ナビットは3月13日、「ほうとう」についてのアンケート結果を発表した。調査は2025年1月、20代~80代の男女1,000人を対象にインターネットで行われた。
郷土料理百選にも選ばれた「ほうとう」
「ほうとう」は山梨県を中心とした地域の郷土料理。小麦粉を練って切った麺にカボチャなどの野菜を加え、味噌で煮込んだ鍋料理で、山梨県民の「ソウル(魂)フード」とも言われている。2007年に農林水産省が選定した「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれた。
甲州市移住支援ポータルサイト「甲州らいふ」にある「本当に知ってる?山梨の県民食ほうとうの世界」によると、ほうとうの基本は、家庭では大鍋で煮込んで味噌で仕上げ、一人ひとりが自分の器によそって食べるのが一般的だという。また、かつて山梨県では「ほうとうを打てないと嫁に出せない」という文化があったとされ、地域におけるほうとうへのこだわりの強さがうかがえる。
約4分の1が「食べたことがある」と回答
「ここ1年、ほうとうを食べたことがありますか?」と質問したところ、アンケートの対象者1,000人の約4分の1に当たる246人が「食べたことがある」と回答した。
食べる場所は「外食」派が多く3割弱
ほうとうを食べる場所は「外食」が最も多くて291人。「自宅」で食べるのは185人。「両方とも」が83人だった。
お土産に購入した人は2割超
お土産として「購入したことがある」との回答は223人だった。
持つイメージは「郷土料理」が過半数
ほうとうのイメージについて聞いたところ、「郷土料理」のイメージがトップで530人。「厚切りのうどん」(125人)、「味噌ベースの煮込み料理」(99人)などがこれに続いている。
ほうとうが食べられるおすすめのお店は?
「ほうとうが食べられるおすすめのお店がありましたら、教えてください」とフリー回答で求めたところ、「山梨、河口湖近辺に所在する店舗ではどこで食べても失敗はない」、「昔、長野県に行った時に初めてほうとうを食べて、味噌でかぼちゃやたくさんの野菜がはいったのを頂き感動しました」、「九州ではお目に掛かることがない(稀)なので、とても漠然とした存在です」といった回答が集まった。
また、お店では山梨県に店舗展開している「小作」を挙げた人が10数人いた。「甲州ほうとう小作」は、山梨県を中心に店舗を展開している郷土料理レストランだという。「なし」との回答は9割超だった。
平安時代に中国から伝来?
ほうとうの由来には諸説あり、決定的な説は存在しないとされている。「枕草子」にも登場しており、平安時代に中国から伝来した「餺飥(はくたく)」が変化したものとする説が有力だという。また、武田信玄が陣中食として考案し、伝家の「宝刀」で切ったことが名称の由来であるとする説もある。
現在は山梨の郷土料理として外食産業でも全国的に広く定着しているが、家庭で手軽に作れるパック商品としても販売されており、通信販売も盛んに行われている。