2番目に注目されたのは20時42分で、注目度81.8%。清少納言(ファーストサマーウイカ)が藤壺に討ち入り(?)に来るシーンだ。
まひろは弟・藤原惟規(高杉真宙)から父・藤原為時(岸谷五朗)が正五位下に昇進したことを聞いた。近ごろ惟規は藤壺によく遊びに来る。何が目当てなのか、およその察しはついている。
惟規と別れて自分の局へ戻ったまひろは、道長から賜った扇を広げて物思いにふけった。父の急な昇進には、やはり道長の恩情が関わっているのだろう。普段は何も考えていない惟規ですら驚いていた。
その時、廊下からこちらへ向かってくる足音が聞こえてきた。「藤式部、清少納言がお見えです」大納言の君(真下玲奈)が思いがけない人物の名を口にした。「お久しゅうございます、まひろ様」「ききょう様」まひろはききょうに駆け寄ると、懐かしい友人の顔に思わず表情を緩めた。しかし、ききょうがまひろに向ける表情は、氷のように冷たかった。「光る君の物語、読みました」ききょうの口調は、旧交を温めに来たのではないことが明白だった。旧友の態度にまひろは戸惑いの表情を浮かべるしかできなかった。
敵意むき出しのききょうに「バチバチやな」
このシーンは、闇落ち寸前のききょうに、視聴者の関心が集まったと考えられる。
ききょうにとって皇后・藤原定子(高畑充希)は絶対的な存在。定子の素晴らしさを後世に伝えるために執筆した『枕草子』を、定子の夫である一条天皇は日々読みふけり、今は亡き定子を偲んでいた。ところが、一条天皇の寵愛は道長の娘である中宮・藤原彰子に移り、その原因はかつて親しくしていたまひろの書いた『源氏物語』であると知ったききょうの心中はいかばかりのものだろうか。
SNSでは、まひろに敵意をむき出しにするききょうに、「ついに紫式部VS清少納言! 来週がすごく気になる」「清少納言、すでにバチバチやな」「ききょうさんとまひろさんにはズッ友でいてほしかった」「ききょうさん、怖いな…」などのコメントが寄せられている。2人の女流作家の関係は、このまま終わってしまうのだろうか。
史実では、紫式部のほうが、清少納言に対してバチバチの感情を持っていたようである。清少納言が紫式部について言及した記録は残っていないようだが、紫式部は『紫式部日記』で清少納言について記述している。「得意げに漢字を書き散らしているけど、よく見たら足りないところがある」「人より優れているように見せようとしているけど、そんな人の行く末はしれている」といったかなり辛辣な内容だ。作中でもここまで険悪な関係にまで発展するのだろうか。
ちなみに紫式部の娘・大弐三位(賢子)と清少納言の娘・上東門院小馬命婦(じょうとうもんいんこまのみょうぶ)は、共に彰子に仕えるようになる。「2人の才女」の間には強い因縁が感じられる。