札幌在住の筆者の自転車歴は9年目に突入 主にグラベルロードとマウンテンバイク、日常の通勤にはシングルギアのクロスバイクを使っている。
三月上旬の札幌はまだまだ雪深い季節だ。少しだけ春の日差しを感じられるようになってきたものの、雪解けにはもう少し時間がかかりそうだ。筆者は、毎年3月頃になると「雪のない道路で思いっきり自転車をこぎたい!」という欲望が高まる。
フラストレーションがピークに達するこの時期に、雪のないところでサイクリングを楽しもうと昨年の12月頃から計画。飛行機で北海道から抜け出し、「雪のない地域でサイクリングを存分に楽しんでくる」という構想だった。
これを実現させるにあたって、真っ先に思い浮かんだのが「サイクリストの聖地」と言われる、しまなみ海道であった。
初めての経験となる飛行機輪行
皆さんは「輪行(りんこう)」という言葉をご存知だろうか?
自転車旅に興味のない人は聞きなれない単語かも知れないが、愛好家の間では古くから親しまれた自転車旅のスタイルである。
要は、自転車を専用の袋に入れ、公共の交通機関などを利用して目的地まで移動する行為のことを指す。筆者も昨年、札幌から函館までツーリングをして帰りはJR輪行で札幌に帰ってきた経験がある。
今回は飛行機輪行となり、預け荷物規定の重量(20Kg)、サイズ(50cm×60cm×120cm)に収めなければならない※今回はJALを利用
重さ20Kgを超えるスポーツ自転車は滅多にないと思うが、自転車に取り付ける荷物やバックは取り外しておく必要がある。
大きさに関しては厳密に測定されることは無かったが、保安検査ゲートを通過できる範囲で収める必要がある。(事前に利用する航空会社に確認することをおすすめする)
輪行袋については色々種類があるのだが、預け荷物の規定サイズ内に納めるには、前、後輪を取り外して使う縦置き型を使用するのが一般的なようだ。
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自転車の前後輪を取り外し、タイヤをバンドでフレームにくくりつけた状態(左)、左下にエンド金具が取り付けられているのがわかる
自転車を輪行袋に入れた状態(右)は前後輪を外すことでコンパクトだが、公共交通機関を利用する際、混雑する時間帯は避けたほうがいい
ペダルを外すと輪行袋の出っ張りが無くなり、格段に歩きやすくなる(後で気づいたことだが)。
旅の計画
今回の旅は4泊5日、旅程は以下の通り。
3/3新千歳空港15:00発 広島空港17:30着 JR広島駅近くの宿で一泊
3/4 午前 広島観光 午後からフェリーにて松山市高松港(四国)※2時間45分
道後温泉で一泊(自転車での移動距離35km)
3/5 今治市糸山サイクリングターミナル(宿泊先)へ(自転車での移動距離46km)
3/6 糸山サイクリングターミナルから尾道HOTEL CYCLE(自転車での移動距離75km)
3/7 広島空港から新千歳空港 札幌へ(輪行)
4泊5日、自転車での移動距離が156kmで観光も楽しめる計画にした……はずだった。
パッキングと装備
(1)サドルバックの中身は2日分の下着とレインウェア、パッカブルの30Lリュック(輪行時には自転車に装着している荷物をリュックに移す)
基本的に何泊の旅であろうと持ち歩く着替えは2日分と決めている(出発時着ている衣類を合わせれば3日分となる)。これは荷物を減らすためで、途中でコインランドリーなどを利用する。
なので、できるだけ乾きの早い素材がおすすめだ。今回宿泊する糸山サイクリングターミナルには、洗濯機、乾燥機が完備(有料)されていることを事前に調べておいた。
(2)フレームバックには輪行時に使うエンド金具、簡易工具、モバイルバッテリー、汗拭きタオル、行動食が入っている。
(3)フロントバックにはカメラのバッテリー、iPad Mini、Aid用品(絆創膏、消毒液、テーピング、湿布、痛み止め)、予備のグローブ、若干の予備スペース(予備スペースが足りなくなった場合はフロントフォークに荷物をくくりつけてスペースを確保する)
(4)忘れてはいけないのが、パンク修理キットと予備のタイヤチューブ。しまなみ海道に限らず市街地から離れるサイクリングでは、最寄りの自転車店までかなりの距離がある場合もある。可能であればパンク修理やチューブ交換の知識はあるに越したことがないだろう。
事前に最寄りの自転車店などでレクチャーを受けておくと安心だ。
(5)ステムバック。ドリンク類はもちろんのこと、行動食や、一時的にスマホを入れておくこともできる便利な小型のバックだ。筆者は走行中に花粉症が発症したため、すぐに取り出せるようティッシュを入れておいた。
一通りの確認を終えたらいよいよ出発だ
新千歳空港では時間が押してしまい写真を撮ることができなかったので、帰りの広島空港にて撮影。
今回はJALを利用したが、係員の人たちは自転車の扱いにも慣れていて丁寧に対応してくれたので、安心して自転車を預けることができた。
次回、しまなみ海道サイクリング編に続く。