アクシスは3月22日、「日本国内の『学歴フィルター』」に関する調査結果を発表した。調査は10月12日、日本国内の就業経験がある20代~60代の男女300人を対象にインターネットで行われた。
調査結果は以下の通り。なお回答者の最終学歴は「その他私立大学」(26%)、「国公立大学」(24%)、「高校」(14%)、「専門学校」(12%)、「早慶上智」(10%)と続いている。
まず「現在の会社が属している業界を教えてください」と聞くと、業界ごとに学歴の偏りが見られ、特にコンサルや金融、商社は高学歴層が多く、サービスや小売は幅広い学歴層が就職していた。
また「学群と会社の規模の相関関係」を見たところ、大学グループ別では、国公立大学や早慶上智の出身者は大企業に所属する割合が高く、特に早慶上智では1,000人以上の規模の企業に多く就職している傾向が強く、専門学校や高校出身者は小規模から中規模企業への所属が多く見られ、規模の大きな企業へ進む割合は比較的低かった。
続いて20代、30代、40代で「学群別年収」を見たところ、20代の年収では、国公立大学やMARCH出身者は最低でも400万円の年収帯に分布し、その他私立大学、専門学校、高校出身者では300万円未満の年収も目立つ。特に高校出身者は300万円未満の割合が高い傾向にあることがわかった。
そして30代の年収では、国公立大学や早慶上智出身者には、600万円以上の年収層が一定数いる一方、その他私立大学や専門学校、高校出身者では300万円未満や300万円帯に集中しており、収入の差が明確に見られた。
さらに40代の年収では、国公立大学や早慶上智出身者には700万円以上の高収入層が多く、特に早慶上智は800万円以上に集中。一方、その他私立大学や専門学校、高校出身者は300万円未満の低収入層が目立ち、高収入層が少ないことがわかる。
次に「学歴は、就職時にどの程度影響したと感じますか」と聞いたところ、「ある程度影響があった」(49%)、「あまり影響がなかった」(26%)が上位となった。
そして「あなたの業界では、採用時に学歴フィルターが存在すると感じますか」と尋ねると、「ある程度存在している」(49%)と回答者の約半数が学歴フィルターの存在を認識していた。
さらに「採用を担当している場合、学歴は候補者を評価する上でどの程度重視しますか」と聞いたところ、「採用担当ではない」(41%)という回答者を除くと、「ある程度重視する」(34%)、「あまり重視しない」(17%)という結果になっている。
同社の代表取締役 末永雄大氏は「学歴と企業規模の関係では、上位校の出身者が大企業に多く所属している一方で、専門学校や高校卒業者は小規模な企業に勤務する傾向が見られました。さらに、年収に関しては、20代から30代では国公立大学や早慶上智出身者の方が比較的高収入の割合が多く、30代以降になるとこの傾向がより顕著になっています」とコメントする。