400Fは11月6日、「投資に対するリスクへの意識調査」の結果を発表した。調査は2024年9月25日~10月1日、同社が運営する「オカネコ」ユーザー776人を対象にインターネットで行われた。
相場下落時、約6割が「何もしなかった」
調査対象者の中から「投資を行っている」「過去に行っていた」と回答した人へ「相場下落局面を経験した際に、どのような行動を取りましたか」と質問したところ、全体では「何もしなかった」59.9%「投資額を増やした」28.5%「投資額を減らした」4.6%の順に続き、相場の下落に関して静観をしている人が多いことがわかった。また、ほとんどの方は相場下落局面でも投資を継続しており「投資をやめた」と回答した人の割合は5%未満にとどまっている。
「投資額を増やした」人は「投資額を約2割増やした」人が69.3%で最も多く、相場下落を好機と捉えつつ、積極的に行動していることがわかる。
同データを、回答者の少ないその他(自由回答)選択者を除き投資額別に見ると、「何もしなかった」人は「投資額50万円未満」では78.8%だが、「1,000万円以上」では44.4%まで減少している。投資額が少ない人ほど、慎重に行動していることを示唆している。また「投資額を増やした」人は、投資額300万円以上の人からその割合が顕著に高くなり、特に「1,500万円以上」の人は42.0%、約半数が相場下落局面で投資額を増やしている。
同データを、回答者の少ないその他(自由回答)選択者を除き投資歴別に見ると、投資歴が長いほど相場下落局面で「投資額を増やす」傾向がある。特に「15年以上」投資している人は40.9%が投資額を増やしている。長い経験の中で自身の投資スタイルやリスク許容度を理解し、市場下落時でも、好機と考えた際には積極的な投資を行っていることが伺える。一方で、投資初心者(1年未満60.0%、1~3年未満の方73.7%)はより受動的で「何もしなかった」と答えている。市場が不確実な時期に行動を取る自信や知識が不足している可能性がある。
8月の市場急変時の投資判断、33.5%が「投資額を増やせばよかった」と後悔
調査対象者の中から「投資を行っている」「過去に行っていた」と回答し、「すでに投資をやめていた」人を除いた人に「2024年8月初旬の市場急変時のご自身の判断を振り返っていかがですか」と質問したところ「何もしなかったがその判断は正しかった」54.5%が最も多く、約半数の人が冷静に市場を見極め、長期投資を前提とした行動をしていることが伺える。一方で、33.5%の人は「投資額を増やせばよかった」と後悔しており、相場の変動に対してより積極的な対応を取るべきだったという声も見られた。回答の「その他」の中には「投資額を増やしてよかった」の声も複数あり、積極的な投資に前向きな層が広がっている可能性がある。
投資額1,500万円以上、投資歴15年以上の約半数は"外部環境の見極め"に苦戦
調査対象者の中から、投資を行っていると回答した人へ「現在、投資について悩んでいることはありますか」と質問したところ、全体では「経済状況の変化に対する見極め方が難しい」41.2%「投資資金がもう少し欲しい」40.3%「知識・情報が不足している」40.1%の順に多い結果となった。
同データを、投資額別に見ると「投資に必要な知識・情報が不足している」は「50万円未満」56.1%「50万円以上100万円未満」53.5%で最多となり、「経済状況の変化への見極め方が難しい」が「1,000万円以上1,500万円未満」52.2%「1,500万円以上」45.0%で最多となった。投資額が少ない人ほど投資そのものへの知識不足に、投資額が高い人ほど戦略的な問題である"外部環境の見極め"や"ポートフォリオの適切性"に悩む傾向が強いことがわかる。
同データを、投資歴別に見ると「投資に必要な知識・情報が不足している」は「1年未満」41.6%「1~3年未満54.4%」と投資歴が短いほど高いことがわかる。投資歴が長くなるにつれて、この悩みは減少し「15年以上」では30.1%まで下がる。
一方で「経済状況の変化への見極め方が難しい」が「15年~20年以上」48.8%で最多となり、投資歴が長い人も外部環境の正確な見極めは難しいことを示している。しかし、相場下落時に投資額を増やしている人が多いことからも、経済変化の正確な予測よりも自己の投資スタイルを確立できるか、が投資を長く続ける上では大切なことがわかる。
投資をしていない人の64.9%が"元本割れ"に不安
調査対象者全員に「投資を行うにあたって『リスク』という言葉を聞いた時、あなたが感じることとして当てはまるものすべてをお答えください」と質問したところ、「投資資本が元本割れしてしまう」56.2%「投資商品の価格が下がること」35.8%「投資商品の価格の振れ幅が上にも下にも大きいこと」33.1%の順に多い結果となった。
同データを、回答者の少ないその他(自由回答)選択者を除き投資の経験有無別に見ていくと、「投資資本が元本割れしてしまう」を選択した人は「投資をしている」53.3%、「投資をしていない」64.9%となり、投資をしていない人は元本割れに対する不安がより強いことがわかる。また、投資をしていない人は「わからない」と答える割合が「投資をしていない」13.9%(「投資をしている」1.1%)とより高く、自分が何をリスクとして考えているかが整理できていないことが投資への参入に対する大きな心理的ハードルである可能性がある。