AI特化型ベンチャーキャピタル(VC)であるディープコアは「AIエージェントについての調査」の結果を2月7日に発表。同調査は、2025年1月24日に20~50代のビジネスパーソン600名を対象にWebで実施した。
生成AIの利用状況について、全体の12.7%が「業務で利用している」と回答し、「プライベートで利用している」は13.2%となった。
企業規模別では、大企業に所属する人の利用率は45.9%にのぼった。次いで、スタートアップ企業の20.4%、中小企業は15.6%となっている。
また、年代別では40代が最も高い35.4%となった。一方で、50代の利用率が低いことが明らかになった。
生成AIを業務で利用していると回答した155名に、どのような業務で利用しているかを聞いたところ、「文章の作成、推敲」が60.0%で最も多く、「情報収集」が53.6%、「データ分析」が45.8%と続いた。
また、システムエンジニア(37名)の37.8%が「プログラミングやコード作成」、マーケティング(26名)の84.6%と人事(22名)の86.4%が「データ分析」に活用していると回答し、職種によって活用方法に特徴があることがわかった。
生成AIを業務で利用していると回答した人に、生成AIを業務で活用する際に感じる課題について質問。「出力結果の正確性(ハルシネーション)」が45.8%で最多となった。
AIエージェントを知っているかについて、「知っている」人は約25.4%と約4人に1人。一方、約半数が「全く知らない」(49.0%)と回答し、認知や理解が進んでいないことが明らかに。
企業規模別にみると、大企業に所属している人のAIエージェント利用率は20.4%と、5人に1人がAIエージェントをすでに活用していることがわかった。
AIエージェントの活用意欲について聞いたところ、約半数が「活用意欲がある」と回答。企業規模別にみると、大企業に所属している人の7割近くが活用意欲を示す結果となった。次いで、スタートアップ企業(10.2%)、中小企業(9.4%)となっている。
AIエージェントがどのような業務に役立つと思うか聞いたところ、「ルーティン業務の自動化」が36.5%で最も多く、「レポート・文書の自動作成」が28.5%、「高度・複雑なデータ分析」が23.8%と続いた。
一方、「新規事業やプロジェクトのアイデア創出」や「開発業務の自動化」といった創造的・専門的な業務は比較的低い割合にとどまった。この結果から、現時点では定型業務やデータ処理の分野での活用が期待されていることがわかる。
AIエージェントの活用を進める上での障壁について質問。「社員のスキル不足」が32.5%で最も多く、「コストが高い」が31.8%、「セキュリティやプライバシーへの懸念」が26.8%と続き、導入に際しての技術的・コスト的な課題が浮き彫りになった。
AIエージェントの活用意欲がある304名に期待効果について聞いたところ「業務効率化」が59.9%と最も多く、次いで「コスト削減」(44.7%)、「従業員満足度の向上」(35.9%)が挙げられた。
企業においては、AIエージェントの導入が、業務の最適化や人件費の削減だけでなく、従業員の負担軽減や働き方の質の向上にもつながると期待されていることがわかる。
AIエージェントはビジネスシーンに普及すると思うかについて、6割が「普及する」と回答した。
AIエージェントが普及すると、業務のあり方にどのような変化が起こると思うかについて、「業務効率化が進む」が39.2%で最も多く、「不要な業務が削減される」が33.0%、「新しい業務や役割が生まれる」が23.5%と続いた。