女優の松本若菜が、4月スタートのフジテレビ系ドラマ『Dr.アシュラ』(毎週水曜22:00~)に主演することが25日、発表された。

  • 松本若菜(左)と原作書影

このドラマは、命と最前線で向き合う救急科を舞台に、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスゴ腕のスーパー救命医の活躍を描くもの。原作は2015年から16年にかけて『週刊漫画ゴラク』にて連載されたこしのりょう氏による同名コミック(日本文芸社/全3巻)だ。

松本が演じるのは、帝釈総合病院救命科に属する39歳の救命医・杏野朱羅。運び込まれる急患は一切区別せず、お金がなくても、ヤクザであろうと「絶対に助ける」という強い信念を持つ。病院の都合を勘案したり上司に忖度したりするつもりも一切なく、ただ目の前の患者を救うことだけに心血を注ぐ。

生死に関わる修羅場であればあるほど本領を発揮し、時には重症患者2人を同時にオペする神業も披露。その立ち振る舞いから、三面六臂(さんめんろっぴ)の鬼神・阿修羅になぞらえ“アシュラ先生”と院内では呼ばれている。また、ホットラインを事前に予知する特殊能力をもち、朱羅が「来る」とつぶやくと必ずホットラインが鳴り、急患が運び込まれてくる。

そんな朱羅だが、決して生まれながらの天才ではなく、血のにじむような努力と研さんを重ねて今に至る。「修羅場に“もう一度”なんかない。もしも誤ればそこにあるのは“死”」であることは朱羅が一番よく理解しており、極限のプレッシャーの中、命の最前線に立ち続ける。それだけやり続けてこられたのは、ある人物との約束が関係しているようで…。ちなみに救命のスキルは抜群だが、それ以外はまるでダメで日常生活はズボラそのものだ。

ちなみに、きょう25日は松本の誕生日。どんな1年にしたいか問うと、「とにかく健康!」と高らかに発して笑顔を見せていた。

松本は、これでフジテレビの連ドラに7年連続出演、また、『わたしの宝物』から2年連続かつ2作連続で主演を務める。

監督は、『ミステリと言う勿れ』シリーズ(22年ほか)、『鍵のかかった部屋』シリーズ(12年ほか)などを手がけた松山博昭氏。脚本は「第34回フジテレビヤングシナリオ大賞」受賞者で、看護師として従事した経歴を持つ市東さやか氏。プロデューサーは『嘘解きレトリック』(24年)、『366日』(同)、『知ってるワイフ』(21年)などの狩野雄太氏が務める。

コメントは、以下の通り。

■こしのりょう氏(原作)

「正直なところ…『Dr.アシュラ』は映像化できないのではないかと思ってました。
連載開始から10年くらい経ってます。
今までもいくつか映像化のお話はいただきましたが、すべて立ち消えていました。
なので、今回もお話をいただきましたが
“企画で終わるかな…”と思っていたところでスマホが鳴りました。

(編集者さん「松本若菜さんが主演でやっていただけるそうですよ」)

え!!!!!!マジ!!!!!
すげー!すげー!!嬉(うれ)しい!!!ピッタリすぎない?
こんな大変な役を受けていただいたの!?ありがた過ぎない!!!
絶対、絶対、何があっても今回は実現させましょう!!何でもします!!

仕事場で飛び上がってました。

『Dr.アシュラ』は単行本3巻しかない、いわゆる未完成な漫画。
1クールのドラマではオリジナルの部分も作らないといけません。
プロット、シナリオミーティングにも参加させていただきながら
改めて『Dr.アシュラ』という作品を見直すという良い経験をさせていただいています。

現実…理不尽は突然襲ってきます。
自分は悪くないのに、病気、事故、事件、災害…
自分のせいではないのに、自分は悪くないのに
いきなり絶望の淵にたたき落とされ、人生を奪いに来ます。

けど、そこでは終わらせない。
命を、思いを、夢を、願いをつなぐ。
医者は神ではありませんが、それでも神に近づこうと足掻(あが)いている。
そんな泥臭く、美しい<救命救急医>。

松本若菜さんにより、完成された杏野朱羅が観(み)れる!!
より楽しい『Dr.アシュラ』が観(み)れる!!
放送開始を一番楽しみにしてるのは私かもしれません」

■松本若菜

――本作への出演が決まったときの思いをお聞かせください

「主人公の朱羅は、命を救うための修羅場に執着し、そこに異常なまでの執念を持つ救命医と知り、彼女の強い信念に身が引き締まる思いだったのを覚えています。緊迫した医療現場のシーンが多く、しっかり準備して自分なりの朱羅を作り上げていきたいと思いました」

――台本をお読みになった感想

「やはり医療シーンがメインとなりますが、テンポがよく、キャラクターの感情に奥行きを感じる内容でした。朱羅の葛藤がしっかりと描かれていて、他のキャラクターもまた一癖も二癖もあり、読んでいてどんどん引き込まれました。原作ファンの方にも初めて触れる方にも楽しんでいただける作品になると感じています」

――演じる朱羅の印象は?どのように作り上げていきたいですか?

「朱羅の行動には、狂気じみた一面や言動があり“救命医”の枠に収まらない印象があります。誰に忖度(そんたく)するでもなく、自分の信じる医療を貫こうとする姿がとても魅力的だと感じました。己の腕で周りをねじ伏せる彼女の強さだけでなく、迷いや葛藤も丁寧に表現できたらと思っています」

――まもなく始まる撮影現場や作品に対する意気込みをお聞かせください

「医療というシリアスな題材の中にも、登場人物たちの生きざまや人間関係がしっかりと描かれています。朱羅のような強い思いで、キャスト・スタッフの皆さんと共に、視聴者の皆さまの心に響くような作品を作り上げていきたいです。初めて挑戦することも多いですが、全力で挑みたいと思います」

――視聴者へのメッセージ

「リアルを追求し、医療のあり方を伝える物語…とは少し違います。朱羅の異様なまでの患者への執着は野生的です。その命を救うためなら手段を選ばない朱羅と個性豊かな医師たちの、医療現場の現実に挑む物語をぜひお楽しみください」

■監督:松山博昭氏(フジテレビドラマ制作部)

「修羅場と呼ぶ救命医療の現場で、どんな命も見捨てることなく必死に戦い続ける救命医・杏野朱羅。その姿は、まるで鬼神・阿修羅のように強く、激しく、美しい。これまで何度も松本若菜さんの出演作を演出させていただきましたが、今作では今まで見たことのないヒロイン像を若菜さんと一緒に作り出していきたいと思っています。ご期待ください」

■プロデュース氏:狩野雄太(フジテレビドラマ制作部)

「『Dr.アシュラ』の原作を読んだ時に、過酷な現場でひたむきに命を救い続けていく主人公の振舞いに強烈に惹(ひ)かれました。今回、映像化させて頂くにあたり実際に救命を見学させて頂いたのですが、頻繁に患者さんが運び込まれてきていて、何か間違えてしまえば、亡くなってしまったり、予後に影響が残ってしまったりする、だから絶対に失敗は出来ない。救命の先生は究極のプレッシャーにさらされている中で命を救っていると感じました。また、患者さんが運び込まれてくるまでどんな症状かはよく分からない。そして、救命処置が済んだら院内の他の科に患者さんは移ることになるので、救命医は直接感謝されることは(ほぼ)なく、他の科の専門医からは軽んじられたり、厄介者扱いされたりもする。そして多くの救命は赤字…。そんな問題山積の状況下でも“ただ、命を救いたい”という純粋な気持ちで奮闘している姿はとても尊く、頭が下がりました。また、この物語はドクターヘリや手術が出来るトラックは出てこないですし、夜間でも山の中でもない、何なら医療機器も人材も充分に揃(そろ)っていない2次救急の現場が舞台です。ストレートな設定である分、患者と医師たちの人間ドラマを濃厚に描いていけたらと思っております。
今回、卓越したスキルと熱い志を持つ杏野朱羅をどなたに演じて頂きたいかと考えた時に、真っ先に“松本若菜さんに演じて頂きたい!松本さんが演じる信念があって強い救命医を見てみたい!”と思い、ご出演をお願いさせて頂きました。ご承諾頂きスタッフ一同とてもうれしく、ワクワクしています!阿修羅のように作品ごとにさまざまな顔を見せて下さる俳優さんなので、今回もまた新しい顏を披露して頂けると思います。そして、原作者のこしのりょう先生がとても優しく、さまざまな相談に乗ってくださり深く感謝しております。脚本の市東さやかさん、松山博昭監督をはじめスタッフ一同で見応えがある熱い救命ドラマをお届け出来ればと思っております。ぜひ、ご期待ください」

【編集部MEMO】
「2025年 エランドール賞」の新人賞に選出された松本若菜。この授賞式でお祝いゲストとして登壇した『わたしの宝物』で共演した田中圭はは「(2クール連続主演で)一番疲れてるはずなのに、撮影の時は“行っくよー!”、“やっるよー!”って声をかけて率先して前に出ていたんです」と、松本の“座長”ぶりを紹介していた。

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(C)こしのりょう/日本文芸社