マイナビが先ごろ、就職活動を終えた子どもを持つ保護者1,000人を対象に実施した「就職活動に対する保護者の意識調査」の結果を発表しました。
この調査では、話題の就活用語に関する保護者の理解度をはじめ、保護者が子どもに入社してもらいたいと思っている企業の特徴、希望の就職先、子どもの内定先企業から保護者に対してどのような連絡があったのかが明らかになっています。
2割の保護者が「お祈り」「オワハラ」を知っていると回答
まず、今どきの就職活動に対する保護者の理解度をはかるために、話題の就活用語に関する認知度を聞きました。
保護者が知っている就活用語の中で、最も多かったのは「お祈り」(22.1%)で、「勤務地ガチャ・配属ガチャ」(21.5%)、「オワハラ」(20.7%)が続きます。また、今年の調査から、近年の就職活動の傾向を反映した言葉として「早期選考」が追加されましたが、保護者の19.8%が「知っている」と回答しています。
※お祈り:企業からの不採用通知のこと
※勤務地ガチャ・配属ガチャ:勤務地や配属先が本人の希望に関係なくランダムに決められること
※オワハラ:就職活動中の学生に対し、他の企業の選考を受けないよう圧力をかけること
現在の就職活動の正式なスケジュールは、大学3年の3月に企業の広報活動が開始され、4年生の6月に選考活動がスタートすることとなっているものの、実態としては大学3年の3月以前に内々定を出す企業もあります。
こういった状況を踏まえ、子どもが就職活動に出遅れていないか、あるいは就職活動が学業の負担になっていないか心配する保護者が少なくないようです。
子どもに働いてほしい就職先ベスト3は、公務員、トヨタ自動車、NTT
子どもに入社してほしい企業の特徴としては、「経営が安定している」(54.1%)がトップで、「本人の希望や意志に沿っている」(20.6%)や「社風や雰囲気が良い」(16.5%)、「福利厚生が充実している」(16.4%)などが上位となっています。
また、「給与や賞与が高い」(14.4%)が前年より2.3ポイント増加しており、就職先の待遇の良さを求める保護者が増えているようです。
次に、子どもに働いてほしい企業を聞くと、1位が「公務員」で、2位は「トヨタ自動車」、3位「NTT(日本電信電話)」、4位「伊藤忠商事」となっています。
一方で、2025年卒業予定の就活生に聞いた調査では、文系では「ニトリ」「みずほフィナンシャルグループ」「伊藤忠商事」「三菱UFJ銀行」が上位に入っており、理系では、「ソニーブループ」「味の素」「KDDI」「Sky」が上位に入っています。
トップ10を見比べてみると、保護者の調査結果と就活生の調査結果に共通して登場する企業は、「トヨタ自動車」「伊藤忠商事」「ソニー」「パナソニック」「味の素」だけで、人気企業に対するイメージは親子間で大きな違いがあることがわかります。
保護者の45.2%がオヤカクを経験。案内を受けた約4割が内定式に参加
近年の就活では、複数企業から内々定をもらい、入社企業の選択に迷う学生が少なくありません。
また、学生が決めた入社予定先に対して親が反対するケースもあるようで、そういった事態への対策として、保護者向けの情報提供に注力する企業が増加しつつあります。
この調査では、内定先の企業から保護者向けにどのような連絡があったのかを確認しています。
最も多かったのが「内定確認の連絡」いわゆる「オヤカク」で45.2%。次いで「内定式・入社式への招待」(17.6%)となりました。
また、「内定式・入社式への招待」を受けて、内定式に「実際に参加した」という保護者が39.2%、入社式に「参加予定」という保護者が41.9%もいることがわかりました。
子どもの成長を見届けるために、親が大学の入学式や卒業式に参加するのは特別なことではないようですが、最近では就職先企業の入社式に参加する保護者も決して少なくないようです。
今回は、「マイナビ 2024年度 就職活動に対する保護者の意識調査」を基に、就職活動を終えた学生の保護者が、子どもの就職活動についてどのような意識を持っているかを確認しました。
これから本格的に就職活動を進めるお子さんのサポート時の参考になれば幸いです。