西日本最大のスポーツサイクルフェスティバル、「サイクルモードライド大阪2025」が3月1、2日の両日、大阪・万博記念公園で開催された。試乗車台数は460台以上、参加した自転車関連ブランドは200以上。全国から多くのサイクリストたちが参加し、大いに賑わった。今回は、当日の会場の見どころを厳選してレポートしたい。

西日本最大級「サイクルモードライド大阪2025」に潜入!

ロードバイク、マウンテンバイク、そして大注目のe-BIKEやグラベルバイクに無料で試乗でき、サイクルウェアやヘルメットなどの最新ギア類も大集合。全長2kmを超えるロング試乗コースやオフロードバイクコースなども用意された「サイクルモードライド大阪2025」。その会場はというと……

この盛り上がりようである。熱気がスゴい!

会場の正面入口付近に設置されていたのは「SPORTS BIKEステージ」。自転車業界の著名人らが登壇し、トークショーなどを定期開催する特設ステージだ。初日の昼過ぎにはロードバイク好き俳優として知られる猪野学さんが登場。この日は“福岡県サイクルツーリズム”をテーマに、猪野さんご自身のバイク愛&福岡愛を炸裂させていた。集まったサイクリストたちも真剣な眼差しでステージを見つめている。この熱量、やっぱりスゴい!

こちらは会場に設けられた「オフロードバイク試乗エリア」。出展しているブランドのマウンテンバイクやグラベルバイクを借りて、自由に走ることができる。さすがに林道や山中のようなワイルドなオフロードコースではないが、人工的な凸凹が随所に設けられているなど、十分に楽しめる作りとなっていた。

こちらは「おやこバイシクルエリア」で、スポーツ自転車の乗り方などを教える「キッズ自転車教室」なども開催されていた。時に転びながらも懸命に自転車をこぐ子どもたち。中には、まだ補助輪を付けていてもおかしくないくらいの年齢なのにスイスイ走っている子どもの姿も……スゴいな〜。

こちらで開催されていたのは「洗−1 グランプリ」。今回が初出展となる大阪の自転車洗車専門店「ラバッジョ」が主催し、出場者たちが“15分以内にどれだけ楽しく、カッコよく、そして綺麗に自転車を仕上げられるか”を競い合った。優勝者にはかなりの豪華賞品も用意されていたらしい。自転車愛が詰まった、なんとも素敵な大会である。いいね!

会場内には「SCOTT(スコット)」「Bianchi(ビアンキ)」「COLNAGO(コルナゴ)」「DE ROSA(デ・ローザ)」「Pinarello(ピナレロ)」「RIDLEY(リドレー)」「SPECIALIZED(スペシャライズド)」など、憧れの欧米ロードバイクメーカーのブースがズラリ。一度でいいから愛車にしてみたい、と思うようなマシンが所狭しと並んでいた。

そんな中で……

ひときわ長蛇の試乗車待ちの列を作っていたのが「ブリヂストン」。日本が誇る老舗で、スポーツ車シリーズ「ANCHOR(アンカー)」が今、かなり売れているともっぱらのウワサである。

「試乗したみなさんもすごく好印象を持ってくださっていて、『今まで乗ったバイクで一番よかったです』という声もいただきました。レースモデルやロングライドモデルなど、マシンごとに用途に合わせながらコンセプトを分けていること。あとは日本ブランドなので、日本人の体型に合ったマシンになっているというところが大きいですね。多分、今日だけで500人くらいは試乗されると思います」(ブリヂストン担当者)

世界最大の自転車パーツメーカー「シマノ」のブースも

大阪・堺に本社を構える世界最大の自転車パーツメーカー「シマノ」のブースも発見! 最大の見どころについて聞いてみると、シンプルさと汎用性、そして耐久性に優れたコンポーネント「CUES (キューズ)」の新タイプを紹介してくれた。

「こちらの『キューズ』の“ドロップハンドル仕様”は年明けに情報解禁したばかりで、今回が初展示となります。もともとフラットバータイプは存在していたのですが、このたび新たにドロップハンドルタイプを発売しました。ドロップハンドルに対応するよう、コンポーネントの形も各所変更しています」(シマノ担当者)

「あとはGRX搭載のグラベルバイクですね。こちらは昨年中頃に発売したもので、12速のメカニカル変速仕様は一昨年から販売していたのですが、新たにDi2電動変速プラットフォーム仕様を追加しました」(シマノ担当者)

さらに、隣のブースを覗いてみると……

日本最大級のサイクリストのための祭典「シマノ鈴鹿ロード」を紹介するブースも! シマノ鈴鹿ロードとは、鈴鹿サーキットのコースを舞台に、初心者からトップレーサーまで幅広いサイクリストが参加できる自転車ロードレースイベントのこと。今年8月に開催が控えており、今回で通算40回目となる。

このブースでは、AR (拡張現実)プラットフォームアプリ 「ROUVY」を使って鈴鹿サーキットのコースをバーチャル体験できるコーナーなどが設けられていた。

「コロナ禍の影響でお客さんがシマノ鈴鹿ロードから遠のいちゃった部分もあるので、改めて皆さんに知ってもらいたいと思い出展しました。サーキットコースをみんなで自転車で走るなんて、一般道ではなかなかできない体験です。ぜひ多くの方に参加してほしいですね」(シマノ鈴鹿ロード担当者)

スポーツe-BIKEエリアにも注目!

会場には最近主流になりつつある「スポーツe-BIKEエリア」も。

中でも存在感を示していたのは、e-BIKEの先駆けである「ヤマハ発動機」のブース。昨年登場したばかりの「クロスコア コネクティッド」は特に注目を集めていたようだ。

「専用アプリ『YAMAHA e-Bike Link』との連携機能がついていて、例えばホイール、空気圧、チェーン、バッテリー残量などの状態もアプリを通して見られますし、『最後にメンテナンスしてから30日経ったので、そろそろまた調整したらどうですか』といったアナウンスも出てきます。もちろん、マップでライドログなども計測できるようになっています」(ヤマハ発動機担当者)

ヤマハ発動機の担当者はさらに、「例年に比べて、電動アシスト自転車に試乗していただける方が多い気がします。10年くらい前とかだと、本当のローディー(自転車乗りの通称)の方々が多かったのですが、今はかなりカジュアル路線になってきて、幅広い方が興味を持ってくれているという印象を受けますね。『面白かったよ』『電動アシスト自転車ってすごいね』『購入検討したいね』といった言葉もいただいています」とも語ってくれた。

ヤマハ発動機が初めて電動アシスト自転車を発売したのは1993年。30年以上が経ち、時代がようやく追いついてきたのかもしれない。

ということで、西日本最大のスポーツサイクルフェスティバル、「サイクルモードライド大阪2025」は今年も内容てんこ盛りだった。サイクリストであれば大満足すること間違いなしの自転車の祭典、今年参戦できなかったみなさんも、来年こそはぜひ!