』(24)など。5月4日より本多劇場で舞台『リプリー、あいにくの宇宙ね』が上演予定。
1998年7月6日生まれ、東京都出身。ドラマ『嫌われ松子の一生』(06)で女優デビュー。2022年に出演した映画『ハケンアニメ!』で、「第46回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞した。近年の主な出演作は、ドラマ『罠の戦争』(23)、『初恋、ざらり』(23)、『お別れホスピタル』(24)、『透明なわたしたち』(24)、『スノードロップの初恋』(24)、『私の知らない私』(25)、映画『Ribbon』(22)、『ほどけそうな、息』(22)、『52ヘルツのクジラたち』(24)、『ミッシング』(24)など。
(C)NHK