日本の誇りともいえる富士山。2013年には世界文化遺産にも登録され、インバウンド客からの注目も集まっている。そんな富士山を筆頭に、静岡県静岡市には素晴らしい景色を楽しめるスポットがたくさんある。静岡を訪れた際におすすめしたい絶景スポットをご紹介したい。
一度は見たい! 日本新三景の一つ「三保松原」
三保松原は静岡市清水区の三保半島にあり、日本新三景・日本三大松原(三保松原/静岡県、気比の松原/福井県、虹の松原/佐賀県)の一つ。松原とは松が生い茂る林のことで、中でも特に景観が優れている3か所が日本三大松原と呼ばれている。
三保松原では「羽衣伝説」が有名で、天女が舞い降りたと伝わる「羽衣の松」が目玉だ。樹齢300年以上とも言われているが、現在3代目。先代の松は樹齢600年以上と言われていた。
富士山と松原が織りなす風景はまさに絶景。万葉集にも詠まれていたり、歌川広重の浮世絵にも登場していたりするなど、古くからその景色は様々な芸術作品にも表現されてきた。
2013年6月には富士山世界文化遺産の構成資産として登録されており、日本有数の景勝地(景色が優れている土地や地域、スポットのこと)とされているが、まさに「優勝」と言いたくなるようなありがたい景色だ
運が良ければイルカに会える「富士山清水港クルーズ」
三保松原を楽しんだあとは海から富士山を眺めてみるのはどうだろうか。清水港内をめぐる「富士山清水港クルーズ」では三保内浜海水浴場近くの「三保のりば」からエスパルスドリームプラザまで水上バスでの移動ができる。デッキで風を感じながら目的地まで過ごすのがおすすめだ。
毎年11月~3月にかけては越冬のためにカモメが飛来し、船内にて100円でカモメのえさを購入すればえさやり体験も可能。さらに運がよければ野生のイルカの群れにも会えるかもしれないそうだ。
ただのショッピングモールじゃない「エスパルスドリームプラザ」
エスパルスドリームプラザは今年で25周年を迎えた商業施設。一見、地元民のためのショッピングモールのようだが、他の商業施設ではなかなか見ることができない珍しいお店も多いのが特徴。来場客の4割は観光客だという。なかでも外せないのが「清水かんづめ市場」。静岡市の清水港は冷凍マグロの水揚げ量が日本一。そのため、「まぐろ油漬缶発祥の地・かんづめの町」でもあり、清水区はツナ缶を初めて製造して輸出したことからシェア98%のかんづめの町なのだ。珍しいものも多く、非常食として&ツマミとして&おかずとして……いくらあっても嬉しい缶詰はついつい買い過ぎてしまう。
大人もワクワク! 「ちびまる子ちゃんランド」
エスパルスドリームプラザ本館SEA-Side内3階には「ちびまる子ちゃんランド」もある。入口のグッズ売り場は誰でも買い物が可能。さらに入場料を払えば懐かしいちびまる子ちゃんの展示も楽しむことができる。
エントランスには単行本1巻の表紙にも描かれているちびまる子ちゃんが金の像となってお出迎え。壁面はさくらももこさんが大好きで描いていた幾何学模様。
「さくらももこ資料館」もあり、さくらももこさんが大切に使用していた私物や直筆イラスト、アニメのセル画などの展示がされている。また、さくらももこさんがデザインした「ちびまる子ちゃん神社」にはさくらももこさん直筆の「ちびまる子ちゃんおみくじ」(1回100円)も。
(C)さくらプロダクション/日本アニメーション
静岡市を360度一望! 「日本平夢テラス」
そして絶景といえば外せないのが静岡市を360度一望できる「日本平夢テラス」だ。久能山の北側に位置し、標高300mの丘陵地で、展望台からは駿河湾越しの富士山や清水港、伊豆半島や南アルプスなどすべてをじっくり見ることができる。
展望台は隈研吾建築都市設計事務所の設計。静岡県産の木材をふんだんに使ったあたたかみのある建物で、館内1階から3階の吹き抜けもぜひ見上げてほしい。
入館料は驚くことに無料。基本的に9時~17時までの営業だが、土曜日だけは21時まで営業しており、静岡の夜景を楽しむことも可能。日本平から見える夜景は「日本夜景遺産」にも選ばれたというから、土曜日に訪れたなら絶対に押さえたい。
2階のカフェでは、静岡市三代目銘菓の安倍川もちと日本平煎茶セットが期間限定で提供されている。東海道中膝栗毛の主人公の一人「喜多八」が描かれたパッケージが魅力だ。安倍川もちは江戸時代、徳川家康に安倍川でとれる砂金に見立てたきな粉をまぶしたものを献上したことから名物となったもの。煎茶は2煎目のものも提供される。1煎目はうま味、2煎目は渋もありきりっとした味わいと変化が楽しめることから、このような提供方法が多いという。
日本平ロープウェー乗り場近くの売店「門前の恵み たいらぎ」では蛇口をひねるとみかんジュースが出てくるという夢の体験が可能だ。レジで350 円を払いもらえるカップに好きなだけ注ぐことができる。おかわりNGのためギリギリ注ぐべし。
静岡らしい景色はすなわち日本らしい景色でもある気がする。日本に住んでいてもあまりここまで「THE日本!」といった景色にはお目にかかることができない。日本の良さを再確認すべく、静岡市で絶景を楽しんでみてはいかがだろうか。