今回は、「ギリギリ」の言い換え表現を紹介します。ビジネスシーンやメールで「ギリギリ」という表現は少しフランクな印象を受けるので、「もっとフォーマルな表現に言い換えたい」と悩むこともあるのではないでしょうか。
ぜひ、本記事で紹介する言い換え表現を参考にしてくださいね。
「ギリギリ」の意味とは?
「ギリギリ」は、「限度いっぱいでそれ以上の余地がないこと、また、その様子」という意味で使用されます。つまり、「余裕がない」という意味で、漢字では「限り限り」と書きます。
「ギリギリ会議に間に合った」というように時間や期限間際を表す際に使われるほか、「予算内ギリギリに収まった」「ストレスでギリギリの状態だ」など、さまざまなシーンでつかわれます。
単に限界をあらわすだけではなく、状況の切迫感を伝えるときにも効果的な言葉です。
ビジネスシーンでの「ギリギリ」の言い換え表現
それでは、ビジネスシーンでつかえる「ギリギリ」の言い換え表現を例文を交えながら紹介します。
「直前」
「打ち合わせ直前に到着した」
「納期直前で仕様変更がありましたが、なんとか対応できました」
「直前」には「ある時になるすぐ前」「物事が起こったり行われたりするすぐ前」「目の前」という意味があります。時間や期限が迫っているときにつかえる言葉です。
「間際」
「出発間際に電話がかかってきたため、予定の時間に間に合いませんでした」
「プレゼン資料の作成に手間取り、締め切り間際に完成した」
「間際」は、「ある出来事が起こる直前」や「物事がまさに行われようとするとき」をあらわす言葉です。丁寧な表現なので、ビジネスシーンでもよく用いられます。
「寸前」
「商談が決裂寸前だったが、なんとか合意にこぎつけました」
「方針決定の寸前で状況が変わり、内容変更を余儀なくされた」
「寸前」は、「ほんのちょっと前」「なにかが起こる直前」を意味する言葉です。
「間一髪」
「メールの誤送信に気がつき、間一髪で訂正できた」
「電車が遅延していたが、間一髪で間に合った」
「事態が非常に差し迫っていること」「その寸前のところ」を意味する「間一髪」。「髪の毛一本の幅ほどのわずかな隙間」というたとえを使った表現です。
「紙一重」
「両者の実力は紙一重の差だ」
「トラブルに発展しそうでしたが、紙一重で回避できました」
文字どおり、紙一枚ほどの少しの差という意味です。
「正念場」
「長引いた交渉も正念場を迎えている。気を抜かずに最後まで進めよう」
「昇進できるかどうかはここが正念場だ。全力を尽くそう」
「正念場」は、「重要な局面」「結果を左右する大事な場面」を意味します。「失敗が許されないギリギリの局面」という意味合いでも使われます。
「滑り込み」
「報告書の提出期限に滑り込みで間に合った」
「滑り込みで新規顧客を獲得でき、ノルマを達成した」
時間や期限など、ギリギリのタイミングで成功を収めたときに使いたい表現です。「ギリギリ」よりも丁寧に、「かろうじて」よりはカジュアルな印象に。
「瀬戸際」
「経営の悪化により、会社の存続が瀬戸際に立たされている」
「このプロジェクトは成功するか失敗するかの瀬戸際にある」
時間や期限、状況が切羽詰まっているときに使用されます。勝敗・成否などの分かれ目を表すときに適した言葉です。
「かろうじて」
「かろうじて予算内に収まったが、今後はコスト削減を検討したほうがよいだろう」
「一瞬心が揺れたが、かろうじて踏みとどまった」
「かろうじて」は、「やっとのことで」「なんとか」という意味があります。日本語らしく丁寧な言い回しなので、ビジネスシーンで重宝します。
「後がない」
「今回のプレゼンが通らなければもう後がない」
「この結果次第で昇進が決まる。後がないつもりでしっかり準備しよう」
「後がない」には「もうこれ以上は後ろに下がることはできない」「これ以上は負けられない」という意味があります。
「土壇場」
「契約締結の土壇場で交渉が決裂した」
「提出期限の土壇場になって資料を作成する」
「土壇場」は「瀬戸際」とよく似た言葉で、「物事が決定しようとする最後の瞬間・場面」を意味します。重要な決断を迫られるとき、追い詰められたときにつかうとよいでしょう。
「限界」
「残業が続いていて、体力的にも精神的にも限界を感じている」
「これ以上の値下げは、当社としても限界です」
もうこれ以上はない、まさに「ギリギリ」の状態をあらわす言葉であり、余裕がない状況をダイレクトに伝えることができます。ネガティブな印象がありますが「限界に挑戦します」といったポジティブな表現でもつかえます。
「ギリギリ」を上手に言い換えてビジネスシーンを円滑に!
ビジネスシーンでつかえる「ギリギリ」を丁寧にした言い換え表現を紹介しました。その場面に適した表現を使いこなしましょう。