早いもので、2024年も12月中旬を過ぎました。年末年始の忙しい時期に突入しましたが、12月といえば冬のボーナスを受け取った人も多いでしょう。去る12月10日には、公務員にも冬ボーナスが支給されました。 今年の公務員の冬ボーナスは、いくら支給されたのでしょうか。国家公務員・地方公務員の冬ボーナスの金額や、国家公務員の冬ボーナス支給額の推移などをご紹介します。
■2024年冬のボーナス、公務員の平均支給額は
10日、国家公務員に冬のボーナス(期末・勤勉手当)が支給されました。管理職を除く行政職職員(平均年齢33.1歳)の平均支給額は、65万2,800円でした。2023年冬ボーナスは67万4,300円でしたので、昨年と比べて2万1,500円(3.2%)減という結果です。
ただし、今回の冬ボーナスは法改正が間に合わず、給与法改正案成立後に追加分が支給されます。支給額は7万円ほど増えるため、実際には昨年比で4万7,700円(7.1%)多い72万2,000円が支給される見込みです。これにより、冬ボーナスの増額は3年連続となります。
国家公務員の給与やボーナスは、内閣官房内閣人事局が「人事院勧告」として方針を示し、それをもとに法律として定められます。しかし、10月に行われた衆議院議員選挙の影響で、ボーナス引き上げを求めた人事院勧告に基づく給与法改正案の成立が基準日に間に合いませんでした。政府は、今臨時国会での改正案成立を目指しています。
では、地方公務員も含めた冬ボーナスはどのくらいになるのでしょうか。みずほリサーチ&テクノロジーズが発表した「2024年冬季ボーナス予測」によると、公務員(国+地方)の一人当たりボーナス支給額は、前年比2.5%増の77万5,857円と予想されています。
なお、地方公務員のボーナスは、国家公務員の支給実態に合わせるところがほとんどです。国家公務員の基本給の増加や、ボーナス支給月数の引き上げがあると、地方公務員のボーナスも増えると予想できます。
■国家公務員の冬ボーナスの推移
追加で支給が行われることにより、前年比プラスとなる今年の国家公務員の冬ボーナス。では、国家公務員の冬ボーナスはどのように推移しているのでしょうか。2015年〜2024年の国家公務員の冬ボーナスの推移を、以下にまとめました(全て内閣人事局資料より)。
2024年 72万2,000円
2023年 67万4,300円
2022年 65万2,100円
2021年 65万1,600円
2020年 65万3,600円
2019年 68万7,700円
2018年 71万円
2017年 68万1,500円
2016年 70万4,800円
2015年 65万8,600円
直近10年分の推移を見たところ、今年の冬ボーナスは、追加分を合わせると過去10年で最も支給額が多くなる見込みです。なお、支給額が70万円を超えるのは、71万円が支給された2018年ぶりとなります。2020年〜2022年は65万円台が続いていましたが、2023年、2024年は順調に支給額が伸びています。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの「2024年冬のボーナス見通し」では、公務員の2024年の冬ボーナスについて、「公務員の給与・ボーナスは、今後も民間の賃金上昇に追随する形で増加が続くとみられる」としています。
民間企業は、好業績と人手不足を背景にボーナスの堅調な増加を続けていますが、公務員のボーナスも同様に、今後も着実に上昇傾向を示してくれそうです。
■ボーナスの使い道で多いのは?
今冬は70万円台に上る見込みの公務員のボーナス。では、世の中の人はボーナスをどのようなことに使っているのでしょうか。
株式会社ロイヤリティ マーケティングが実施した「第61回 Ponta消費意識調査」(※)によると、2024年冬のボーナスの使い道は、11年連続で「貯金・預金」が1位(33.5%)となりました。
次いで2位は「旅行(宿泊を伴うもの)」(6.7%)、3位は「食品(ふだん食べるもの)」(6.4%)、4位は「外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店)」(4.9%)、5位は「財形貯蓄」(3.8%)、6位は「投資信託」(2.5%)と続いています。
「貯金・預金」の割合は2019年調査(40.5%)以降、5年連続で前年を下回っているものの、未だ「ボーナスはまず貯金」と考える人が多くいることがうかがえます。その他は、旅行や食事、金融資産に充てる人が多いようです。
3位の「食品(ふだん食べるもの)」は2019年の4.8%から今年は6.4%に、6位の「投資信託」は2019年の1.2%から今年は2.5%に増えています。こうした結果から、物価高騰によってボーナスを生活費にも充てる人が増えていること、投資への関心が高まっていることなどが推察されます。
(※)調査期間: 2024年9月24日(火)~9月27日(金)、調査対象: 「Pontaリサーチ」会員3,000人
■今後も増額が続く見込みの公務員のボーナス
2024年の国家公務員の冬ボーナスは、追加分と合わせると72万2,000円が支給される見通しです。また、民間の給与水準との格差解消、物価高騰への対応により、今後も増額が予想されています。今後も、公務員、民間企業ともにボーナスの上昇傾向が続くことを願いたいですね。