2026年卒業予定の就活生(大学3年、大学院1年)の1月の就活準備状況に関する調査結果が発表されました。

インターンシップ参加率が高止まりする中、1月は就活準備が学業の負担になっていると感じる学生が7割に達している状況や、エントリーシートや面接でAI(人工知能)の活用が進むことに対して就活生がどう感じているか、また、タイパを重視して無駄なく就活準備を進めたいと考えている学生が増えていることなどがわかってきました。

1月は7割を超える就活生が就活と学業の両立に悩み

2026年卒の就活生にとっては、就活本番まで残すところ2ケ月となりました。

しかし、1月は多くの大学で定期試験が実施されることもあってか、この時期にインターンシップに参加するなどの就活準備に取り組むことは、学業や試験対策の大きな負担になっているようです。

「1月の状況として、就職活動の準備と学業・定期試験の両立で悩んだり苦労したりすることはあるか」との問いに、73.2%の学生が「はい」と回答しています。

  • マイナビ 2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)より

また、就活準備と学業の両立に関する問いに、21.7%が「テスト勉強や学業を優先したいので、そうしている」と回答。「テスト勉強や学業を優先したいが、就活準備に忙しい」(25.9%)と合わせて47.6%が「学業を優先したい」としています。

一方、13.4%が「就活準備を優先したいので、そうしている」と回答し、「就活準備を優先したいが、テスト勉強や学業に忙しい」(27.9%)と合わせて41.3%が「就職活動準備を優先したい」としています。

どちらを優先したいと考えているかは別として、結果として学業を優先していると考えられる学生は、「テスト勉強や学業を優先したいので、そうしている」(21.7%)と「就活準備を優先したいが、テスト勉強や学業に忙しい」(27.9%)の合計で49.6%。

一方で、結果として就活準備を優先している学生は、「テスト勉強や学業を優先したいが、就活準備に忙しい」(25.9%)と「就活準備を優先したいので、そうしている」(13.4%)の合計で39.3%。

定期試験が実施される1月に関しては、テスト勉強や学業を優先する学生が、就活準備を優先する学生を10.3ポイント上回っていることがわかりました。

  • マイナビ 2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)より

AIによる選考には約半数が疑問を感じると回答

エントリーシートの選考や面接にかける人員や時間の削減、人為的な評価を排除することによる公正な選考の実現などを目的として、採用選考のプロセスでAIの活用が進んでいます。

しかし、評価される側の学生はあまり良い印象を持っていないようです。

「選考にAIを導入することに対して、どのような印象を持つか」という問いに、エントリーシートに関しては、50.1%が「AIの評価基準が不透明で、すべてを正確に評価できるわけではないと感じる」と回答。

面接に関しては、48.3%が「AIがどのように回答内容を評価しているのかについて、疑問を持つ」と回答しています。

「選考にかかる時間が短縮されるため、採用担当の負担が減ると思う(ES)」(44.5%)や、「AI面接により、ある程度自由な日時で面接を受けることができれば便利だと思う(面接)」(34.8%)など、AI活用に対するプラスの評価や期待する意見も見受けられますが、約4割の学生は、ESでも面接でも「最終的な判断には人間の関与が必要だと感じる」と考えているようです。

  • マイナビ 2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)より

就活でタイパを重視する学生が増加傾向

企業側がAIの活用などで選考プロセスの効率化を進める一方で、学生側も就活ではタイパを重視する傾向が強まっているようです。

「タイパを意識したインターンシップ参加・就活準備・就職活動について、どのように考えているか」との問いに、50.7%が「メリットとデメリットが半分半分だと思う」と回答。

44.1%が「メリットの方が多いと思う」と答えています。尚、「メリットの方が多いと思う」という意見に関しては、2025年卒より6.1ポイント増加しており、無駄なく効率的に就活を進めたいと考える学生が増加傾向であることが伺えます。

  • マイナビ 2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)より

今回は、「マイナビ 2026年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(1月)」を基に、1月時点の就活の負担感、採用選考プロセスでのAI活用に対する意見、就活の進め方に対する考え方などを確認しました。

就活本番が目前に迫っているとはいえ、定期試験対策や学業もおろそかにできない状況がうかがえる調査結果となりました。