国内のみならず海外からも注目度が高まっているモータースポーツ「スーパーフォーミュラ」(SF:SUPER FORMULA)。今シーズンの開幕戦が目前に迫る中、日本レースプロモーションがプレカンファレンスを開催しました。スーパーフォーミュラは今後、どのように進化していくのか。同社社長に聞きました。

  • スーパーフォーミュラの今後は?

スーパーフォーミュラの正式名称は「全日本スーパーフォーミュラ選手権」。日本国内のトップフォーミュラシリーズです。最大の特徴はイコールコンディションである点。車体とタイヤは参加する全チーム共通で、エンジンもホンダ製またはトヨタ自動車製のいずれかですが、性能差はほとんどありません。ドライバーの腕と戦略が勝敗を左右する「世界最高峰のヒューマンモータースポーツ」を掲げています。

F1との関係は?

今回はスーパーフォーミュラを開催する日本レースプロモーションの代表取締役社長・上野禎久さんにお話を伺いました。

――F1とスーパーフォーミュラのこれからの関係性についてお伺いします。F1の直下にはF2という、いわばF1への登竜門となるカテゴリーがあります。スーパーフォーミュラは今後、F2に並ぶような“F1への登竜門”としてシリーズを発展させていくのでしょうか? それとも、F2よりもさらに車両が速いという特長をいかし、あくまでワンメイクを軸とした独立したシリーズを目指されるのでしょうか?

上野さん:私たちは「このカテゴリー(スーパーフォーミュラ)で勝てるドライバーは、世界のどこへ行っても通用する』という思いを持っています。これはF1だけでなく、WEC(世界耐久選手権)やインディカーなどにも当てはまります。実際、スーパーフォーミュラで経験を積んで勝ったドライバーが今、インディやWECでも大活躍していますよね。ですので、必ずしも“F1だけ”を見据えたカテゴリーというわけではありません。

とはいえ、F1はやはり世界トップのレースですから、SFで勝ったドライバーがF1へステップアップしてくれるのは、私たちにとっても非常に嬉しいことです。そういう意味では、F1を常に意識しながらシリーズを運営しています。

  • 日本レースプロモーションの上野社長

――SFでのカーボンニュートラルに対する取り組みはどのような状況でしょうか? F1やインディーのようにハイブリッドを導入する予定はありますか?

上野さん:スーパーフォーミュラでは現在、タイヤに再生ゴムを用いるなどしてカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを強化しています。一方で、F1やインディカーではハイブリッド技術の導入など電動化が進んでいますが、スーパーフォーミュラ側は現時点で電動化技術を採用する予定はありません。SFの車両が持つ魅力である「軽量車体をいかした高い運動性能」を最大限にいかし、フォーミュラカーらしさを守ることを重視しているためです。ただし、将来的には社会の要請に応じ、電動化技術を導入する可能性は否定しません。状況を見極めながら検討する方針です。

  • 日本レースプロモーションが2月10日に開催した「2025 SUPER FORMULAプレスカンファレンス」の様子。左から上野社長、ドライバーのオリバー・ラスムッセン選手(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、坪井翔選手(2024年ドライバーズチャンピオン、VANTELIN TEAM TOM'S)、イゴール・オオムラ・フラガ選手(PONOS NAKAJIMA RACING)、高星明誠選手(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)、日本レースプロモーション取締役会長の近藤真彦さん

配信フォーマットが増加!

昨季のスーパーフォーミュラは「SFgo」「ABEMA」「JSPORTS」で配信されましたが、今期からは「DAZN」「FOD」でも配信が決定しました。F1をDAZNで見ている方は、この機会にスーパーフォーミュラを見てみてはいかがでしょうか。またSFはSNSでの発信を強化しており、公式YouTubeではレースのハイライト動画を見ることができます。日本トップカテゴリのレースが今後どのような進化を遂げるのか、注目です!

文:森藤幸士

編集:マイナビニュース ワーク&ライフ編集部