
3月14日、LE SSERAFIMが5th Mini Album 'HOT'で待望のカムバックを果たした。リリースに先駆けて同日の日本時間午前11時からメディアショーケースが行われ、タイトル曲「HOT」のパフォーマンスやMVが公開され、メンバーによる曲の解説や意気込みなどが語られた。今回のミニアルバムは、昨年2月にリリースした3rd Mini Album 'EASY'、8月にリリースした4th Mini Album 'CRAZY'に続く3部作の最終章。長い時間をかけて制作され、CoachellaやVMAなどのグローバル規模の貴重なステージを経験し、様々な高い壁を乗り越えて来たメンバーの成長した姿を見ることができた今回のパフォーマンスは、一段と完成度の高いものになっていた。
【イベント写真ソロカット】 『LE SSERAFIM 5th Mini Album 'HOT' MEDIA SHOWCASE』
イベント冒頭に行われたのはフォトタイム。メンバーは全体的に、ホワイトやブラウンを基調としたフリルやレース、シースルー素材を生かしたガーリーなボヘミアンコーディネートに身を包み、ピンクを基調としたみずみずしく多幸感溢れるメイクに統一。前作『CRAZY』と比べるとギャップを感じるナチュラルな装いだ。この日特に印象深かったのはブロンドヘアーにチェンジしたKAZUHA。ホワイトのシースルーワンピースにダークブラウンのベルトとブーツを着用し、ヘアカラーとよく合うゴールドの大ぶりなリングピアスが美しい。メンバーによる挨拶では、「『EASY-CRAZY-HOT』の3部作の最終章となる今作。昨年は様々なステージを経験して多くの学びがあり、その学びを生かしたアルバムです。温かく見守ってください(HUH YUNJIN)」「20歳になって、改めて新しい姿を見せるために頑張りました(HONG EUNCHAE)」などと意気込みを語った。
続いて公開されたのは、POV撮影や魚眼カメラ、360度カメラなどのユニークな撮影手法を多く取り入れた「HOT」のMV。雪山や夕日の沈む海岸などの自然も登場し、情熱あふれる世界観を作り出している。太いベースラインから始まり、乾いたドラムの音がアクセントとなるロック×ディスコを彷彿とさせるサウンド。LE SSERAFIMがデビュー後初めて「愛」を題材にしたタイトル曲であり、叙情的なメロディと歌詞も印象的だ。最初のパートがKAZUHAから始まるのも新鮮。「HOT」という楽曲のタイトルだけ見ると勢いのある盛り上がる楽曲をイメージするが、いい意味でその予想を裏切る、情熱的でリリカルな楽曲なのが興味深い。
LE SSERAFIMといえばパフォーマンス。「HOT」のパフォーマンスステージでは、Bメロ部分のHUH YUNJINとHONG EUNCHAEの落ち着いたトーンの歌声がサビ前でいいアクセントになっていた。また、振り付けは一つのジャンルに統一されず、それぞれの歌詞やメロディが一番よく伝わる形で、様々なダンスが取り入れられたそうだ。サビ部分で繰り返し登場する手のひらで仰ぐような振り付けがまさに”HOT”というイメージ。また、この後の質疑応答のコーナーでKAZUHAが披露した、ジャケットを叩くような振り付けとムーンウォークも印象的だ。「クール」とは真逆の、大人の魅力を感じられる感情的で熱いステージだった。
(P)&(C) SOURCE MUSIC
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続いて5th Mini Album 'HOT'に収録されたすべての曲のティーザーとタイトルが公開され、ショーケースの最後にはメンバーによる曲の解説と質疑応答のコーナーが設けられた。タイトル曲「HOT」について、楽曲制作にも参加したHUH YUNJINは「メンバーが歌った時の印象を一番に考えて作業しました。KAZUHAが上手に心を込めて歌って、最初のパートを上手く昇華してくれて嬉しかった。個人的に愛するために生きていくよりは、生きていくために愛するというのを信じている。このグループを愛しているし、メンバー内のグループチャットで突然告白することがある」と明かし、「突然愛してるよと送られてきてびっくりしたことがあります(KIM CHAEWON)」などと微笑ましい場面も見られた。
また、今作について「最近はシニカルでクールなものがかっこいいと思われることが多いが、愛するものに全てを燃やすこともかっこいいと思います。今回新たなジャンルに挑戦して、パフォーマンスでもこの曲をうまく活かすために感情表現を研究しました(KIM CHAEWON)」「好きな音楽をしている自分たちの姿がアルバムのメッセージそのもの(HONG EUNCHAE)」と語りました。MVについてもSAKURAは「自分が自分らしく生きられるなら灰になってもいいという、ディストピア的な世界を表現したMV」だと明かした。さらに、ミニアルバムの最後に収録された「So Cynical (Badum)」はクレジットにHONG EUNCHAE、HUH YUNJIN、KIM CHAEWONの3名が名を連ねているが、本楽曲について「この楽曲は2023年から2回目となる『オーバーウォッチ2』とのコラボレーション曲でもあります(KIM CHAEWON)」「曲作業に参加して学ぶことも多い。クレジットに名を連ねた曲を自分で歌えるのが嬉しい(HONG EUNCHAE)」などと、楽曲制作に関わることの喜びを語った。
毎作品ごとにメンバーの考えや実体験を反映させたり、複数名が楽曲制作に参加したり、世界の錚々たるアーティストたちが名を連ねる舞台でパフォーマンスをするなど、K-POPガールズグループとしては異例の動きを見せつつあるLE SSERAFIM。そんな彼女たちは今年、久々のワールドツアーを控えている。HUH YUNJINは「3部作の間にツアーしたことがないので、前のツアーとはセットリストが大きく変わると思う。編曲もだいぶ入るかも」と明かした。彼女たちのパワーアップしたパフォーマンス力と圧倒的な自信を身につけたステージをすでに待ちきれない。
(P)&(C) SOURCE MUSIC
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