星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル(青森県十和田市)は3月17日、早春の花咲く苔を愛でるプログラム「春のお苔見」を開始した。

  • 春のお苔見

同ホテルは、奥入瀬(おいらせ)渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテル。3月17日~5月31日の期間、奥入瀬渓流で春の季節に可愛らしく咲く「苔の花」の姿を、思う存分愛でることができるプログラムを実施する。

奥入瀬渓流には、日本で約1800種類ある苔のうち約300種の苔が生息しており、2013年に日本蘚苔(せんたい)類学会より全国に29箇所ある「日本の貴重なコケの森」に選定された。そのため、奥入瀬渓流は苔の観察スポットとして注目を集めている。奥入瀬渓流に生息する多くの苔は、春の時期になると胞子を飛ばすための器官「胞子体(ほうしたい)」を出す。きのこのような形をしたものから、ラムネのような形をしたもの、ちょうちんに似た形のものなど、胞子体のデザインは多種多様。胞子体は、春と秋の時期に特に多く見られ、植物の花のように花粉を飛ばすものではないが、川柳では「苔の花」と称され、春の季語になっている。苔の花と呼ばれる胞子体がたくさん見られる春の時期に、奥入瀬渓流ならではの苔のお花見「お苔見」を楽しめるよう、同プログラムが企画された。

お苔見さんぽ

  • (左)クサゴケ、(右)タマゴケ

奥入瀬渓流の苔を熟知した渓流コンシェルジュが、苔の花が見られるスポットに案内する。金色に輝く短い毛が生えた「カラフトキンモウゴケ」、丸く可愛らしいデザインの「タマゴケ」など、苔の花の形は種類によってさまざま。種類によっては、苔の花が非常に脆く数日で消えてしまうため、春の短い期間にしか見ることができない。限られた期間にしか見られない苔の花を、ルーペを片手にじっくり観察し、その可愛らしさを愛でることができる。開催時間は10:00~12:00で、参加料金は1名3,850円(定員6名)。公式サイトにて1週間前までの予約が必要となる。

苔の花ディスカバリー

  • 苔の花ディスカバリー

苔の花は小さく、ルーペを使わなければ、細かいデザインの違いや、仕組みを知ることはなかなか難しいという。「苔の花ディスカバリー」では、実物の約50倍もの大きさの、苔の花オブジェを用意。渓流コンシェルジュが、苔の花オブジェを使いながら、その形の秘密や、生態の面白さを、分かりやすく伝える。参加すると苔の花を探したくなる、知的好奇心をくすぐる内容となっている。参加することで、お苔見さんぽをさらに楽しむことができる。時間は16:00~16:30、西館2階の渓流-BASEで実施する。参加費は無料。

お苔見パーフェクトセット

  • お苔見パーフェクトセット

お苔見さんぽの参加者限定で、苔の花の観察をより楽しめる「お苔見パーフェクトセット」を借りることができる。セットには、多様な苔の花のデザインを観察できるように、倍率が異なる数種類のレンズが付いたルーペをはじめ、スマートフォンに装備できるマイクロレンズ、6~18倍に倍率を変えられるオリジナルスコープなど、さまざまなグッズを用意。これらを使うことで、苔の花の可愛らしさを余すことなく楽しめる。