2月22日・23日の2日間で約120業種、650社以上の企業が出展する関東最大級の就活イベント「マイナビ就活直前EXPO」が、東京ビッグサイトで開催された。

今回は本イベントに出展した「日本住宅ローン」のブースを取材。「オリコン顧客満足度ランキング」住宅ローン モーゲージバンク部門とフラット35部門の2部門で、第1位を獲得している同社の取り組みを聞いた。

■学生にも身近な金融業界、将来のライフイベント支える“ローン”の役割

「マイナビ就活直前EXPO」は全国の大手・優良企業が参加し、さまざまな業界の企業情報を収集できる合同説明会。企業の選び方や就活準備に関する相談会、就活本番までにおさえておくべきポイントを学べる選考対策講座、本イベントならではの企業講演といったコンテンツが用意された。

2日間にわたる日程で本イベントにブース出展した「日本住宅ローン」は、戸建住宅やマンションなどを手掛ける大手ハウスメーカー4社の共同出資により、2003年に誕生した住宅ローン専門の金融機関。

ブースでは1回20分程度の企業説明会が1日8回ずつ実施され、2日間で計400名を超える学生が足を運んだようだ。

「まだ業界を絞られていない方も多いと思うので、まずは金融業界について少しだけ簡単にお話をさせていただければと思います」と、同社人事部の田中幸之介氏。「金融業界と聞いて一番に思い浮かべるのが銀行さんですが、カード会社さんや証券会社さん、あとは保険会社さんも金融業界に分類されます。金融業界はインフラ業界とも言われるほど、学生の皆さんにとっても身近で生活に必要不可欠な存在です」

さまざまな金融商品が存在するなかで、まとまったお金が必要になるライフイベントを支えるローンの役割を説明した。

「マイカーローンや住宅ローンが代表的ですが、それ以外にも結婚式用のブライダルローンや教育ローンなど、たくさんのローン商品がライフイベントで活用されています。ローンと聞くと正直、あまり良いイメージを持つ人のほうが少ないかもしれませんが、こうしたローンは夢や希望を叶えていくために必要なものです」

■高い信用力と安定した経営基盤の強み

人生で最も高い買い物とも言われる住宅の購入で活用される住宅ローンでは、数千万円の融資で大きなお金が動くのが一般的だ。“モーゲージバンク”と呼ばれる住宅ローンを専門に取り使う金融機関は全国に30社ほどが存在し、日本住宅ローンもそのうちの1社だ。

「モーゲージバンクと銀行の最も大きな違いは、取り扱っているローン商品の種類です。銀行が主に取り扱う自社ローンは、変動金利型の住宅ローン。年2回ほどのペースで適用金利が見直され、利益率の高い住宅ローン商品です。対して、モーゲージバンクが主に取り扱うのはフラット35という固定金利型の住宅ローンになります」

固定金利型の住宅ローンが「フラット35」として2003年に民営化された際、「積水ハウス」「大和ハウス」「住友林業」「セキスイハイム」の4大ハウスメーカーの出資で設立した同社。「安定性」「社会貢献」「DX」という3つのキーワードで、その特色が紹介された。

「我々がご融資させていただいているお客様は、基本的に4社の大手ハウスメーカーさんのお客様です。我々がご融資を開始させていただいてから約20年が経った現在、融資残高は約2.2兆円。全国の住宅ローンの融資残高ランキングでもトップクラスの融資残高を保有しています」

4大ハウスメーカーの顧客層などを基盤とする高い安定性は、利益ではなくて商品サービスの質を追求する、「社会貢献」という2つ目の特色にもつながっているようだ。

“必要以上の利潤を追求しない”という方針のもと、顧客のニーズに応じた住宅ローン商品の展開を最重視する同社は、“いい家をいいローンで”といったミッションも掲げている。

「普通の会社、とくに株式会社では多くの利益を上げて株主に配当していくことを求められますが、我々は利益をお客様への還元や利便性の高い新サービスのシステム投資に回すことができる会社です。また、我々がご融資するハウスメーカー4社で建てられるお家の8〜9割以上は長期優良住宅です。他の金融機関さんが利益率などの点で取り扱いが難しい商品も含め、お客様の高いニーズと幅広い商品性を持つ住宅ローンの提供を通じ、良質な住宅を全国に供給しています」

■日本で初めて住宅ローン契約の手続きをデジタル化

3つ目の特色は住宅ローン契約の電子化をはじめとするDX化の推進だ。住宅の購入を検討する世代は主に20代・30代と、スマホなどの扱いに慣れている世代でもあり、さらなる利便性の向上のため、同社では積極的にDX化の取り組みが現在も進められているという。

「住宅ローンは借り入れ金額が大きいため、長年たくさんの契約書に署名・捺印することが業界の常識でした。我々は2016年、さまざまな法律なども整備しながら、日本で初めて住宅ローン契約の電子化に成功した会社です。今では他の金融機関さんも追随し、ほとんどの金融機関さんで住宅ローンの契約電子化が導入されています」

2020年1月には一部残されていた紙での申し込み手続きも完全に電子化。現在は申し込みから融資まで、アプリ上で完結する仕組みが構築されている。同社が業界に先駆けてDX化を実現してきた背景には、銀行などとの事業モデルの違いがあるという。

「営業力ではそれぞれの営業エリアに支店を設けている大手銀行さんなどに敵いませんが、我々は商品サービスの質で勝負をしてきました。東京から全国のお客様へサービスを提供しているため、そもそもITのシステムなしでは成り立たないビジネスモデルであることもDX推進に力を入れてきた背景のひとつです」

北海道から沖縄まで全国の顧客に融資を行う同社だが、従業員数は181名と比較的少なく、新宿にある本社の1拠点のみのため転勤がない。そうした点も全国展開している金融機関の中では比較的珍しい、特徴的な魅力としてアピールされた。

また、初任給は30万円。同社では例年10名程度を新卒採用しており、その全員が総合職での入社となる。

「しっかりと生活を安定させていただきたいという思いから初任給を引き上げさせていただいております。逆にブラックな働き方を疑われる向きもあるかもしれませんが、見なし残業といった仕組みは全くありません。基本的にはPC業務で、人事担当者が常にPCの起動時間を把握しているため、残業代は確実に支払われます」

日本住宅ローンは選考直結型の会社説明会を3月に複数日程で開催。若手社員との交流イベントなども実施する予定だという。