ロート製薬は2月5日、「小中学生の花粉症実感に関する全国調査」の結果を発表した。調査は2024年12月13日~12月20日、小中学生のこどもを持つ親14,231人を対象にインターネットで行われた。

小中学生の花粉症実感率

小中学生のこどもを持つ親に対してこどもの花粉症実感について質問したところ、「花粉症と診断された」または「花粉症だと思う」と回答したのは全国で48%にのぼり、小中学生のおよそ2人に1人が花粉症を実感していることがわかった。都道府県別に見ると、花粉症実感率1位の山梨県では、67.6%と小中学生のおよそ3人に2人が花粉症を実感しているようだ。続く群馬県、静岡県、岐阜県、東京都、三重県でも小中学生の花粉症実感率は60%を超えており、多くの小中学生が花粉症の症状を感じていることが判明した。

  • 小中学生の花粉症実感率

小中学生の「花粉症辛さ指数」

今回、花粉症の辛さをロート製薬独自に、10項目・各10段階の指標でポイント化し、「花粉症辛さ指数」を算出した。算出方法として、以下の10項目について「まったく辛くない」または「まったく影響がない」を0ポイント、「最も辛い」または「最も影響がある」を10ポイント、として、0から10までの段階で回答を聴取、それを足し上げたポイント(最大100ポイント)を「花粉症辛さ指数」とした。

調査対象となる項目は、「花粉症の症状」と「生活への影響」に分けられる。前者は、目のかゆみ、鼻水・鼻詰まり、くしゃみ、喉や皮膚のかゆみ、倦怠感。後者には、睡眠、勉強、外出や遊び、運動、気分やストレスの5項目が含まれる。

  • 「花粉症辛さ指数」算出の0-10段階

その結果、小中学生の花粉症の「辛さ指数」は全国平均で44.1ポイントだった。都道府県別に見ると、1位は岐阜県、2位は山梨県、3位は埼玉県だった。大きな傾向としては、花粉症実感率が高い都道府県ほど「花粉症辛さ指数」も高い結果となった。一部の例外はあるが、花粉症実感率が上位の都道府県は、個々の重症度も高い傾向があるようだ。

  • 小中学生の「花粉症辛さ指数」

「花粉症辛さ指数」の内訳を見ると、小中学生にとって最も辛い花粉症の症状は「鼻水・鼻詰まり」だった。また、日常生活への影響が最も大きい項目は「気分やストレス」だった。花粉症が小中学生に与える影響は、身体的な症状だけでなく、精神的な負担をも増幅させている可能性が考えられる。

  • 花粉症辛さ指数の内訳(花粉症の症状)

  • 花粉症辛さ指数の内訳(生活への影響)

小中学生の花粉症対策

花粉症を実感している小中学生に対して、花粉症対策を実施している親は全国平均で70.2%だった。都道府県別に見ると、対策率1位は福島県、2位は千葉県、3位は神奈川県と山梨県だった。対策率が高いにもかかわらず「花粉症辛さ指数」が高い都道府県も多く見られ、花粉症対策が症状の重さに十分に対応しきれていないケースがあることがわかる。

  • 小中学生の花粉症対策率

花粉症対策の内容としては、1位が「マスクの着用」だった。「食生活など生活習慣を改善する」と回答した人も11.8%おり、その内容の中には、和歌山の人が「ジャバラを食べる」、静岡県の人が「べにふうき茶を飲む」といった地域の特産品を摂取する対策方法も見受けられた。

  • 花粉症対策の内容/地域ならではの食生活の改善例

小中学生の花粉症対策開始のタイミング

花粉症を実感している小中学生が、花粉症を発症した平均年齢は6.5歳だった。また花粉症対策を開始する平均年齢は7.0歳であることがわかった。多くの親が子どもの花粉症発症後、比較的早い段階で対策を始めていることがうかがえる。

  • 小学生の花粉症発症年齢

  • 小学生の花粉症対策開始年齢

一方で、花粉症を発症してから対策を始めるまで1年以上かかった場合、こどもの「花粉症辛さ指数」は49.8ポイントと平均より高い傾向にあることがわかった。花粉症の辛さを軽減するには、症状を感じたら放置せずに早めに対策することが鍵なのかもしれない。

  • 発症から1年以上経過してから対策を開始した場合の「花粉症辛さ指数」