東武鉄道は、3月8日から東武アーバンパークライン(野田線)の新型車両80000系を運行開始し、同日に野田市駅で出発式を開催した。運行初日、80000系はクラブツーリズム主催の団体臨時列車として運行された。3月9日から通常運行となる。

  • 東武アーバンパークライン(野田線)の新型車両80000系がデビュー。出発式に元バドミントン選手の潮田玲子さんが出席した

80000系の出発式は野田市駅の改札外コンコースおよび1番線のホーム上で行われたが、式典開催前の9時23分、ツアー列車として80000系が野田市駅に入線した。ツアー参加者は七光台駅から80000系のツアー列車に乗車しており、出発式の見学も可能だった。出発式が終了した後、ツアー参加者は再び80000系に乗車し、野田市駅から七光台駅へ戻ることになる。

出発式はツアー参加者や一般利用者らが見守る中で行われた。東武鉄道鉄道事業本部長の鈴木孝郎氏が挨拶し、ファミリー層に優しい車両となるよう設定した「たのしーと」や、乗務員室後方の窓を拡大したことなど説明した上で、「今回の車両には、設備のモニタリング装置が付いている編成があります。いろいろな取組みを行っている電車がありますので、新しいアーバンパークラインにぜひ期待していただきたい」と述べた。

  • 野田市駅1番線に80000系の団体臨時列車が入線

  • 出発式で挨拶する東武鉄道の鈴木孝郎氏

  • 続いて野田市副市長の今村繁氏が挨拶

続いて野田市副市長の今村繁氏が登壇。鈴木有市長の代読として、80000系の特徴や出発式・車両撮影会に触れつつ、「11年ぶりの新型車両です。大いに盛り上がっていただくとともに、アーバンパークラインとともに野田市のPRにつながることを切に願っております」と挨拶した。

バドミントン元日本代表の潮田玲子さんも80000系の出発式に出席した。潮田さんは北京オリンピック(2008年)の女子ダブルスで5位に入賞し、ロンドンオリンピック(2012年)では混合ダブルスに出場。現役引退後、2児の母として子育てしつつ、タレントとして活躍している。夫の元プロサッカー選手、増嶋竜也氏が柏レイソルに在籍していた縁で流山市内に住んでいたことがあり、東武アーバンパークラインも利用していたという。

  • バドミントン元日本代表の潮田玲子さん。現在はタレントとして活躍中

  • (写真左から)潮田さん、今村副市長、鈴木本部長、野田市駅の清水昇駅長

  • 新型車両80000系の「たのしーと」(2月10日の報道公開にて、編集部撮影)

80000系に新設される「たのしーと」について聞かれた際、「電車に乗ることは、ママとしてはすごく大変なことです。(「たのしーと」では)ベビーカーを置く場所が確保されていたり、横に座ったりもできますよね。お母さんの『あったらいいな』を叶えてくださっているところは非常にありがたいです。こどもたちが車内でも楽しめるというのは、子育て世代のことをよく考えてくださっていてありがたい」とコメント。来場者に向けて、「(80000系の)内装のテーマがリビングということで、リビングは家に帰ってほっとする場所だと思うので、新型車両に乗ったことでほっとしたり、癒しの空間になったりしたら素敵だなと思いました」と話していた。

登壇者の挨拶と記念撮影を終えた後、80000系が停車している1番線へ。ホーム上でテープカットなどを行った後、10時4分、合図とともに80000系のツアー列車は来場者らの拍手をに包まれながら発車し、七光台方面へ折り返していった。なお、ツアー列車が七光台駅へ到着した後、車両基地(南栗橋車両管区七光台支所)で撮影会が行われたという。

  • 80000系が停車している1番線ホームでテープカットを行い、合図とともに発車。車掌も手を振っていた

新型車両80000系は3月9日から通常運行。「フューチャーブルー」「ブライトグリーン」のカラーリングと、エッジを際立たせた車体前面が外観上の特徴となる。内装はリビングをテーマに、落ち着いた客室空間を表現。式典でも紹介された「たのしーと」は、外観に水玉模様のある4号車(柏方から2両目)の車端部に設定され、こども同士や親子、ベビーカー利用者など、さまざまな利用者が快適に過ごせるようになっている。80000系は今後も順次導入される。

なお、80000系は東武アーバンパークラインの従来車両と異なり、1両短い5両編成で運転される。これにともない、各駅の電光掲示板などで車両数、ホームの足もとに設置された乗車位置ステッカーで停車位置を案内するようになる。東武アーバンパークラインは80000系の導入を皮切りに、現行の6両編成から5両編成に変更する予定となっている。