
高校野球 夏の甲子園 最新情報
今月18日に開幕する第97回選抜高等学校野球大会。今大会は甲子園常連校をはじめ、甲子園初出場の高校が6校選出された。また、各地区に優勝候補と目される高校が点在しており、熱い戦いが予想される。今回は上位進出が狙えそうな高校を予想するとともに、各代表校の戦力も紹介したい。
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北海道・東北地区の有力校は?
北海道・東北地区の代表校は以下の顔ぶれとなった。
東海大札幌(北海道)
青森山田 (青森)
花巻東 (岩手)
聖光学院 (福島)
北海道・東北地区は、甲子園常連校が名を連ねた。青森山田(青森)は昨夏の甲子園を経験した選手が多く残っており、上位進出の可能性はありそうだ。
青森山田は昨秋の青森大会を制し、東北大会では準優勝した。投手陣は乕谷朔ノ助、菊池統磨、下山大昂が主力として腕を振り、東北大会はこの3人の投手リレーで勝ち上がった。
主に先発を務める乕谷は、130キロ中盤の直球を投じ、急速以上の伸びがある。サイド右腕の菊地もストレートが130キロを超え、昨夏の甲子園でも登板した下山は最速140キロ超の直球を放るなど、投手陣は安定している。
打撃陣は、昨夏の甲子園を経験した選手が多く残る。佐藤洸史郎、佐藤隆樹、蝦名翔人などの好打者が名を連ね、相手チームにはプレッシャーとなりそうだ。
昨秋の北海道大会で優勝した東海大札幌(北海道)は、投手陣が強みだ。プロ注目左腕・矢吹太寛は最速140キロ超の直球を持ち、スライダーにもキレがある。昨秋に「背番号・1」を背負った右腕・高橋英汰も最速140キロを超えるなど、”ダブルエース”の活躍次第では上位進出を見込めそうだ。
打線は双子の兄弟・太田勝馬と太田勝心に注目だ。弟の太田勝馬は4番打者として活躍し、昨秋の北海道大会決勝ではホームランを放った。兄の太田勝心は、昨秋の北海道大会で主に5番に座り、準決勝の札幌日大戦では3打点を叩き出した。甲子園の舞台では、兄弟で打線を牽引したいところだ。
昨秋の東北王者となった聖光学院(福島)は、サイド左腕・大嶋哲平の安定感が鍵となる。急速は110〜120キロ台だが、高い制球力が特徴だ。甲子園でもコースを突く投球で、凡打の山を築きたい。
打線は、昨夏の甲子園でもスタメン出場していた菊地政善が中心だ。昨秋の東北大会で打率.500(14打数7安打)をマークした猪俣陽向にも期待がかかる。
花巻東(岩手)は、前チームからクリーンナップに座る古城大翔、新田光志朗が打線を牽引したいところだ。大きな体格を持つ新2年生・赤間史弥も注目の存在であり、彼が打ち出すと打線に重みが増しそうだ。
投手陣は大型右腕の金野快、左腕の萬谷堅心が中心だ。金野は力強いストレートやフォークが武器。萬谷はスリークォーターからストレートやカーブなどを投じ、緩急で打者を打ち取る。タイプの異なる二枚看板で、チームを上位へと導けるか注目だ。
関東・東京地区の有力校は?
関東・東京地区の代表校は以下の顔ぶれとなった。
二松学舎大付(東京)
早稲田実 (東京)
横浜 (神奈川)
横浜清陵 (神奈川)※21世紀枠
浦和実 (埼玉)
健大高崎 (群馬)
千葉黎明 (千葉)
山梨学院 (山梨)
関東・東京地区は、甲子園常連校と初出場校が入り混じる顔ぶれになった。その中でも、横浜(神奈川)、健大高崎(群馬)、早稲田実(東京)の上位進出を予想する。
昨秋の神宮王者となった横浜は、投打ともに充実した戦力を誇る。投手陣はエース・奥村頼斗、織田翔希のほかに、前田一葵、片山大輔といった力のある投手が控える。
打線は前チームから主将を務める阿部葉太をはじめ、1年次から主力として活躍する小野舜友、池田聖摩などの有望株が揃う。左打者の多い打線となるが、相手チームは慎重にならざるを得ないだろう。
昨年の選抜甲子園を制した健大高崎は、今年も選手層が厚い。投手陣は今秋ドラフト候補の石垣元気、左腕の下重賢慎が中心となる。
打撃陣も加藤大成、石田雄星、小堀弘晴、秋山潤琉などの強打者が揃う。昨春の甲子園で活躍した佐藤龍月は打者として出場する見込みとなっており、今大会では打撃に注目だ。
早稲田実は中村心大、山中晴翔のバッテリーなど、複数の甲子園経験者が残っている。エース左腕の中村をはじめ、長身右腕の浅木遥斗、サイド右腕の田中孝太郎など、タイプの異なる投手陣は強みとなりそうだ。
山梨学院は走攻守で安定しており、総合力の高さが窺える。投手陣は注目の長身右腕・菰田陽生、U-15日本代表経験者の藤田蒼海などが名を連ねる。打撃陣は平野天斗、梅村団、萬場翔太といった昨春の甲子園経験者が残っており、打線を牽引していきたい。
二松学舎大付(東京)は、及川翔伍と河内紬のダブル右腕が君臨する。打撃陣は俊足巧打の入山唯斗、昨秋に1年生ながらも4番に座った福和田啓太に注目だ。
浦和実(埼玉)の変則左腕・石戸颯汰は安定感があり、緩急で打者を打ち取っていく。打撃陣は長打力のある野本大智、器用な打撃を見せる橋口拓真に注目。守り勝つ野球で、甲子園初勝利を狙いたい。
同じく甲子園初出場の千葉黎明(千葉)は、タイプの異なる複数投手陣が強みだ。遊撃を守る山本大我は1年次から公式戦に出場しており、下級生ながらも4番を打っている佐々木悠晴にも注目だ。
21世紀枠で初の甲子園出場を果たした横浜清陵(神奈川)は、内藤大維と西田豪の左右2枚が投手陣の中心だ。遊撃を守る長谷川悠人は俊足が光るだけに、彼の出塁が大きな得点源となりそうだ。
東海・北信越地区の有力校は?
東海・北信越地区の代表校は以下の顔ぶれとなった。
大垣日大 (岐阜)
常葉大菊川 (静岡)
至学館 (愛知)
敦賀気比 (福井)
日本航空石川(石川
甲子園出場経験校が揃った東海・北信越地区だが、敦賀気比(福井)と日本航空石川(石川)の上位進出を予想する。
敦賀気比の投手陣は、管田彪翔、五十子李壱の新2年生が牽引する。昨秋の北信越大会は、管田から五十子への継投で勝ち上がった。
サウスポーの管田は125〜130キロ台のストレート、キレのあるスライダーなどを持つ。加えて制球力もあるため、安定感がある。右腕の五十子もスライダーなどの変化球にキレがあり、投手陣には欠かせない存在だ
打撃陣は、リードオフマンの岡部飛雄馬に注目だ。昨春の甲子園でも1番打者として出場しており、打線の火付け役となりたい。捕手を務める小林拓斗も、パワーのある打撃が光る好打者だ。
日本航空石川の投手陣は、エース右腕の蜂谷逞生が牽引する。最速140キロ超のボールには力があり、今大会注目の一人だ。新2年生右腕の保西雅則は恵まれた体格を持ち、今後の成長が楽しみな選手だ。
打撃陣では、木下心結の長打力が光る。秋の公式戦9試合で打率.406(32打数13安打)を残した菅野恭輔など、好打者が揃っている。
東海王者の大垣日大(岐阜)は、中野翔真と谷之口翔琉の左右2枚看板が強みだ。特に左腕の谷之口は、昨秋の岐阜県大会で27回2/3を投げて無失点の安定感を誇った。
東海大会準優勝の常葉大菊川(静岡)は、打線が強力だ。昨秋の公式戦10試合で打率.513をマークした橘木千空、11試合で打率.444を残した佐藤大加良など、前チームからのレギュラーが打線を牽引する。
至学館(愛知)は急成長中の右腕・尾崎陽真が抜群の安定感を誇る。2番手以降の磯村怜穏、加藤嶺乙が台頭してくると、投手陣にさらなる厚みが増しそうだ。
近畿地区の有力校は?
近畿地区の代表校は以下の顔ぶれとなった。
東洋大姫路 (兵庫)
智弁和歌山 (和歌山)
市和歌山 (和歌山)
天理 (奈良)
滋賀学園 (滋賀)
滋賀短大付 (滋賀)
98年ぶりに大阪勢が不在となった近畿地区。その中でも東洋大姫路(兵庫)と智弁和歌山(和歌山)は、全国的にも力上位だろう。
東洋大姫路は、プロ注目右腕の阪下漣が投手陣を牽引する。145キロ超のストレートに加え、スライダーなどの多彩な変化球を操る。サウスポーの末永晄大も140キロ超の直球を放るなど、左右で好投手が揃う。
打線も渡邊裕太、伏見翔一、高畑知季などの好打者が多く揃う。切れ目のない打線は、相手チームにとっても脅威だろう。
智弁和歌山も、投打に充実した戦力を誇る。エース右腕・渡邉颯人は最速140キロ超のストレートを放り、宮口龍斗は150キロ超の力強いボールを投じる。
打撃陣は山田凜虎、福元聖矢、U-15日本代表経験者の藤田一波など、好打者が揃う。相手投手は神経を使うことになりそうだ。
市和歌山(和歌山)はエース右腕・土井源二郎が投手陣を牽引し、新2年生の丹羽涼介も最速140キロ超の直球を放る。
打撃陣に目を向けると、捕手・川邉謙信の長打力が光る。リードオフマンの津本峰月が出塁し、打線の火付け役となれるか注目だ。
天理(奈良)は下坊大陸、伊藤達也の両右腕が投手陣の中心だ。下坊はスライダーなどの変化球に加え、制球力も高い。伊藤は140キロ超のボールを投げ込む力があり、打力も高い選手として注目の存在だ。
打撃陣では、ドラフト候補の赤埴幸輝に注目したい。昨秋の公式戦では、8試合で打率.484(31打数15安打)をマークした。甲子園の舞台でも、その実力を発揮できるか。
滋賀学園(滋賀)の注目は、エース右腕の長崎蓮汰だ。恵まれた体格から140キロ超の角度のあるボールを投げ込む。三塁手の吉森爽心は、昨秋の公式戦7試合で打率.571(35打数20安打)をマーク。甲子園でも打棒を発揮できるか期待だ。
初出場の滋賀短大付(滋賀)は、エース・櫻本拓夢が投手陣を引っ張る。最速は120キロ台だが、緩急を使って打者を打ち取る。打撃陣は昨秋の公式戦で、大窪玲輝、関東正悟が打率4割超をマークしており、打線を牽引する存在となりたい。
中国・四国地区の有力校は?
中国・四国地区の代表校は以下の顔ぶれとなった。
広島商 (広島)
米子松蔭 (鳥取)
明徳義塾 (高知)
高松商 (香川)
伝統校が名を連ねた中国・四国地区。明徳義塾(高知)は昨夏の甲子園を経験したバッテリーが残っていることもあり、上位に食い込んできそうだ。
明徳義塾は、エース左腕の池崎安侍朗と里山楓馬のバッテリーを中心とした守り勝つチームだ。池崎は昨夏の甲子園で2完投を記録し、里山も1年次から出場している。バッテリーとしての経験値は豊富だ。
打撃陣は、藤森海斗と松井萊翔に注目だ。前チームから主力メンバーとして活躍しているだけに、打線を牽引して得点力を上げていきたい。
高松商(香川)は、末包旬希と行梅直哉の両右腕が投手陣を牽引する。打撃陣では、昨秋の四国大会準決勝で2打席連続本塁打を放った橘朋宏、U-15日本代表を経験した小原健跳などが名を連ね、打線も強力だ。
昨秋の明治神宮野球大会で準優勝した広島商(広島)は、大宗和響と徳永啓人の左右2枚看板が安定している。下級生ながらも伝統校の4番に座る名越貴徳は、長打力が光る注目の存在だ。
33年ぶりの選抜出場となった米子松蔭(鳥取)は、守り勝つ野球で勝利を目指す。エース右腕の新里希夢は小柄ながらも、130キロ台のストレートと変化球を駆使し、安定感のある投球を見せる。
捕手の惣郷峻吏は、昨秋、打撃でチームを牽引する活躍を見せた。また、中国大会決勝では投手としても登板した。甲子園でもマウンドに上がるのか注目だ。
九州・沖縄地区の有力校は?
九州・沖縄地区の代表校は以下の顔ぶれとなった。
西日本短大付 (福岡)
柳ヶ浦 (大分)
壱岐 (長崎)※21世紀枠
沖縄尚学 (沖縄)
エナジックスポーツ(沖縄)
沖縄県勢が2校入った九州地区。この中でも、沖縄尚学(沖縄)と西日本短大付(福岡)は力上位に位置すると考える。
沖縄尚学の投手陣は、新2年生が主力メンバーとなる。エースの末吉良丞は、力強いボールを投げる左腕として注目の一人だ。さらには右腕の田場典斗や新垣有絃、U-15日本代表経験者の大城諄來が控えている。
打撃陣は、二塁手の比嘉大登に注目だ。昨秋の九州大会では、打率.733(15打数11安打)と驚異的な打率を残した。甲子園の舞台でも、持ち前の打棒を発揮できるか。
西日本短大付は、昨夏の甲子園経験者が多く残る。エース右腕・中野琉碧は昨夏の甲子園でマウンドに上がった経験を、今大会に活かしたい。
打線に目を向けると、佐藤仁、山下航輝、斉藤大将などの強打者が名を連ねる。リードオフマンの奥駿仁も、俊足巧打の野手として注目だ。
エナジックスポーツ(沖縄)のエース左腕・久高颯は、最速140キロ超のストレートとスライダーが持ち味だ。その他、左腕の津嘉山清喜郎、外野手兼投手の福本琉依も威力のあるボールを投げ込んでくる。
打撃陣は左打者が多く、イーマン琉海と砂川誠吾は前チームからスタメンを張っていた。昨秋、1年生で4番を務めた富盛恭太にも注目したい。
20年ぶりの選抜出場を果たした柳ヶ浦(大分)は、継投で勝ち上がってきたチームだ。新2年生左腕の宮城介は、130キロ台の直球や100キロ台のカーブなどを駆使し、緩急で抑える。サウスポーの杉本羽輝、右腕の宮原太駕も130キロ超のストレートを投げ込む。
得点を奪う上では、俊足の岡田琉葦と島袋二魁の出塁に期待したい。甲子園の舞台でも塁上を駆け回り、同校を35年ぶりの春1勝へ導けるか。
21世紀枠で出場を決めた壱岐(長崎)は、エース右腕・浦上脩吾の安定感が鍵となる。昨秋の長崎県大会、九州大会では抜群のコントロールを見せたが、甲子園の舞台でもその力を発揮していきたい。
遊撃を守る山口廉斗は投手も兼任し、動くボールで打者を抑えていく。内野の要でもあるだけに、キーマンになり得る選手だ。
【了】