帝国データバンクは3月14日、「旧姓の通称使用に関する企業の実態アンケート」の結果を発表した。調査は3月7日~12日、全国の大企業および中小企業、小規模企業を対象にインターネットで行われ、1,386社の有効回答を得た。

  • 「旧姓の通称使用」状況

    「旧姓の通称使用」状況

職場での旧姓の通称使用を認めているかと尋ねたところ、63.6%の企業が「認めている」と回答。「認めていないが使用について検討中」(6.9%)を合わせると、7割超の企業で旧姓の通称使用を『容認・検討中』であることが明らかに。規模別にみると、「大企業」では78.7%、「中小企業」は69.2%、「小規模企業」は64.0%と、規模の大きい企業ほど旧姓の通称使用が進んでいるよう。

旧姓を認めている企業からは、コミュニケーションの円滑化や、メールアドレスや名刺などの継続利用といった具体的なメリットがあがったほか、従業員個人の自由を尊重し多様性を認めていこうとする企業の姿勢が見受けられた。

一方、「認めていない」という企業は9.2%。理由を聞くと、「給与の振込口座の名義が違うと面倒」「免許や資格証は旧姓かどうかの確認が必要となるほか、申請書類などの誤記が懸念される」など、旧姓・現姓両方の管理にともなう事務負担や煩雑さがあがった。

  • 旧姓の通称使用に対する企業の負担感

    旧姓の通称使用に対する企業の負担感

メリットとデメリット双方の意見があるなか、旧姓の通称使用に対する企業の負担感について尋ねたところ、半数を超える企業が「負担感はない」(50.7%)と回答。「負担に感じる」(多少は、を含む)」は13.6%、「どちらとも言えない」は25.5%だった。

旧姓使用の状況別にみると、「認めている」企業では「負担感なし」(65.6%)が全体平均(50.7%)を14.9ポイント上回り、「認めていない」企業では「負担感あり」(32.5%)が全体平均(13.6%)を18.9ポイント上回る結果に。負担感がない企業からは、「運用上の見直しで、円滑に進めていける」「人事・労務管理で多少の負担もあるが、世情にあわせシステム的に標準対応されている」「本人確認が確実にできるのであれば、実務上は支障ない」など、システムなどの運用でカバーし、3社に2社の企業が負担を感じていないことがわかった。