女優の本仮屋ユイカが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、23日・30日に2週連続で放送される『私が踊り続けるわけ4 ~58歳のストリッパー物語~ 』。日本最高齢のストリッパー・星愛美さん(58)とそのファンたちを追った作品だ。

このシリーズのナレーターを担当する中で、星愛美さんの奇跡を何度も目撃してきた本仮屋。今回の収録を終え、「愛美さんが完全に新しいフェーズに入られたんだと感じました」と受け止め、その姿を見せてくれたことに涙をこぼしながら感謝した――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した本仮屋ユイカ

    『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した本仮屋ユイカ

体力の低下と脱毛に苦しむ日々

前年の夏、肺がんを患い、肺の一部を摘出した愛美さんは「還暦まではステージで踊りたい」という気持ちはあるものの、抗がん剤治療による体力の低下と脱毛に苦しむ日々が続いていた。

このまま治療を続けていては、ステージに立てない体になってしまうのではないか…。抗がん剤治療を続けるのか、それともストリップの舞台へ戻るのか、激しい葛藤の中にある愛美さんの脳裏に浮かぶのは「星組」と呼ばれる愛美さんファンを始め、全国各地の劇場で彼女に会うことを楽しみにしている多くのストリップファンの顔だった。

「私がステージで踊ることで、みなさんが元気になってくれるなら、命を削ってでもステージで踊りたい」――愛美さんは抗がん剤治療を3回で打ち切り、がんと闘うことよりも、ステージ復帰に人生を懸けることを決意した。

目指すのは、1カ月後に迫った58歳の誕生日イベント。新たな衣装を準備し、振り付けも自ら考え、ステージに耐えられる体を取り戻そうと自分を追い込む。そんな時、悲しい知らせが届く。大切なファンの一人が孤独死をしたという警察からの連絡だった…。

  • ステージに立つ星愛美さん (C)フジテレビ

「神がかっている愛美さんを見せていただいた時間」

4回目となる今回のドキュメンタリーを見て、「愛美さんが完全に新しいフェーズに入られたんだと感じました」ととらえた本仮屋。「衣服をまとわず、本当に自分の体一つで勝負しなきゃいけない厳しい世界で、これ以上、自分をさらけ出すことはできない極限の表現をされていたのが星愛美さんという方だと思うんです。ですが、そこをさらに超えていった姿を見て、人間ってここまで進化することができるんだと感じました」と圧倒された。

それを強く感じたのは、愛美さんが「ステージが治療」と、抗がん剤治療を打ち切る決断を下した場面。

「フィールドは違いますが、同じ人に見られる職業という中で、果たして自分にはあんな決断ができるのか、同じ姿勢で人前に立ち続けられるのか。そこに共感と、まだまだ自分は到達できないということを感じ、ある種、神がかっている愛美さんを見せていただいた時間でした」

そして、いちファンとして愛美さんにかけたい言葉を聞くと、思わず涙があふれ出た本仮屋。「生きていてくれて、ありがとうございます。いろんな決断を前向きにしてくださって、ありがとうございます。ずっとずっと応援しています」と噛みしめるように語った。