• 安達祐実

――今後の抱負もお聞かせください。

ここ5年ぐらい舞台ともっと向き合いたいと思っています。ドラマ出身なのでドラマ、映像が大好きで、舞台は苦手だなと思ってしばらく遠ざけていた時期もあったんですけど、舞台のことをよく知らないのに苦手だなと思ってやらないのは逃げじゃないかと。4~5年前から年1本ぐらいやらせてもらうようになったんですけど、できないことが多すぎて、それがうれしいみたいな(笑)。できないことがあるということは、まだ伸びることができるんだという希望を見出してしまった感じです。

――どんなことができるようになりたいと思って舞台と向き合っていますか?

具体的にはないんですけど、舞台に立つことがやみつきになっている俳優さんがたくさんいらっしゃって、やみつきになるほどの舞台の魅力を知りたいと思ったり。あと、昔は客席にお尻を向けちゃいけないと言われていましたが、最近私がやらせてもらっている舞台はリアルに近くて自由で、その中で本当の感情を見つけ出していく作業がすごく楽しいです。それが毎回できるわけではなく、できるときとできないときの差はなんだろうとか、自分の心の持っていきようを研究・解明しようとしています。

――成長意欲が素晴らしいですね。

止まってしまうのは寂しいので、まだ伸ばせるのであれば伸ばしていけたらなと思います(笑)

――その原動力は、お芝居が好きという思いでしょうか?

たぶん好きなんですかね。好きなのかどうかもあまり意識しないでやってきていて、ほかのことよりは得意だったというだけなのかなと思ったり(笑)。でも楽しいと思ってやっているので、これからも変わらず楽しんでやっていけたらと思います。

  • 安達祐実
  • 安達祐実
  • 安達祐実
■安達祐実
1981年9月14日生まれ。東京都出身。2歳からキッズモデルとして活動を始め、94年の日本テレビ系ドラマ『家なき子』で本格的にブレイク。同作品の台詞は、新語・流行語大賞にも選ばれるなど社会現象となった。以降も幅広い役をこなす実力派俳優として数々のドラマ、映画に出演する他、ファッションブランドのプロデュース等、活動は多岐に渡る。
■『霧をはらう』
著者:雫井脩介 ナレーター:安達祐実
小児病棟で起きた点滴殺傷事件。4人の子供の点滴にインスリンが混入され、2人の幼い命が奪われた。物証がないまま逮捕されたのは、生き残った女児の母親。献身的な看病のあまり、周囲との軋轢も生んでいた彼女は取り調べで自白するが、後に否認する。娘を懸命に支えていた母親は冷酷な殺人犯なのか? 弁護士の伊豆原は勝算のない裁判に挑む。