職場や学校、家庭や親戚、友達に恋愛、ご近所づきあいなどなど、いろんな場やコミュニティで過ごしていると、ときにはなんだか“モヤモヤ”したり、ちょっと悩んでしまったり、「誰かに話を聞いてほしい……」なんて思うこと、ありますよね。
そんな迷える私たちの悩みをほがらかに受け止めつつ、「そんな考え方があったんだ!」という絶妙なコメントで、気づきや隠れた本音を言語化し、背中をポンっと押してくれているのが、佐伯ポインティさん。YouTubeやポッドキャストを中心に活躍し、SNS総フォロワー数180万超のマルチタレントです。
2024年末には絶好調のポッドキャスト番組『佐伯ポインティの生き放題ラジオ』を書籍化したお悩み相談本『おいでよ ポインティの相談天国』(祥伝社)も刊行、普段あまり読書をしない人でもスラスラと楽しく読めて元気になる一冊です。そんなポインティさんに、“モヤモヤ”との付き合い方や、リスナーからの多種多様なお悩みにほがらかに答えるコツをお聞きしました。
■Spotifyの日本デイリーチャートで1位になった『佐伯ポインティの生き放題ラジオ』
いまや大人気の『佐伯ポインティの生き放題ラジオ』は、2024年7月にスタート。毎週火曜金曜18時頃に最新回が配信されていますが、実は「読書は好きだけど、書籍化のために原稿を書くのが大変で(笑)」というポインティさんのひと言から始まった、期間限定コンテンツだったそう。
「そもそもお悩み相談自体は、猥談がテーマのYouTube『佐伯ポインティのwaidanTV』に以前から寄せられてはいたけれど、それ以外のいろんなお悩み相談を受け付けるポッドキャストを始めます、って告知をしたら、あっという間に500~600件くらい集まって(笑)。書籍の編集者さんと一緒に、普遍性があるけれどちょっとユニークなエピソードで、自分も同じように悩んだことあるなぁ、って思ってもらえるようなお悩みを選んでいったんです。
5回くらいで終わる想定だったんだけど、配信がスタートしたらしたで、お悩みがどんどん届くし、チャートの上位に入って、“1位米津玄師、2位ポインティ……え!?”ってなって、どんどん楽しくなってきちゃって(笑)。これは続けていきたい! って」
「週2回ぐらいで会おうよ! の気持ちで配信している」というこの番組、1回あたりの長さはだいたい40~50分ほど。雑音をカットする以外はほぼノー編集で、配信するその日に収録したばかり、ということもあるそう。ひとりで笑いながら喋り続けるポインティさんの声を聴いていると、つられて思わず笑ってしまうし、気分がどんどん明るく楽しくなっていくのが魅力です。
「なんかほんと、友達との深夜の長電話みたいな感じで(笑)。深夜、飲み会が終わって帰ってきてから収録することもあるんですけど、楽しいですね。
あと、最近友達と話していたときに言われたんですけど、自分の役割っていわば、“社会で疲れた人を寝かしつけている”みたいなことなのかも。スタートから半年で50本以上配信してきて、“ちょっと夜更かししてチルしよう”ではなくて、“疲れているでしょ、もう寝ようね”みたいに、健康に眠って休めるようにしている感じ? 抽象的ですけど(笑)」
■多種多様なお悩み相談に ほがらかに答えていけるコツは? マイナビニュース編集部員も相談してみたら…
今やたくさんのフォロワーがいるポインティさん。寄せられる多種多様なお悩みに、常に軽やかに答えていますが、「それぞれに実際に起きていること、直面していることだから、“それはないよ”みたいな否定はしないし、受け止めて、この状況だったらそうだよね、その上でどうしようか、みたいに考える」そう。そんな心持ちが悩める私たちへの大きな安心感となり、人気を集めている理由かもしれません。
「たぶん自分でも気づかないうちに、いろんなお悩みに対する理解力がものすごく高くなっているんだろうな、と思っています。それに気づいたのは、自分って世の中では、どちらかというとマイノリティ側の人間なんだろうなぁ、って自覚したのがきっかけ。そうか、自分って明るすぎるな、こんなにポジティブなのって逆に変か、みたいな(笑)。
以前、YouTubeでも話したことがありますが、新卒で会社員をしていた頃は、本当に仕事ができない人間で。でも、世の中には“仕事ができる人とは?”の話やそこを目指すために、みたいな話はたくさんあるのに、“仕事ができない人はなぜできないのか?”の話はしないですよね。そういう、あまり関心を向けられていないマイノリティなこと、“ないことになっている”みたいなことへの興味があったので、理解力が高まったのかも。あと、読解力も結構高めなのかなぁ、国語も読書も好きだし」
ここで、読者代表として、マイナビニュース編集部員からポインティさんにお悩み相談が……。部下や後輩など、世代の異なる人に対して、ハラスメントにならない絶妙な距離感で、仕事の話やアドバイスをするコツ、教えてください!
「例えば同じ職場で同じような仕事をしていると、ついつい“自分の時はこうだった”とか、良かれと思って話してしまいがち。だけど、今って世の中の価値観が変化するスピードがものすごく早くて、年齢が5つ違うだけで、自分と祖父母くらい考え方も気持ちも全く違うはず。とはいえ、自分の考え方をアップデートしなきゃ! って思うと、OSのバージョンを変えないといけないみたいで大変そうですよね。
すごーくシンプルだけど、やっぱり……ちゃんと周りを見る・相手の話をよく聞く。に尽きるのでは。いっそ “異世界から来た人”とか、未来人だと思った方がいい。で、自分はタイムスリップしてきたと思って話すくらいがちょうど良いかもしれない(笑)」
■「いいね」だけじゃなくていい。「好き」も「嫌い」も、パートナーや友達とどんどん話そう
インタビュー中も、YouTubeやポッドキャストそのまま、終始ほがらかに笑って話し続けるポインティさん。どうしてそんなにいつも元気なの?と、思わずお聞きしてしまったほど。
「人に会うと元気になるんですよね。はじめましての人も、友達も、会って話していると元気になるんです。あと、読書も“著者の魂に触れている”みたいな感覚があって、風邪をひいたりして休んでいるときに読書するのも楽しい。なんか、常に誰かから元気をもらってるかも。
お悩み相談そのものの効能として実感したんですけど、番組に相談を書いて送ってくれたことで、実は解決していることが結構あるんですよね。読んでいて、『あれ? 終わった? 相談は?』みたいな(笑)。それってたぶん、自分が感じていたモヤモヤや、“なんで悩んでるんだろう”みたいなものを言語化したから。どんどんアウトプットした方がいいんでしょうね」
「あと、自分は何が嫌いか、何が嫌だったか をアウトプットすることも大切だなって最近すごく思います。信頼できるパートナーや友達に話す、とか。SNSって『いいね』しかないから、たぶん現代人って無意識に『いいね』的な、ポジティブなものを尊重しているけれど、嫌いなものもやっぱり同じぐらい大事だし、意思表示していいと思う。オープンな場で個人攻撃するようなことはもちろん良くないけれど、信頼できる人と顔を合わせて、嫌いなもののことやグチを言うって、よっぽど健康的では。
それに、嫌いなものが一緒って、気が合う証拠だし。僕も、話が合う友達と会ったときは、『なんかほんと、これつまんなかった!』みたいな話、しますよ(笑)」
『ポインティの相談天国』を読んでいると、“モヤモヤ”した気持ちやお悩みって、いつでも誰にでもあるのだなということがよくわかり、悩んでいるのは自分だけじゃない、ときっと元気づけられるはず。なお3月には、前回即日完売したリアルイベント「佐伯ポインティの相談天国」が、4月にはwaidanTVのイベント「猥談の園」が開催予定とのことで、こちらもお楽しみに!