ヒロインを務めた朝ドラ『ブギウギ』の次に放送された『虎に翼』は、奇しくも日本初の女性弁護士をモデルに描いた作品。こちらのヒロイン役・伊藤沙莉と交流があるだけに、「朝ドラの大変さを知っているので、“がんばれー!”という気持ちで見ていました」と、自身の役とリンクさせることはあまりなかったという。
ただ、朝ドラで渡したバトンが、女性弁護士という形で返ってきた構図に、「初めての女性弁護士の方がいたから亮子がいるんだなと思うと、不思議な縁ですね」と感じているそうだ。
1年弱にわたって挑んだ朝ドラでは、「精神面、体力面で鍛えられたのはもちろんですが、いい意味で“切り替える”ことができるようになったと思います。もともと、すごく気にしたり考えちゃうタイプだったんですけど、撮影はどんどん進んでいってしまうので、“いけるっしょ!”という精神って大事なんだと分かって、自分が変わったと思います」と成長を実感した。
メンタルが「一生修行している人生」
そんな朝ドラに加え、今回のGP帯連ドラ初主演もあり、「2024年は飛躍の年になったのでは?」と聞いてみると、「ないですないです(笑)。本当にやれることをやるだけの1年だったので」と謙そん。
「この間、番組で占いをしてもらったら、私は“修行僧”らしいんです。メンタルが“一生修行している人生”なので、きっと“ここで一つ抜けた!”ということがないんです。人と一緒に作る仕事なので、そういうほうが自分に合っている気がします」と前を向く。
7年前、連ドラ初主演を務めた『過ちスクランブル』(フジテレビTWO)で取材した際、「初心を忘れてはいけないというのは、ずっと思ってます。自分がちゃんと責任を持って、しっかり地に足をつけて、感謝の気持ちを忘れずに、役割を全うしようというのは、毎回考えています」と語っていたが、その姿勢は今も変わらない。
「“人と生きている”というのを常に念頭に置いているんです。環境などいろいろあるので難しんですけど、主役だからといって無理に引っ張ろうとは思わず、みんなで足並みをそろえてやっていきたいので、とにかく現場がいい空気になればと思っています」
●趣里
1990年生まれ、東京都出身。11年に俳優デビュー。『ブラックペアン』シリーズなどのドラマ『ほかげ』などの映画に出演する。23~24年には『ブギウギ』でヒロインを演じ、10月14日にスタートする『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)でGP帯連ドラ初主演を務める。